ルル・ミラーのレビュー一覧

  • 魚が存在しない理由 世界一空恐ろしい生物分類の話

    Posted by ブクログ

    魚の話かと思ったら、途中で「魚の話じゃないんかい!」となり、最後に「やっぱり魚の話だった!」となりました。
    ところどころ作者の自伝的な描写が挟まり、展開が目まぐるしく、飽きさせない。
    個人的な受け止めは生物学的なものに限らず「線」を引くことの難しさ。また自発的なアンラーニングがいかに難しいか。万人に薦められそうな良書。

    0
    2025年11月17日
  • 魚が存在しない理由 世界一空恐ろしい生物分類の話

    Posted by ブクログ

    読み終えられるとは思わなかった。装丁のかっこいいこの本は買って飾って置きたくなる 人間より魚が好きな私には声を出して笑いたくなる痛快な本でした。

    0
    2025年09月20日
  • 魚が存在しない理由 世界一空恐ろしい生物分類の話

    Posted by ブクログ

    少し重いバインダーに書類を挟むと、その資料が重要なものだと認識する。そんな逸話を読んだことがある。
    故に本の装丁というものは、存外と大事なものなのだそうだ。
    見事な装丁の本だ。深い藍色の紙に銀の印刷、インパクトのある表紙で美しい。Xで見かけてから心ひかれて手に取った。厚みのわりにページ数はさほどでもない。注釈と謝辞をのぞけば340ページ程度なので、本になれた人間であれば数日で読破出来る分量で、また文章も平易で読みやすい。美文ではないが親しみやすい。
    さて、この本はいったいどう分類したら良いだろう。
    一応Xでの紹介文では『分類学についての本』ということになっている。しかし、いざ本を開けば、分類学

    0
    2025年08月09日
  • 魚が存在しない理由 世界一空恐ろしい生物分類の話

    Posted by ブクログ

    咀嚼が難しい。なんだろう。優生学だったり、色々話題になっているものはあるけど、私に理解する力が足りないらしい。装丁が素晴らしすぎるので☆5。

    0
    2025年08月03日
  • 魚が存在しない理由 世界一空恐ろしい生物分類の話

    Posted by ブクログ

    俺の仲良い人たち、大好きな人たち、みんな読んで欲しいなぁ。特に考えが近いひとたち。
    書影買いしたのに中身刺さりまくった。あまりに筆が上手い。読ませる。

    0
    2025年07月23日
  • 魚が存在しない理由 世界一空恐ろしい生物分類の話

    Posted by ブクログ

    めっちゃくちゃ面白かった。個人的ベストかも。
    デイヴィッド・スター・ジョーダンという人間の人生を紐解いていきながら、なぜ人間は自然をカテゴライズしたがるのか?生きる意味とは?この世のカオスとどう接するべき?科学とは?希望とは?等々…に繋がっていく。途中何度も「え?これまじでノンフィクションなの?」って疑った。そのくらい衝撃的な感覚を味わえた。いやーーー最高!

    0
    2025年07月06日
  • 魚が存在しない理由 世界一空恐ろしい生物分類の話

    Posted by ブクログ

    装丁に一目惚れして手に取りました。

    この本は、科学や偉人の伝記、著者の思考、絶望感、人生観など、さまざまな要素が織り込まれていて、一言でジャンルを括れない不思議さがあります。

    読み終えたとき、“魚を手放す”ということを通して、その不思議さが腑に落ちるように感じました。そしてそれは、人生の意味や世界の見え方にまで、自然と思いを馳せるきっかけにもなりました。

    0
    2025年07月01日
  • 魚が存在しない理由 世界一空恐ろしい生物分類の話

    Posted by ブクログ

    人間の直感と、それによる分類がいかにアテにならないか、そしてその固定観念から解き放たれることはどういうことなのかを魚類学者D. S. Jordanの生涯を追う著者の体験をもとに描き出したドキュメンタリー。

