マルク・ラーベのレビュー一覧

  • 17の鍵

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    ずっとハラハラし通しだった。
    主人公は、事件解決のためなら多少の規則違反も目を瞑るタイプの刑事……にしてもしょっぱなからそれは飛ばしすぎという行動から始まるこの話。時代は二○一七年、ベルリンの壁崩壊から三十年が経とうとしているドイツ。
    主人公を信じていいのか、それとも……危うさを感じさせるのは彼だけではなくて、登場人物ほぼ全て。
    全員怪しく、全員やましさを抱えている。それを打ち明けあったり、隠したまんまだったり、少しずつ信頼関係が築かれ、事件は終局を迎えるのだけれど、大きな謎は次巻に持ち越し。

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    2025年04月30日
  • 19号室

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    前作同様、映像が目に浮かぶようなエキセントリックなオープニング。さすが映像制作会社社長!目まぐるしい展開に閉じることができず、ほぼ一日で読みました。こうした歴史の負の側面を抉り出すことで、エンタメに重みが生まれているかと。ドイツ分断時代ネタはたっぷりありそうなので、今後も楽しみです。ジータと彼の繋がりを作るのはちょっとやりすぎ?かと思いましたが、ほんわかパートでもあるので、今後の展開を期待します。にしても、臨床心理士とは思えないほど現場での捜査に加わっていて???ではあります。そしてまたまた次作に余韻を残す結末、読まざるを得ないではないですか。ただ、今後の流れに必要なのだとは思うけれど、ヴィー

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    2025年04月29日
  • 17の鍵

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    羊たちの沈黙が始まったか、と思うようなオープニング、前半の展開はスリリングで惹きつけられました。後半説明口調になり、わかりやすかったもののテンポ落ちた感があり残念。度々登場するヴィーの妄想もくどくない?とは思いましたが、連続して読まざるを得ない結末には唸らされました。ドイツミステリは何回か読みましたが、旧東ドイツ時代の負の歴史をえぐった作品は初めてで、ミステリの魅力を噛み締めています。

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    2025年04月06日
  • 19号室

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    「17の鍵」と同じトム・バビロンが主人公のドイツを舞台にしたミステリー。今作は臨床心理士のジータに焦点を当てている。ジータの18年前の事件と2001年の事件がそれぞれの時間系列で交互に描かれていく。過去のトラウマに苦しむジータ、妹の亡霊が見えてしまうトムの2人の、足を使った地道な操作に拍手を送りたい。

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    2025年03月31日
  • 19号室

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    ベルリン国際映画祭の開会式場に悲鳴が響き渡った。予定外の、女性が殺される瞬間を撮った映像が上映されたのだ。女性は市長の娘で女優の卵。映像はあまりにリアルで、目出し帽の人物が上映を強要したという。トム・バビロン刑事は捜査を始めるが、相棒の臨床心理士ジータは、映像内の壁に残されていた「19」に、自分との共通点を見つけて戦慄する。

    誰も彼もが叫び続けているような、サスペンス満載のドイツ発警察小説第2弾。しかも肝心の謎は次作以降に残されているとは。

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    2025年03月30日
  • 17の鍵

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    早朝のベルリン大聖堂で殺人事件が発生。丸天井の下に、女性牧師の死体が吊り下げられていた。現場に駆けつけたトム・バビロン刑事は、信じがたいものを目撃する。被害者の首には、カバーに「17」と刻まれた鍵がかけられていた。かつて、トムが少年の頃に川で見つけた死体のそばにあったのと同じ鍵が、なぜ今、ここに現れたのか? 圧倒的スピードで疾走するドイツ・ミステリ!

