【感想・ネタバレ】僕たちの青春はちょっとだけ特別のレビュー

あらすじ

中学時代、クラスのお客様扱いでぼんやりと過ごしてきた青崎架月。15歳の春、この明星高等支援学校に進学したことで、そんな日常にちょっとした変化が。先輩が巻き込まれたゴミ散乱事件、ロッカーの中身移動事件、生徒失踪事件を同級生や先輩の手を借りながら解決していく。高等支援学校を舞台に、初めてできた友人たちとの対等な付き合いに戸惑う架月の青春と、彼が出合った謎を描く連作集。「東京創元社×カクヨム 学園ミステリ大賞」大賞受賞作。

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感情タグBEST3

Posted by ブクログ

特別支援学校の生徒が主人公になってる、珍しい舞台の小説。こんな感じなんだなと、微笑ましく、ミステリーは支援校ならではという感じで、面白く読みました。
最後の、世の中にはまぎれられちゃうけど、社会からは線引きされてしまう深谷くんの話は切ない気持ちで読みました。
特別支援学校に通う普通の高校生の青春、いい物語でした。他にもたくさん作品を描いてほしいです。

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2025年11月03日

Posted by ブクログ

めちゃくちゃ面白かった!
日常系ミステリーなので小さい話なのだけど、
描写が丁寧で、登場人物がリアル。
ご両親など、まわりの大人が見守っている様子や、子どもたちの頑張りに思わず涙ぐんでしまった。
購入したい

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2025年10月05日

Posted by ブクログ

主人公の架月とても純粋で心が洗われた。特別支援高等学校の中での日常物語という感じであり、ミステリーという感じはしなかった。物語の中で犯人という言葉を使うのはやめなさいという言葉があるように青春物語だった。
青春物語なので中高生向けなのかも知れないが社会人の私には生徒たちの周りにいる先生方の姿勢が刺さった。色んな世代の人に読んで欲しい作品。

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2025年10月02日

Posted by ブクログ

自分が今、障害のある子どもに関心を寄せていることもあって、とても興味深く読めた。それぞれ得意なことも苦手なことも違う子どもたちが優しい目線で描かれていてとても良かった。

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2025年09月05日

Posted by ブクログ

タイトル、表紙、内容、全てが一級品です。
著者の温かい眼差しが読む者の心に染み渡ります。
ミステリとしての面白さと青春小説としての面白さが高い水準で融合した、稀有な一作だと思います。

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2025年08月24日

Posted by ブクログ

高等支援学校が舞台で、その学校に通う主人公の男子が同じ学校に通う生徒や先生達と過ごす日々が描かれていて、障害を持った人が主人公というのが新鮮で新しい気づきが沢山あり、ストーリーもなかなか感動的ですごく良い本でした。

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2025年08月01日

Posted by ブクログ

素晴らしく優しくて、少し厳しい、学園ミステリ。親族に支援校行ってた子がいるから、実態に基づいていることがわかる。少しできる子が多いようだけど。

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2025年07月19日

Posted by ブクログ

みんみんさんの星5じゃ足りないレビューを見て取り寄せた一冊♪



軽度知的障害を持つ生徒が通う特別支援学校が舞台の青春ミステリー


どの子もとてもいい子で、読んでいて温かい気持ちになりました。いろんなことが苦手だけど、本当は相手のことをすごく大切におもってるんです。



いろんな特性を持っている子が通っていますが、どんな障害か名前が出てくるわけではありません。
また客観的に『集中力がない』などと書かれているのではなくて、実際に触れ合っている生徒の感触として『すぐボーッとしてしまう』というように書かれているのがよかったです。



外の世界での様子しか知らなかったので
こういうふうに相手の特性や自分の特性を受け入れながら生活できる場所があるってとてもいいなと思いました




あとは先生たちも素敵。基本的には見守りながら、子どもたちの性格や特性を見極め、接し方や実習先、将来までもを考えているんですよね

こんなふうに子どもたちのことを考えてくれる人が親以外にもいてくれると思うと、とても心強くなりました



二学期の現場実習の様子も気になります!!
いつか読めるといいな(^^)







