香坂鮪のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
2025年このミステリーがすごい!文庫グランプリ大賞受賞作。集まった人達の”ある”共通点。事件との接点がわからない絵の傷。殺人なのか、自然死なのか。何か違和感を抱きながら読み進めていると、後半にアッと言わされるいわゆる叙述トリック系ミステリだ。先入観とは実に恐ろしい。
本作は全体的に仕掛けがとても多い作品である。クローズドサークルのようで、そうでない。館物のようで、そうでもない。大小さまざまな伏せられた情報で読者を惑わせる。ミステリファンに向けて、誰も読んだことないトリックを世に送り出そうとする作者の気概を感じた。
一方で、凝りすぎたことによって物語を複雑にしている印象も受けた。ストーリー