    次作を読まずにはいられない。

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    2025年03月27日
  • 17の鍵

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    205.03.16
    読み応えあり。
    訳者あとがきをまず読むことをおすすできます。読み進めるにあたり過不足ない前提情報を得られます。
    ネタバレしない範囲でいえば、主人公の警察官はあまりにも無鉄砲すぎる。

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    2025年03月16日
  • 17の鍵

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    マルク・ラーベ『17の鍵』創元推理文庫。

    2ヶ月連続刊行のドイツ警察ミステリー小説の第1弾。

    またまた帯の『圧倒的な面白さ』という惹句に踊らされてしまったようだ。何だか騙されたかのような読後感。あれよという間に、謎が謎を呼び、大きな謎を残したまま結末を迎えてしまった。

    解説を読むと、どうやら4部作のようだ。今月末に刊行予定の第2作『19号室』は本作にも描かれた養子縁組のあの部屋を指しているのだろう。第3作は『スズメバチ』、第4作は『ヴィオーラの部屋』という仮のタイトルが付いている。

    これだけ多くの謎を残された以上は、全4作を読まねば気になって夜も眠れなくなるに違いない。


    2017年

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    2025年02月15日
  • 17の鍵

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    ドイツのミステリーを読むのは初めてかもしれない

    現在、2017年と過去、1998年を行き来しながら事件捜査は動いてゆく
    個人的にはめんどくさく感じた! (申し訳ない)
     のと、主人公の顔と言うか人物像が今一つ浮かびにくく最後まで顔が(想像の)見えなかった、今一つ表現がそういう部分には向く必要がない物語なのかもしれない
    面白かったのにそこが残念だった。

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    2025年12月07日
  • 17の鍵

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    過去に秘密を抱える刑事と臨床心理士のコンビが刑事の過去に関連した謎に迫る。
    面白くはあったが、最後は謎が残ったまま終わり、まさかの4部作。
    今後、2人のコンビの連携もよくなっていくのだろうし、謎もわかってきて楽しみではあるが、全部読めるのはいつのことになるのだろう。
    2作目は出ているようだが、早めの全巻翻訳希望。

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    2025年12月01日
  • 17の鍵

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    ネタバレ

    時代というか時間がコロコロ変わるけど、そんなに大きく行き来するわけじゃないから読みやすい。

    最後の方の登場人物ごちゃごちゃしてちょっと分かりにくかった。カタカナ苦手過ぎて海外小説向いてない?笑

    ジータどんな顔か気になって想像が膨らむ。

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    2025年10月29日
  • 17の鍵

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    初めてのドイツミステリー。壁は崩壊したけれど東西に分かれていたことは、そこに住む人たちの心はなかなか癒えない。登場人物が発する言葉の節々に見受けられた。壁は罪が深い。

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    2025年09月05日
  • 17の鍵

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    ネタバレ

    ドイツミステリということで、主人公のトム以外なかなか登場人物の名前が頭に染み込まなくて何度も冒頭の登場人物ページを行き来しながらもほぼ一気読みした。主人公のトムがかなり暴走するのでハラハラしっぱなしだったけど、相棒のジータでかなり救われた。
    過去と現在が行き来する書き方でも混乱なく読める。
    犯人とその動機は結構強引。
    でも作品として妙な魅力あり。
    今作では過去で起きた事件のほんの一部が紐解かれただけなので次作も読みたい。

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    2025年08月05日
  • 17の鍵

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    タイトルがもう何だかワクワクする。

    終盤で少し頭がこんがらがってしまって何度も登場人物紹介ページを行ったり来たり。

    次の巻の19号室も既に手元にあるのだが
    その次がいつ発刊されるか分からないので
    少し時間を置いてから次を読むか、悩むところ。

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    2025年06月21日
  • 17の鍵

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    ベルリンの大聖堂で聖職者の惨殺遺体。首には17とある鍵。刑事が昔見つけた遺体にも同じ鍵が。