さて、世間は夏休みに入った人も多いようですね汗


我が家の地域は来週から夏休みですが
短縮授業に、懇談会に、三連休の遠出に、夏祭りに保育園の踊りで参加などなど

先週くらいからすでに夏休みが始まっている感じがしてます(。-∀-)



あんまり本を読む時間が取れない日々ですが
時間見つけて息抜きしたいと思います(*´-`)

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2025年07月19日

Posted by ブクログ

結論から言うと、本当に良い作品だった。

高等支援学校に通う、様々な特性を持った生徒たちと、見守る教師たちの物語。
日常の(?)謎を主人公が聞き込みしながら探偵する、ミステリーというよりは青春小説。
私も架月にしっかりノックアウトされた年上女性の一人(笑)。
架月が泣けばこちらも居た堪れなくなり、また物語を通して成長していく姿にジンときた。

学生の頃、実習で特別支援学校に行っていた時のことを思い出した。
様々な特性があり、皆苦手分野が違うので、分かり合うことが難しい反面苦手分野を助け合うことが出来る。
友達が困っていたら助けたい。親しくなりたい。
と奮闘する生徒たちに感動した。
続編を読みたくなった作品。

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2025年07月16日

Posted by ブクログ

ネタバレ

私立の高等特別支援学校を舞台にした青春ミステリ。

特別支援学校高等部とは違い、軽度知的障害の子が卒業後の就職、自立に向けて学ぶ学校です。

個人的に、子どもが重度知的障害があるので気になっていた作品です。
障害ゆえの行動をする登場人物たち、やりとりがもう想像つきます。そうそうこういう子いるね!
校で起きた「謎」を理解するために、行動する主人公。作品中、徹底的に障害名が伏せられています。「なんで特別支援学校にいるの?」という問いかけも出てきます。「障害がある子」じゃなくて、「登場人物たちのそれぞれのキャラの特徴である」という考えが伝わってきます。
みんな、この子はこういうところがあるもんね、であっけらかんと過ごしていて、ホッとします。

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2025年06月20日

Posted by ブクログ

こういう、よく知らなかった世界を教えてくれるのが読書の醍醐味

架月の純粋さと、それゆえの戸惑いに手を差し伸べてあげたくなりました
すぐに泣いて逃げていくところが最高にかわいいです

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2025年06月07日

Posted by ブクログ

さいっこーによかった!!!!

カクヨム×創元社コラボの大賞作品。
軽度知的障がい者特別支援私立高等学校、という架空の学校が舞台。

とにかく、視点がフラットでニュートラル!

障がい者を扱うときの、
・べたべたに同情的
・福祉がいきとどかないことへの批判
・障がい者はピュアで天使のような存在という都合のいいカン違い
・障がいも一種の個性だから無問題、という逃避
・がんばる障がい者に勇気もらう感動押しつけ系
のいずれも、この作品には存在しなかった。
こんな小説は、他にあまり見ないと思う。

著者は支援学校関係勤務だそうで、ものすごく納得。
内部にいる人でなければ見えないこと・思いもよらないエピソードが満載。

生徒たちが生き生きと彼らの青春を送っていることが描かれていて、障がいの種類もぜんぜん違う。教師の側にも温度差や考えのちがいがあり、とんでもない説得力だった。

もちろん、物語としてもおもしろい。

<あらすじ>
主人公・架月はひとつのことに集中すると他のことがすっ飛んでしまう。素直でいつもにこにこしていて、たいていの人に賛成して流されてしまうし、本人は、人の気持ちが分からないことを気にしている。
そんな彼は中学校までは通常学校に通っていたが、この学校に見学に来て、とても気に入る。生まれて初めて行きたいと思った学校生活で、架月は、生まれて初めて「人間関係」を経験し、学んでいく。