    10年前、私に「実際、"魚類"という分類は全くのデタラメなんだけどね!」と明るく教えてくれたのは魚類学者の教授だった。それでも便利だから魚類という分類を使わざるを得ない状況であることも。
    「科学的に正確なこと」と「世間一般に広く分かりやすく(面白く)教えること」は全くの別ものなのだと。
    著書の言うとおり、正しく世界を見ているかはさておき、"人間という生き物&q

    0
    2025年05月30日
  • 魚が存在しない理由 世界一空恐ろしい生物分類の話

    Posted by ブクログ

    「進化に至る真の道は、
    確信ではなく疑いで敷かれている。」

    想像のはしごの頂点に
    人間が居座る場所を維持し続ける為に、
    人間と別の動物との類似点を軽んじる。
    *フランス・ドゥ・ヴァール(霊長類学者)

    人間なんて、
    そんな大層なもんじゃない、
    と思っているが、
    あまり一般的な感覚ではないらしい。

    脳みそのカサブタがぱりぱりと
    はがれていくのを楽しめる1冊。
    優生学についての記述はしんどかったが。
    とにかくも、美しい装丁。

    0
    2025年04月26日
  • 魚が存在しない理由 世界一空恐ろしい生物分類の話

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

     本書はなまじ詳しい人や知識のある人ほど、表紙に書かれている情報から「どんな内容かだいたい想像がつく」と思ってしまう。しかし、断言してもいいが、この本の内容は想像を超えてくる。
     著者は小さい頃、科学者である父親に教えられた。「この世界に意味などない」。でも彼女は意味がほしかった。自分が存在する意味が。
     やがて著者は一人の科学者に傾倒する。デヴィッド・スター・ジョーダン──魚類の分類で知られ、スタンフォード大学の初代学長でもあった。彼の不屈で自信に満ち溢れた生涯にあこがれたのである。
     だが、調べていくうちに衝撃の事実を知る。ジョーダンは優生思想の布教者だった。著者は震え上がる。彼女はバイセ

    0
    2025年04月21日
  • 魚が存在しない理由 世界一空恐ろしい生物分類の話

    Posted by ブクログ

    タイトルから生物学的な話を想像していたが、どちらかと言えば人生や世界についての哲学っぽい話だった。
    デイヴィッド・スター・ジョーダンのことも、分類学のことも知らないまま読んだが、著者の視点と共に読み進められたので分かりやすく読みやすかった。
    優生学の話が出てきたあたりから、特にアナとマリーの話は心苦しかったが、色々と印象的な言葉や考え方があった。
    ダーウィンの『種の起源』や、最後に著者が紹介していた本も読んでみたいと思った。

    0
    2025年04月15日
  • 魚が存在しない理由 世界一空恐ろしい生物分類の話

    Posted by ブクログ

    生物分類学と進化論に関するポピュラーサイエンス本のつもりで読んでいたら、生きることの意味、新しく何かを知ることの不可逆性を考える文学作品だった。

    まず、「分類」という行為が人間の思い込みに左右されていて、またその思い込みが世界の見え方を固定してしまうと感じた。
    分類学はカオスとの闘いであり、連続的な自然界に便宜上の恣意的な境界線を引き、名前をつけて世界を理解しようとする取り組みだった。
    デイヴィッド・スター・ジョーダンは、自身の宗教的・倫理的価値観に添うような秩序を自然界に見出そうとし、ダーウィンの進化論だけでなく優生思想も無批判に受け入れ、一面的な価値基準で人間に序列をつけて種の複雑さや揺

    0
    2025年11月15日
  • 魚が存在しない理由 世界一空恐ろしい生物分類の話

    Posted by ブクログ

    装丁がとても凝っていて電書よりも紙本の方がいいなと思える本でした。
    魚が存在しないとは……目から鱗でした。

    0
    2025年10月30日
  • 魚が存在しない理由 世界一空恐ろしい生物分類の話

    Posted by ブクログ

    スタンフォード初代学長にして、優性思想を推進した魚類の分類学者デイヴィッド・スター・ジョーダンの伝記と、筆者の人生を絡めた話。
    アメリカという国は偉大な人物と、禁酒法や優生保護法などの極端に振れる政策を生み出す国なのだな、と思う。
    トランプの国、アメリカ。
    アガシを生んだアメリカとダーウィンを生んだイギリスに思いをはせさせる本。

