大島一彦のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
舞台は19世紀初頭の英国の田舎で、紳士の娘たちの恋愛模様が描かれている。相手は貴族だったり軍人だったりと、当時の身分の差という恋愛の障壁も上手く描かれている。
率直な感想は「いやもう凄い…」で、読みながら本を置いて「いや〜凄いわ…」とひとり言を何度言ったかわからない。感想でも何が凄いかくらいははっきりさせておきたいのだが、何が凄いのかうまく言えない。
しいて言えば、なにも出来事が起きてないところまで面白い。つまり、660ページあるが最初から最後まで全部面白い。
それもこれも会話と地の文の折り合いが良く、一切違和感というか無駄を感じるところがなかった。風景描写は必要なシーン以外は殆どなく、 -
Posted by ブクログ
挿絵入りなので、いまから200年前の風俗が参考になる。
19世紀初頭の女性のファッションが魅力的。
英文学の古典であるジェイン・オースティンを高く評価している人は数えきれないほどいるが、なかでも「世界の十大小説」のサマセット・モームと、「文学論」の夏目漱石が有名だろう。
オースティンの小説は純然たる娯楽小説で、いずれもラブコメだ。
「高慢と偏見」は700ページ近くの大長編だが、読み始めたら止まらなくなる。
ハラハラドキドキの波乱万丈の展開というわけではなく、英国の田舎の恋愛劇なのだが、モームの言うように、なぜか次のページをめくりたくなる。
そして、読み終わった後にふたたび読みたくなる。 -
Posted by ブクログ
古典文学を読むのは初めてといってもいいかもしれない。何しろ200年以上も前に作られた小説。テーマは本のタイトルの通りである。
同じカースト(クラス)以外の結婚はご法度のこの時代、それでもミスターダーシーは諦められずに婚姻を迫る。彼のステイタスから発する高慢で横柄な態度をエリザベスがへし折っていく、そしてエリザベスのほうも彼女が自分の偏見でみていた”お金持ちはつっけんどん”なミスターダーシーに対して考えを改めていく。物語が佳境にいくにつれ、双方ともに自分を振り返り学ぼうという姿勢はなんとスマートな考えだろう。この時代にこんな考えを持てる二人は、200年先をいっていてとってもクールだ。 -
Posted by ブクログ
楽しすぎて読みながら終始にやにやしてしまった。タイトルからはお堅い古典のような印象を抱いていたけど、まったく違った。先が気になって仕方がなくなる海外ドラマみたいだった。じれったくて、もどかしいくて、甘い。
時代設定は『高慢と偏見』よりも約100年後だけど、『ダウントンアビー』を見ていたおかげで貴族の晩餐やティールームの習慣や限嗣相続などすんなりイメージができた。
読んでいて純粋に夢中になって物語に引き込まれて、心から楽しんだ。そしてヴァージニア・ウルフが『自分ひとりの部屋』で言っていたことを思い出した。
ウルフは
「ジェイン・オースティンについて、いちばん奇跡的なのは、1800年前後に、