ストーリーは、ある意味スタンダードだ。
でも、登場人物たちが、ひとりとして一筋縄ではいかないw
予定調和的に動く人が誰もいないし、そもそもコミュニケーションが難しい生徒も多い。
「人の気持ちが分からない」架月に、周囲の空気を説明したり、叱ったりしてくれる友人・先輩たちも、それぞれに独特な行動を行ったり、突然キレたりする。

さらに、「この支援学校に来られてよかった!」と心底喜んでいる架月に対して、「こんな学校に来たくなかった」「支援学校に来てるなんて恥ずかしい」と考えている生徒も半数以上いる。自分の「障がい」を隠している生徒も多い。
教師も、ちゃんと人間的だ。そんな生徒たちを毎日相手にしているのだから、同情も感動もない。生徒一人ひとりに合わせた対策を、フレキシブルにがんがん繰り出している。でも職員室でボヤいたりしてるw 現実はそうだろうなあ、と思う。

架月は素直なうえに、生まれて初めて友達ができた喜びと困惑で、
どうしてぼくは怒られるんだろう?
なんで先輩はこんな行動をしてるの?
と、四六時中わからないことにぶち当たっては悩む。
しかも彼は、ひとつ気になったことがあると、他のすべてが消えてそのことだけに集中してしまうので、先生方が、架月に「謎解き」という形で考えさせる形で、連作短編になっている。

創元推理とのコラボだから、むりやりミステリ仕立てにしたのかな? という印象はあったけれども、架月の真摯な悩み方が、もうとにかく清々しい。

なによりすごいのが、「障がい」という単語を地の文では使っていないこと(主人公がほかの人に使ったが、先生が注意するシーンがある)。
そして、生徒さんの障がい名がひとつも明かされない。(アスペルガーとかADHDとかディスレクシアとか、想像はつくけれども)
書いてしまえば一発で分かるけれど、名前がついてしまうと、読んでいる側は分かった気になる。同じアスペルガーでも表に出てくる行動は全然異なるので、著者は、読者の安易なグルーピングを防ぎたかったのだなと思う。

けれども、繰り返しになるが、「障がいじゃなくてみんなの個性なの」という現実逃避な描き方はまったくない。現場はそんなに甘くないこともよく分かる。


――物語は後半になるにつれ、架月と周囲の友人たちの成長っぷりに驚き、わくわくする。
ラストのとある交通費の計算は白眉。マジで泣けました。

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2025年05月30日

Posted by ブクログ

軽度の知的障害を持つ生徒たちが就労と自主を目指して学ぶ特別支援学校で、1年生の架月が同級生や先輩とともに3つの事件を解決していく。

架月は純粋だが、誤解されやすく何か疑問が生じるとそれに納得がいく答えがでるまで前にすすめない。

事件解決に協力するメンバーも、それぞれ問題を抱えているので、お互いを理解できなくてぶつかり合うこともあるが事件を通して成長していく。
生徒たちは純粋でストレートだ。

ラストに架月が深谷に言いたかったこと。
架月の成長ぶりに涙してしまった。

著者は特別支援学校に関わる仕事をしているとのこと、個性的な生徒たちを指導するのは大変だと思うが、架月たちをあたたかく見守る目線には愛を感じる。
お勧めの一冊です。

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2025年02月22日

Posted by ブクログ

ネタバレ

5つくらい本屋巡ったのに全部売り切れ
発売前から表紙に心奪われてた。
実写表紙で、ここ何年かで断トツにいいですね!

