雨井湖音のレビュー一覧
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みんみんさんの星5じゃ足りないレビューを見て取り寄せた一冊♪
軽度知的障害を持つ生徒が通う特別支援学校が舞台の青春ミステリー
どの子もとてもいい子で、読んでいて温かい気持ちになりました。いろんなことが苦手だけど、本当は相手のことをすごく大切におもってるんです。
いろんな特性を持っている子が通っていますが、どんな障害か名前が出てくるわけではありません。
また客観的に『集中力がない』などと書かれているのではなくて、実際に触れ合っている生徒の感触として『すぐボーッとしてしまう』というように書かれているのがよかったです。
外の世界での様子しか知らなかったので
こういうふうに相手の -
Posted by ブクログ
結論から言うと、本当に良い作品だった。
高等支援学校に通う、様々な特性を持った生徒たちと、見守る教師たちの物語。
日常の(?)謎を主人公が聞き込みしながら探偵する、ミステリーというよりは青春小説。
私も架月にしっかりノックアウトされた年上女性の一人(笑)。
架月が泣けばこちらも居た堪れなくなり、また物語を通して成長していく姿にジンときた。
学生の頃、実習で特別支援学校に行っていた時のことを思い出した。
様々な特性があり、皆苦手分野が違うので、分かり合うことが難しい反面苦手分野を助け合うことが出来る。
友達が困っていたら助けたい。親しくなりたい。
と奮闘する生徒たちに感動した。
続編を読みた -
Posted by ブクログ
ネタバレ私立の高等特別支援学校を舞台にした青春ミステリ。
特別支援学校高等部とは違い、軽度知的障害の子が卒業後の就職、自立に向けて学ぶ学校です。
個人的に、子どもが重度知的障害があるので気になっていた作品です。
障害ゆえの行動をする登場人物たち、やりとりがもう想像つきます。そうそうこういう子いるね!
学校で起きた「謎」を理解するために、行動する主人公。作品中、徹底的に障害名が伏せられています。「なんで特別支援学校にいるの?」という問いかけも出てきます。「障害がある子」じゃなくて、「登場人物たちのそれぞれのキャラの特徴である」という考えが伝わってきます。
みんな、この子はこういうところがあるもんね、 -
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さいっこーによかった!!!!
カクヨム×創元社コラボの大賞作品。
軽度知的障がい者特別支援私立高等学校、という架空の学校が舞台。
とにかく、視点がフラットでニュートラル!
障がい者を扱うときの、
・べたべたに同情的
・福祉がいきとどかないことへの批判
・障がい者はピュアで天使のような存在という都合のいいカン違い
・障がいも一種の個性だから無問題、という逃避
・がんばる障がい者に勇気もらう感動押しつけ系
のいずれも、この作品には存在しなかった。
こんな小説は、他にあまり見ないと思う。
著者は支援学校関係勤務だそうで、ものすごく納得。
内部にいる人でなければ見えないこと・思いもよらないエピ -
Posted by ブクログ
軽度の知的障害を持つ生徒たちが就労と自主を目指して学ぶ特別支援学校で、1年生の架月が同級生や先輩とともに3つの事件を解決していく。
架月は純粋だが、誤解されやすく何か疑問が生じるとそれに納得がいく答えがでるまで前にすすめない。
事件解決に協力するメンバーも、それぞれ問題を抱えているので、お互いを理解できなくてぶつかり合うこともあるが事件を通して成長していく。
生徒たちは純粋でストレートだ。
ラストに架月が深谷に言いたかったこと。
架月の成長ぶりに涙してしまった。
著者は特別支援学校に関わる仕事をしているとのこと、個性的な生徒たちを指導するのは大変だと思うが、架月たちをあたたかく見守る目 -
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ネタバレ5つくらい本屋巡ったのに全部売り切れ
発売前から表紙に心奪われてた。
実写表紙で、ここ何年かで断トツにいいですね!
こんなに面白い本を読むのは何年ぶりだろう。
こういう本に出会うために読み続けられる。
今年中にこれ以上の面白い本に出会えるか不安になる。
1章が始まるまでの2ページくらいのプロローグからもう面白かった、ちょっと前の星の子の時もこんな感じだった。
高等支援学校が舞台の青春ミステリー。
あらすじから珍しいなと思ったけど、この切り口新しいし、楽しい。
この世界が登場人物みんなが本当に生きていてほしい。
登場人物みんなが主人公を架月!と名前呼びなのがいいです。
みんな好きなんですが -
Posted by ブクログ
高等支援学校を舞台としたコージーミステリー。
支援学校が舞台というだけで、謎の罪悪感(排除していたわけではないけれど、日常的に接してこなかったという罪悪感)を覚えて身構えてしまうのだが、そんな事はお構いなく、彼ら、彼女らの高校生活は活き活きとして眩しい。
冷徹に見れば、支援学校という舞台設定は、無理なく個性豊かな人物設定が可能だ。相手の気持ちがわからない、思った事をすぐ口に出してしまう等の制約や、過去の出来事を正確に憶えている等の特殊な能力も違和感がなく設定できる。
しかし、そんな下衆な勘繰りは置いておいて、彼ら彼女らの高校生活から目が離せないのだ。読み進めるうちに、彼ら彼女らが誰一人 -
Posted by ブクログ
ネタバレツイッターでこれ良いよと言われているのを見て気になって読んでみた。良かった。泣いた。
上澄み過ぎて辛くもなった。
ネタバラシというか、トリック明かしのように個人の成績や評価の申し送りが描かれていて面白い。後書きでフィクションだとは言ってるが、まあ似たような申し送りはあるので、描き方次第ではあるけれど。
日常の謎モノであるが、主人公架月はそこまで考えが至らないので、わかるまで取り組む探偵というスタイルで面白い。必然、読者も情報がセーブされるので架月と一緒に考えるのが面白い。
架月から見た世界で面白い。アルジャーノンだ。
ミステリーではないけれど、木原音瀬の『惑星』も似たように、知的障害者から -
Posted by ブクログ
はい、そこのあなた!
あの人のことは理解できますか?
その人のことは理解できますか?
この人のことは理解できますか?
もちろん、他人の全てを理解することなんてできません
だけど、そこに障害がある、ない、そんなのは関係のないことです
だって、誰しもが苦手なこと、欠点ってあると思うんですよ
確かに他人には理解しづらい欠点をもっている人もたくさんいると思います
だけど、そこに障害者だからと言って壁を作ってはいけない
助けれる人が助ければいいじゃないか!
手伝える人が手伝えばいいじゃないか!
頭ではそうわかっていてもなかなか実行に移せないという事実も…
だけど、そんなことを何も気にせずに困った