    非常に複雑。途中まで凄く面白かったのだが、終盤ややこし過ぎてわけ分からなくなってしまった。

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    2025年05月30日
  • 19号室

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    トム・バビロンとその相棒ジータ・ヨハンスのシリーズ第二弾。
    今回もタイトルは数字。そして登場人物たちの過去の出来事が現在に深く関わってくるというスタイルを踏襲。
    本作の主役はジータで、彼女の特異な見た目の秘密が明かされることとなる。

    始まりはいきなりベルリン国際映画祭の会場だし、
    後半スリリングな展開となる場面の舞台は
    数千のコンクリートの石柱が立ち並ぶホロコースト記念碑。
    視覚的な効果が半端なく、先へ先へと気持ちがはやり楽しめた。

    四部作の半分で、以降の作品の発売は今のところわからず。
    早めの刊行、よろしく!!

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    2025年05月06日
  • 17の鍵

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    読み始めからベルリン大聖堂の丸天井に吊り下げられた女性牧師の死体という殺人事件に突入する。

    被害者の首に「17」と刻まれた鍵がかけられていて、それはトムが少年の頃に見つけた死体のそばにあったのと同じもので…。

    ここから刑事トム・バビロンと臨床心理士ジータ・ヨハンスが捜査の真相に動き出す。

    トムの少年時代に行方不明になった妹を捜すエピソードを絡めながら過去を振り返りつつ進む。
    アルコール依存性歴のあるジータの性格も掴み難いゆえに気になる存在である。

    登場人物のカタカナ名に苦戦しながら後半から一気に読み進める。
    気になるエピローグ…。



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    2025年04月27日
  • 17の鍵

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    ドイツ人作家シャルロッテ・リンク「裏切り」からの
    こちら、「17の鍵」は、登場人物も舞台もドイツで
    ようやく紛れもなく初ドイツミステリ。

    センセーショナルな殺人事件の描写は
    トム・ハンクス主演の「ダ・ヴィンチ・コード」を
    思い出させる。

    登場人物多めで
    名前も読みづらく覚えにくいものが多いが
    キャラクターが個性的なので割と混乱は少なめ。
    おもしろかったんだけど、
    後半にかけて、え?この話、完結するの?と
    思い始め、あとがきを読んだら四部作とのこと。
    わー、ひっぱるのか!
    しかもまだ二作しか翻訳されてない。
    もやもやが長引きそう〜。

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    2025年04月14日
  • 17の鍵

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    ネタバレ

    天使のように吊り上げられた死体。死体の首には17と書かれた鍵。それは刑事のトムが少年時代に川底で発見した死体が持っていたものだった。そしてその鍵を持ってトムの妹ヴィーは失踪した。ヴィーの死を受け入れられないトムは、この鍵がヴィーへと導いてくれるのではという個人的な理由から捜査を進めていく。その中で、かつて死体を発見した時に一緒にいた幼馴染たちのもとにも同じ鍵が送り付けられていたことが発覚する。
    一方トムの相棒となったジータは、精神病院に入院するクララという女性とコンタクトをとり、そこに今回の事件と少年時代のトムが発見した死体の一件との関連を見出していく。
    凄惨な犯行現場に迫り来る犯人の魔の手と

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    2025年04月12日
  • 19号室

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    ネタバレ

    17の鍵に続いてトム・バビロンの2作目。作品の色調はどんよりと曇った鈍色でドイツってこんな国なのかと思う。とりわけ東ドイツの歴史が共産主義国の典型的な閉鎖的で疑い深く自国民を(特に子供を)もっとも虐げていたことを底流に話が進んでいくので救いがない。ただ、ジータの初恋の描写だけが唯一の例外と言えるか。
    それにしても、最近読んだフランスのセルヴァスシリーズと主人公の設定がよく似ている。優秀なはずなのに無鉄砲で単独行動が多く、なんども殺されそうになりながらも敵の優柔不断さに助けられて生き延びる、アクション映画の世界そのものでリアリティを削いでいる。バビロンシリーズはこの後も2作品が続くようだがこの重

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    2025年04月06日