こんなに面白い本を読むのは何年ぶりだろう。
こういう本に出会うために読み続けられる。
今年中にこれ以上の面白い本に出会えるか不安になる。
1章が始まるまでの2ページくらいのプロローグからもう面白かった、ちょっと前の星の子の時もこんな感じだった。

高等支援学校が舞台の青春ミステリー。
あらすじから珍しいなと思ったけど、この切り口新しいし、楽しい。
この世界が登場人物みんなが本当に生きていてほしい。

登場人物みんなが主人公を架月!と名前呼びなのがいいです。
みんな好きなんですが、特に由芽ちゃん先輩が最高です。
高校3年生で架月のことをビシバシ鍛える良いお姉ちゃんだなと思ってたら、158ページで彼女がどんな障害を抱えているのかわかってしまうんですが、この小説は誰かが特別でもなんでもないんだと書いてくれていて、そして主人公架月のことがもっと好きになります。
小説ならではのシーンだし、1番いいのはこの人はこういう障害ですとは書かないし、主人公の架月は何回も同じことを言う人、突然怒りがコントロールできない人と考えて接する人だから、相手の悪い所が見えていても全部は嫌いにならないと言う彼が素晴らしい。

外部の視点が少ないですが、そればかりになるとまったく違うテーマの話になるからこのバランスがちょうどいいですね。
外部視点はまさかの架月のお母さんです、言葉少なに的確に嫌なことを言いますが当の架月はなんのそのな態度だったので嫌な感じを長続きさせないのが上手い。

話は夏休み直前で終わりますが、続きが読みたいです!二学期読みたい!
絶対に!続きが読みたい!出て欲しい!
いまからアナウンスして!ほしい!

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2025年01月16日

Posted by ブクログ

爽やかな物語
支援学校の生徒が少しずつ成長していく姿とそれを見守る先生たちが素敵です。
肩の力を抜いて読んでください。

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2025年11月24日

Posted by ブクログ


高等支援学校を舞台としたコージーミステリー。

支援学校が舞台というだけで、謎の罪悪感(排除していたわけではないけれど、日常的に接してこなかったという罪悪感)を覚えて身構えてしまうのだが、そんな事はお構いなく、彼ら、彼女らの高校生活は活き活きとして眩しい。

冷徹に見れば、支援学校という舞台設定は、無理なく個性豊かな人物設定が可能だ。相手の気持ちがわからない、思った事をすぐ口に出してしまう等の制約や、過去の出来事を正確に憶えている等の特殊な能力も違和感がなく設定できる。

しかし、そんな下衆な勘繰りは置いておいて、彼ら彼女らの高校生活から目が離せないのだ。読み進めるうちに、彼ら彼女らが誰一人傷つかずに終わって欲しいという親心が芽生えてしまった。

「これはブルーオーシャンだ」と、また下衆な勘ぐりが出てしまうのだが、とにかく面白かったです。

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2025年09月20日

Posted by ブクログ

ネタバレ

ツイッターでこれ良いよと言われているのを見て気になって読んでみた。良かった。泣いた。
上澄み過ぎて辛くもなった。

ネタバラシというか、トリック明かしのように個人の成績や評価の申し送りが描かれていて面白い。後書きでフィクションだとは言ってるが、まあ似たような申し送りはあるので、描き方次第ではあるけれど。

日常の謎モノであるが、主人公架月はそこまで考えが至らないので、わかるまで取り組む探偵というスタイルで面白い。必然、読者も情報がセーブされるので架月と一緒に考えるのが面白い。
架月から見た世界で面白い。アルジャーノンだ。
ミステリーではないけれど、木原音瀬の『惑星』も似たように、知的障害者から見た世界を体感できて面白かった。惑星は悪意もあるので、こちらは善意多めで泣けてくる。上澄みすぎる。温室で楽園すぎる。

IQで測れない賢さを感じられるのが面白い。小利口というかずる賢いというか、動物的な勘の鋭さというか。
深谷の立ち回りの上手さや莉音の明るさはいわゆる健常者としても遜色ないというか、上の部類として描かれてて、そこも面白い。

私立高校&軽度知的障害で制限されてるから成立する話で、エンタメとしてそこまでしないと楽しめない現実というのはちょっとやるせない。
この作品のような輝きもあれば、ほんとに暗い話もあるんだろうなと思いながら読んだ。

