マルク・ラーベのレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
ネタバレドイツの作家マルク・ラーべのトム・バビロンシリーズ第二弾。
ベルリン国際映画祭で女性が刺される映像が流される。どうやら女性は市長の娘で、本物のスナッフビデオなのか、それとも作成された映像なのかがわからない。ただし臨床心理士のジータは、映像の中にあった『19』の数字に嫌な予感を覚え…
二ヶ月連続で刊行されただけあって、前作「17の鍵」と前後編のような立ち位置。関連しすぎていて、連続して読まないと細かなところまで楽しめないかも(サラッと復習してから読んだ方が良い)。
前作よりミステリ的には薄くなったが、エンタメ度は段違い。今作の疾走感は前作以上。前作のように現代パートがありつつ、今回はジータの過去パートが挟まれる。
特にこのジータの過去パートで一つ、とんでもなく驚かされることがあり、そこからギアが上がる。正直『19』のことより、着地点が気になって気になって読み続けてしまった。
意外な犯人あり、えっ!?となるラストあり。個人的には、警察小説としてはワシントン・ポーシリーズとの二強と思うくらい好みだった。四部作と終わりが決まっているので、最後まで追いかけたい。
-
Posted by ブクログ
マルク・ラーベ『スズメバチ』創元推理文庫。
『17の鍵』『19号室』に続く、ドイツ・ミステリー『刑事トム・バビロン』シリーズの第3弾。
第2弾の『19号室』がイマイチだったので、この第3弾の購入に躊躇していたのだが、全4作の結末が気になり、購入してしまった。果たして、鬼が出るのか、それとも蛇が出るのか。
2027年春にはシリーズ完結編となる『ヴィオーラの隠れ家』が刊行されるようだ。
30年前に何者かに連れ去られ、安否不明状態の妹ヴィオーラの幻影と幻聴を常に身近に感じながらも、刑事としての任務を全うしようするトム・バビロンに襲い掛かる暗い影。誰の思惑なのか、次第にトムは妻のアンネと共に事件の火中へと巻き込まれていく。
少しずつ明かされるトムと妹のヴィオーラ、母親のインゲ、父親のヴェルナーの過去の物語。トムが15歳の時に行方不明となった当時10歳のヴィオーラの消息は……
余りにも目まぐるしい展開は、謎が謎を呼び、罪はさらなる罪を生み出す。最後の最後に描かれた驚愕の描写。なかなか読み応えがあり、第2弾の『19号室』で断念しないで良かった。
謎の男性がスズメバチという人物からの指示で託された謎の封筒を1人の女性に渡した。その女性は、ベルリンで2万人以上の観客が熱狂する中で開催されているロックスター、ブラッド・ギャロウェイのライブステージの上に上がり、その封筒をブラッド本人に手渡す。
その封筒の表には『緊急』という文字が書かれており、中にはアルミケースが入れられていた。そのアルミケースには、凝固した血の上に載せた小さな白い羽根が入っていた。
翌日、警察のゲストハウスでブラッドの血だらけの惨殺死体が発見される。死体の陰部は切断されており、胸には黒いペンで「愛する者の命は大事か?」というメッセージが残されていた。
刑事トム・バビロンは、警察付き臨床心理士のジータ・ヨハンスと共に捜査を始めるが、警察はトムの妻のアンネをブラッドを殺害した容疑で逮捕する。さらには殺人容疑はトム・バビロンにも及び、物語は混迷を極める。
本体価格1,500円
★★★★★ -
Posted by ブクログ
ネタバレ個人的には2025上半期一番面白かった!
ここが良い!
