あらすじ
累計10万部突破『どうせそろそろ死ぬんだし』に続く「館」ミステリーは依存症患者×孤島!
ロジカルな推理といくつもの伏線が導き出す「なぜ」の答えに驚愕。
――大山誠一郎(作家)
孤島の別荘で行われる依存症回復プログラムに、料理人として同行することになった桜子。
恋愛依存、ゲーム依存など、様々な依存症を抱える人々が集う。
しかし1日目の深夜、参加者の一人が不審死を遂げる。
刃物らしきもので首を切られた様子で、現場は密室。
別荘内にある刃物は、桜子が厳重に管理している包丁とナイフのみ。
桜子が参加者から犯人と疑われるなか、さらなる事件が起き――。
第23回『このミステリーがすごい!』大賞・文庫グランプリ受賞作家最新作。
【著者について】
香坂鮪(こうさか・まぐろ)
1990年、熊本県生まれ。大阪府在住。現在、循環器を専門とする特定機能病院に勤務。心臓と脳を中心に、心筋梗塞、脳梗塞などの治療に携わる。第23回『このミステリーがすごい!』大賞・文庫グランプリを受賞し、『どうせそろそろ死ぬんだし』(宝島社文庫)で2025年にデビュー。
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
ミステリーとしては好き嫌いが分かれそうだが、個人的には納得感が高くて好きな作品。
「依存症患者が回復プログラムで孤島に集まる」という設定に惹かれるし、その設定が活かされている内容。
私はミステリーを読んでいるときに、あまりに現実離れした殺人現場が用意されていると、「なんで犯人はわざわざこんなに手間のかかる殺し方を?」と白けてしまうタイプ。
今作はそこに納得のいく理由がある点が好みだった。
依存症を非常に丁寧に描いているなあ、と思ったら著者が現役の医師!
シリーズ一作目を読めていなかったのでそちらも楽しみに読みたい。
Posted by ブクログ
孤島の別荘で行われる恋愛依存、ゲーム依存など様々な依存症の患者を対象とした依存症回復プログラムの最中に起きた密室殺人が起き、捜査を進めるうちにちぐはぐな不可解さが浮き彫りになる一風変わった館ミステリー2作目で、作中の密室講義や「なぜ犯人は事件発覚を早めるような行動に出たのか?」という謎に対する解決編が印象的だった。
Posted by ブクログ
プロローグから孤島のミステリー感誰か殺されるぞ!の出だし。他と少し違うのが集められた人がみな依存症の克服回復を願うってところ。依存症もいろいろある。詳しく書かれててそこがミステリーより深読みした。
Posted by ブクログ
シリーズものの2作目と知らず、こっちから読んでしまった。
ミステリーの内容よりも依存症回復プログラムを登場人物と一緒に受けている感覚になって、依存症について考えさせられた。
Posted by ブクログ
様々な依存性の方々が 孤島で再生プロジェクトに臨む
しかし依存から脱却する為に島を訪れたのに
次々と人が亡くなって行く!自殺、事故、他殺?
それぞれの依存性が他者に与える影響?
事件の真相も大事だが!
何に縋って生きてしまっているか?まだ縋り続けてしまうのか?
読後も自分にも問われるテーマがのし掛かる?
Posted by ブクログ
前作にも登場した桜子が探偵の役割を担いながら、事件解明に向けて話が進んでいった。事件、密室、探偵というありがちな設定であるからこそ、ある種のエンタメとして消化した上で楽しむことができた。
依存症という精神的な問題が題材となっているため、人間関係や好意の方向などに注目しながら読み進めることが楽しかった。
精神科医でありながらコーヒーに依存している誠司が怪しいと踏んでいたが、仕事に直向きな姿勢であったり患者同士の関係に気付けない、天然さからくるものなのかと納得した^面白かった!
Posted by ブクログ
依存症の人たちは素直で、愛情深くて、深すぎて、執着してしまう。その加減ができなくて、愛を受け入れ、与えすぎてしまう。
普通に暮らしている私たちも、知らない間に何かに依存し、縋っているのかもしれないと思った。
推理やトリックは想像しにくかったです…。
Posted by ブクログ
今回は孤島モノでありながら静かな雰囲気なまま。
ただ依存症の人々の思いと重いを描きながら、ミステリとして好きだなあ。
3036冊
今年264冊目
Posted by ブクログ
前作よりは圧倒的に読みやすかった。
私自身、明らかなどんでん返しや叙述トリックより、今回のように不可解な謎について探っていくほうが好みなので、それもあって読みやすかった。
とはいえ、少々想像し辛い部分もあった。
前作でも思ったが、現代においてクローズドサークルを作るためのアイデアがよくできてるなという気持ち。
前作の桜子ちゃんが今回も登場。今後、桜子ちゃん探偵のシリーズになるのだろうか?
医療ミステリーのほうが良さそうな気もするが、もちろん作者が好きなものを書けばいいとは思っているので、静かに次の作品が出ることを待つことにする。