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2025年09月22日

Posted by ブクログ

読者評価が高かった作品だったので読んでみました。

特別支援学校の話。障害を抱えてる人も色々な方がいて、それをどう社会に適応させていくのか?非常に考えさせられる内容でした。こういう本は、幅広い世代に読んでいただきたいです。それぞれ思うことがある作品だと思います。

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2025年09月02日

Posted by ブクログ

高等支援学校に入学した架月が、友人たちと学校生活の中で出合った3つの謎に挑む学園ミステリー。
優しさが詰まった学園ミステリーでした。
得意•苦手なこと誰にでもあるし、助けたり助けられる関係性大事だなっと思いました。
続編でるのかな~っと期待してしまう…

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2025年08月01日

Posted by ブクログ

はい、そこのあなた!
あの人のことは理解できますか?
その人のことは理解できますか?
この人のことは理解できますか?

もちろん、他人の全てを理解することなんてできません
だけど、そこに障害がある、ない、そんなのは関係のないことです
だって、誰しもが苦手なこと、欠点ってあると思うんですよ
確かに他人には理解しづらい欠点をもっている人もたくさんいると思います
だけど、そこに障害者だからと言って壁を作ってはいけない

助けれる人が助ければいいじゃないか!
手伝える人が手伝えばいいじゃないか!

頭ではそうわかっていてもなかなか実行に移せないという事実も…

だけど、そんなことを何も気にせずに困った仲間のために手を差し伸べることができる明星高等支援学校の彼ら、彼女らは素敵です!

全てを理解できなくても、手を伸ばしたときに触れあえるくらいの近い距離に仲間がいるっていいですよね〜。゚(゚´Д`゚)゚。

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2025年07月03日

Posted by ブクログ

よかった!特別な青春を感じられました!
実は私も、著者さんと同じような特別支援教育に携わる仕事を過去にしていて、そのときに関わった子どもたちの記憶が蘇ってきました。
高校3年間という短い間だけど、その空間は自分たちの特性や障害を当たり前に受け入れてくれる場所で、特別な青春を感じられる空間なんだよな…と、青春をお裾分けしてもらっていた教員時代を思い出して、心にグッときました。

その空間を卒業して社会で頑張っている卒業生たちを思うと、私も頑張らなくては!といつも力をもらいます。

あれ?ごめんなさい。だいぶ自分の事情と感情が入ってしまいましたが(笑)
本作に出てくる子どもたちが、どの子も魅力的に描かれていて、とても読むのが楽しかったです。
ありがとうございました。

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2025年06月28日

Posted by ブクログ

特別支援学校の生徒達が織りなす青春ミステリ。

主人公の架月君を含め、登場人物達はみんな苦手なことを持っています。それが原因で摩擦が起きたりするけど、皆コミュニケーションが素直で心が洗われる。自分と相手の違いを認識して受け入れる、人間関係の基本を思いださせてくれます。

特別支援学校ならではのミステリ要素も面白かったけど、年齢や障害関係なく描かれている友人関係が何より尊く、いい読後感でした!

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2025年06月23日

Posted by ブクログ

 連作学園ミステリというよりは青春小説です。それも、やさしく温かな物語でした。不安や緊張とは無縁の、誰もが幸せな気持ちになれる上質な読後感を味わえるおすすめ作品です。

 舞台は特別支援学校高等部。軽度の知的障害をもつ生徒が、3年制の私立校で学ぶ設定です。著者は特別支援学校勤務とのことで、その知識と経験が随所に生かされている印象をもちました。

 まずは一人一人の生徒の個性の描き分けが見事な点です。実際に関わった生徒をそのまま登場させているかのようなリアルです。
 対人関係が苦手、強いこだわりをもつ生徒たちの会話は、時にハラハラ、時にクスッとさせられ、実に生き生きしています。
 また、先生方もチームとして情報を共有し、生徒たちの自立と就労を目指して、上手に関わっているのが見て取れます。指導というより、役割を与えて成長を促す働きかけが素晴らしいですね。