・細かいミスリード
・先が気になる構成、描写なので飽きがこない
・設定はシンプル王道なのに、楽しめる
ここは好き嫌いありそう
・シンプル王道、長い
・殺害方法がえぐい
・最後の、犯人クリスティアン(ゼバスティアン)との対峙、戦闘描写が急に雑
・散りばめた伏線があり過ぎる
・ユーリ・サルコフとかいう日本翻訳版が出てない作者デビュー作の登場人物の謎クロスオーバー
・登場人物に魅力が、、、キャラクターで読ませる小説ではない
ミスリードが上手。ヴィーは『アルプスの少女ハイジ』が大好きでぼろぼろ泣いたという過去の章の描写。本当に些細な描写で、大分後になってから、クララとその名前の由来が明かされたから(ページ数だとP93→356)、阿呆みたいに普通に騙された。
ただ、伏線置きっぱなしなの沢山あるから2ヶ月連続刊行にしたのは大正解だと思う。
この作品楽しめた人は、J・D・パーカーの『悪の猿』3部作も楽しめると思う!
-
Posted by ブクログ
ドイツミステリの新シリーズ、めっちゃ面白かった。
大聖堂で殺された牧師、「17」の鍵、主人公の刑事の行方不明の妹、かつての仲間、臨床心理士のバディ、精神病院の謎の患者……
主人公のトム(刑事)の過去のできごとと現在起きている事件の章が交互に描かれ、謎が謎のままだいぶ引っ張られるしなんと完結しない(事件自体は一応終わるけど)。
訳者あとがきによるとこのシリーズは四部作なので、連ドラでいう「ひとつの大きな謎」がずっと物語の底に通奏低音として流れているタイプのシリーズのようだ。たぶん。
正直、発売直後にこの『17の鍵』をすぐに読まなくてよかったと思った。1ヶ月後に続編の『19号室』が出て、わたしは二冊同時に手に入れてから『17』を読み始めることができた。じゃないとモヤモヤした割には「通奏低音」の詳細を忘れてしまいそうなので(あくまで個人的な見解)。
殺人事件以外にも未解決の気になる謎だったり登場人物の過去だったり、気になることがたくさん開陳されて終わった印象なので、ちゃんとすっきり明示されるといいな……と楽しみ&ドキドキ。 -
Posted by ブクログ
ドイツミステリーは初めて。現代の事件でありながらもベルリンの壁について何度も象徴的に触れられており、改めてネットで調べたり。国家が力を持ち過ぎてしまった時代、人権が軽視された時代。
このあたりの時代背景がシリーズ全体を貫く筋になっていくのかなと予想。
ところで、トムが現場に気ままに立ち入り、勝手にいじり、隠蔽までするため、私の中のリンカーンライムが激おこ。主役2人はメンタルが擦り傷だらけなかんじで現場にいるのにいつもそれどころではなくいっぱいいっぱいなので、ちょっと落ち着いてから業務に従事した方がいいんじゃないかな、、と声をかけたくなります。
そんな不安定な基盤にある登場人物たちがどのように活躍していくのか、続きも気になります。 -
Posted by ブクログ
ネタバレここまでのシリーズ三作の中では一番面白かった。
過去と現在を行き来する構成は本作でも変わらず、今回はトムの両親の過去が明かされる。
また、トム自身が被疑者となって追われる立場になってしまうのでよりスリルがあり、ジータとトムの協力関係もここまで信頼関係が築けてきたからこそという感じがして良かった。ミステリー的な意味ではないけど、真犯人については意外性があった。(生かしといていいのか…?)
人間関係が結構複雑になってきて、因縁ありすぎではと思う部分もあったが、まあシリーズ完結に向けて収束してきてるのかなと思った。トムはいつも痛そうな思いをしてる…。
ラストも次作に繋げる気になる終わり方。どんな完結になるのか楽しみ。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ前作はトムの過去が明かされていたが、今回はジータの過去が明かされる。登場人物の掘り下げがあったりつながりが判明したり、シリーズとしての面白さは増したと感じた。
映像の中の犯行がそもそも本物なのか?というところから始まり、被害者の父親たちに何かがあるという疑惑が出てくるところ、それがジータの過去と繋がってそうだという展開が面白い。
そして相変わらずトムはフィジカルが強い。
終わり方もまた次作につなげるような終わり方。
ミステリーとして見たらあまり推理や謎解きはないので物足りなさはあるが、警察小説というかサスペンスとして見ると面白い。ミステリーを期待しない方が楽しめると思った。