    0
    2025年10月20日
  • 魚が存在しない理由 世界一空恐ろしい生物分類の話

    Posted by ブクログ

    著者のルル・ミラーは科学系のジャーナリストだそうだ。生化学者の父はかつてルルに「人生には意味はない。自分の存在になんの意味もない」と言った。大人になっても、自分とは何者なのか悩み続ける彼女は19世紀に生涯をかけて魚類の分類という大仕事をした科学者デイヴィッド・スター・ジョーダンの研究を始める。ここからはジョーダンの伝記のようだ。度重なる震災で膨大なコレクションが破壊されてもめげずにやり直す楽天的な逞しさ。それはどこから来るのか。しかしジョーダンの生涯には怪しい殺人の影、優生学奨励による非人道的主張などがまとわりつく。ジョーダンが生涯を賭して整理した魚類の分類だが、現在の科学は分岐学が主流となり

    0
    2025年09月21日
  • 魚が存在しない理由 世界一空恐ろしい生物分類の話

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    魚類に関する科学的な新しい発見みたいなのを紹介する本かと思いきや、色々と裏切られたとても面白い本。

    ストーリーの主人公と言えるスタンフォード大学の初代学長のデイヴィットジョーダンの光と闇についてや、著者の喪失からの回復、アメリカでつい最近まで行われていた優生思想による恐ろしい手術など思いがけない話ばかりだった

    0
    2025年09月07日
  • 魚が存在しない理由 世界一空恐ろしい生物分類の話

    Posted by ブクログ

    科学者として優秀だが、別の側面を持つ人物テビヴィット・スター・ジョーダンの生涯を追っていく。
    その中で、筆者は何を見たのか。
    その見つけたものを自分に当てはめた時、何が起きるのか。
    難しい内容かも知れませんが、読んでみて欲しい作品です。

    0
    2025年08月15日
  • 魚が存在しない理由 世界一空恐ろしい生物分類の話

    Posted by ブクログ

    生物分類の学術発展をうまく切り取って(そしてある意味で読みやすく)語った著作。対象とするテーマは生物学や遺伝学、それをめぐる歴史といったあたりだが、メッセージ性としては科学哲学といったあたりも含んでいる。

    本書に散りばめられたメッセージ、特に生物分類学とは別のところの「人間に意味などない」「いや、むしろある」議論であったり、信念・行動に意味があると信じて疑わない姿勢の危うさなどのメッセージは読み手ごとに受け取り方が変わりうると思う。
    個人的には、著者のような経験を通じなくても、ここ数年はSNS等で「自分が全てを知っているように信じる」人を傍目で見る機会が多いように感じるため、若干の今更感を感

    0
    2025年08月09日
  • 魚が存在しない理由 世界一空恐ろしい生物分類の話

    Posted by ブクログ

    生物分類に興味があったので、もともと「魚が存在しない理由」は知っていました。
    なのに、装幀と書名の組合せがあまりに魅力的だったので、気になって思わず衝動買い…まさか、自分がサンマーク出版の本を買うことになるとは。
    内容はといえば、科学者ディヴィッド・スター・ジョーダンの生涯と、それを追って交差する著者の個人的な回復の物語といった感じ。
    不屈の偉人と思われたディヴィッドが、追跡するうちにダークな側面を露わにしていき…といった展開なので、純粋な生物教養本として読むと期待が外れるかも。
    ちなみに、「魚の存在」は「人生の意味」と重なっていて、「存在の意味」と「意味の存在」の間の断絶(飛躍)が主題のひと

    0
    2025年05月24日
  • 魚が存在しない理由 世界一空恐ろしい生物分類の話

    Posted by ブクログ

    分類学者デイヴィッド・スター・ジョーダンの伝記と、ジャーナリストでこの本の著者であるルル・ミラーの人生が交錯する構成。とても映画的。翻訳が非常に自然ですばらしい。上原裕美子さん

    0
    2025年04月18日