香坂鮪のレビュー一覧
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ネタバレ前作よりは圧倒的に読みやすかった。
私自身、明らかなどんでん返しや叙述トリックより、今回のように不可解な謎について探っていくほうが好みなので、それもあって読みやすかった。
とはいえ、少々想像し辛い部分もあった。
前作でも思ったが、現代においてクローズドサークルを作るためのアイデアがよくできてるなという気持ち。
前作の桜子ちゃんが今回も登場。今後、桜子ちゃん探偵のシリーズになるのだろうか?
医療ミステリーのほうが良さそうな気もするが、もちろん作者が好きなものを書けばいいとは思っているので、静かに次の作品が出ることを待つことにする。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ山奥の別荘に集まった終末期の患者たちの交流会で死者が発生し、居合わせた探偵と助手が事件性を探る――そんな導入から始まるが、物語は予想を裏切るように二転三転していく。前半は一見すると違和感のある表現が続き、そのたびに「これは伏線なのか?」と読み手に引っかかりを残す。そして後半では、その違和感をすべて回収しながら解決編へとなだれ込む構成だ。途中で何度か「えっ、そうくるの?」と驚かされる仕掛けも効いていて、ラストの伏線回収は鮮やか。ただし、個人的には作品世界に没入しきれなかったのが正直なところ。スマホが登場するまで時代背景が曖昧で、そこが読み味を少し損ねていたように感じる。
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Posted by ブクログ
ネタバレ物語の舞台は、山奥にある別荘「夜鳴荘(やめいそう)」。
ここでは、余命宣告を受けた人々だけで構成される交流会「かげろうの会」が開催されている。
この会にゲストとして招待されたのは、元刑事で現在は私立探偵を営む七隈昴(ななくま・すばる)と、その助手である元研修医の薬院律(やくいん・りつ)。
七隈自身も1型糖尿病を患っている。
交流会は、6人の会員たちとともに始まる。
初日の夜、参加者たちは食事を共にして親交を深め、和やかな雰囲気で時間が過ぎていく。
しかし、翌朝、衝撃的な事件が起こる。
参加者の一人が自室で死亡しているのが発見されたのだ。
死因ははっきりせず、持病による自然死なのか、それとも殺人