 3章立ての構成で、小さな事件が起きますが、当事者には悪意はなく、その発端にはちょっとした発達障害の課題が関係しているのでした。

 中学時代はほとんど"お客さん状態"だった主人公の青崎架月は、謎を探っていくほど周囲の個性を理解し、対人関係の苦手意識が少しずつ薄れていきます。そして何よりも学校がどんどん好きになっていく…、いいじゃないか、いいじゃないか!
 人とつながる心地よさ、居場所があることの幸せを感じさせてくれる一冊でした。

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2025年06月07日

Posted by ブクログ

学園ミステリー大賞の受賞作品ということだったけど、ミステリーぽくは無くて、特別支援学校を舞台にした、日常というか青春ストーリー。難しいテーマだと思ったけど、筆者は現役の高等支援学校の職員ということもあって、『ちょっとだけ特別な青春』をホッコリと描いてました。

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2025年05月29日

Posted by ブクログ

東京創元社×カクヨム学園ミステリ大賞

特別支援学校に仕事で関わっている作者が、そこでの青春の活気や楽しさを反映させて描いた、とあとがきで述べているとおりのキラキラした青春小説。
支援学校に通わせるかどうか、親としては複雑な気持ち。息子は架月のような立場なので、大変な思いをして普通の学校へ通うより支援学校に通った方がお互い生き生きと楽しめると言われているような卑屈な気持ちになってしまった。
親としてはやっぱり周りの友達と一緒に進学してほしい気持ちや、その他色んな事情で複雑な思いがあるので単純に感動できず、、、。
本書の生徒たちは極めて軽度で、だから青春になるのでは?とか、訓練して少ない選択肢の中から就職する道に狭めてないかなとか、うがった見方をしてしまう。
ミステリーというか軽めの謎解きで、本書の魅力は生徒たちの日々のやりとり。この発言はこう捉えてしまうんだということを知ってもらえるのはありがたい。

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2025年10月10日

Posted by ブクログ

明星高等支援学校に通う生徒たちの青春!
痛くてまぶしくて
一生懸命であたたかい。
軽度の知的障害を持つ子どもたちが
こんなにも細やかに互いを思いやり
考えをめぐらせ、時にぶつかり合いながら
信頼関係を築いているのだと知り、じーん。

彼らに関わる教師たちの距離感や声かけも良い。
ひとりひとりを見てくださってるなぁという安心感。

彼らの今後の就職活動も気になる。
続編、出るかなー?

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2025年09月16日

Posted by ブクログ

ネタバレ

特別支援学校の青春ミステリ。
人が死ぬ系ではなく青春系のお話でした。
又聞きでしか知らない世界の内容だから日夜そう言うやり取りが交わされてるのかどうかは正直眉唾だが、生徒たちの個性が魅力的でした。

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2025年08月11日

Posted by ブクログ

場面ごとの描きかたにリアリティがある。ただ人物像がややステレオタイプな感じはする。
発達障害児視点の物語は新鮮だったけど、読み物としては少し物足りない。

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2025年08月01日

Posted by ブクログ

いくら仲が良くても、他人の得意不得意や気持ち、やりたいことを100%理解することは難しい。
だからこそ、「あの人はこう思っているだろう」という思い込みで動くのは時に危険なことであるし、苦労は伴うが時間をかけてその人の意見を聞きながら進めていくのが、一番お互いにとって心地よい関係につながると思った。
一見したその人の印象と実際の中身は全く違うこともあるということは、本作を通して改めて感じました。

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2025年07月09日

Posted by ブクログ

一口に支援学校と言っても、色々な特性のある生徒が居るのだなぁ。生徒達がお互い理解し合って助け合えるのは素晴らしい

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2025年05月25日

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