【感想・ネタバレ】僕たちの青春はちょっとだけ特別のレビュー

あらすじ

中学時代、クラスのお客様扱いでぼんやりと過ごしてきた青崎架月。15歳の春、この明星高等支援学校に進学したことで、そんな日常にちょっとした変化が。先輩が巻き込まれたゴミ散乱事件、ロッカーの中身移動事件、生徒失踪事件を同級生や先輩の手を借りながら解決していく。高等支援学校を舞台に、初めてできた友人たちとの対等な付き合いに戸惑う架月の青春と、彼が出合った謎を描く連作集。「東京創元社×カクヨム 学園ミステリ大賞」大賞受賞作。

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Posted by ブクログ

ネタバレ

私立の高等特別支援学校を舞台にした青春ミステリ。

特別支援学校高等部とは違い、軽度知的障害の子が卒業後の就職、自立に向けて学ぶ学校です。

個人的に、子どもが重度知的障害があるので気になっていた作品です。
障害ゆえの行動をする登場人物たち、やりとりがもう想像つきます。そうそうこういう子いるね!
校で起きた「謎」を理解するために、行動する主人公。作品中、徹底的に障害名が伏せられています。「なんで特別支援学校にいるの?」という問いかけも出てきます。「障害がある子」じゃなくて、「登場人物たちのそれぞれのキャラの特徴である」という考えが伝わってきます。
みんな、この子はこういうところがあるもんね、であっけらかんと過ごしていて、ホッとします。

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2025年06月20日

Posted by ブクログ

ネタバレ

5つくらい本屋巡ったのに全部売り切れ
発売前から表紙に心奪われてた。
実写表紙で、ここ何年かで断トツにいいですね!

こんなに面白い本を読むのは何年ぶりだろう。
こういう本に出会うために読み続けられる。
今年中にこれ以上の面白い本に出会えるか不安になる。
1章が始まるまでの2ページくらいのプロローグからもう面白かった、ちょっと前の星の子の時もこんな感じだった。

高等支援学校が舞台の青春ミステリー。
あらすじから珍しいなと思ったけど、この切り口新しいし、楽しい。
この世界が登場人物みんなが本当に生きていてほしい。

登場人物みんなが主人公を架月!と名前呼びなのがいいです。
みんな好きなんですが、特に由芽ちゃん先輩が最高です。
高校3年生で架月のことをビシバシ鍛える良いお姉ちゃんだなと思ってたら、158ページで彼女がどんな障害を抱えているのかわかってしまうんですが、この小説は誰かが特別でもなんでもないんだと書いてくれていて、そして主人公架月のことがもっと好きになります。
小説ならではのシーンだし、1番いいのはこの人はこういう障害ですとは書かないし、主人公の架月は何回も同じことを言う人、突然怒りがコントロールできない人と考えて接する人だから、相手の悪い所が見えていても全部は嫌いにならないと言う彼が素晴らしい。

外部の視点が少ないですが、そればかりになるとまったく違うテーマの話になるからこのバランスがちょうどいいですね。
外部視点はまさかの架月のお母さんです、言葉少なに的確に嫌なことを言いますが当の架月はなんのそのな態度だったので嫌な感じを長続きさせないのが上手い。

話は夏休み直前で終わりますが、続きが読みたいです!二学期読みたい!
絶対に!続きが読みたい!出て欲しい!
いまからアナウンスして!ほしい!

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2025年01月16日

Posted by ブクログ

ネタバレ

ツイッターでこれ良いよと言われているのを見て気になって読んでみた。良かった。泣いた。
上澄み過ぎて辛くもなった。

ネタバラシというか、トリック明かしのように個人の成績や評価の申し送りが描かれていて面白い。後書きでフィクションだとは言ってるが、まあ似たような申し送りはあるので、描き方次第ではあるけれど。

日常の謎モノであるが、主人公架月はそこまで考えが至らないので、わかるまで取り組む探偵というスタイルで面白い。必然、読者も情報がセーブされるので架月と一緒に考えるのが面白い。
架月から見た世界で面白い。アルジャーノンだ。
ミステリーではないけれど、木原音瀬の『惑星』も似たように、知的障害者から見た世界を体感できて面白かった。惑星は悪意もあるので、こちらは善意多めで泣けてくる。上澄みすぎる。温室で楽園すぎる。

IQで測れない賢さを感じられるのが面白い。小利口というかずる賢いというか、動物的な勘の鋭さというか。
深谷の立ち回りの上手さや莉音の明るさはいわゆる健常者としても遜色ないというか、上の部類として描かれてて、そこも面白い。

私立高校&軽度知的障害で制限されてるから成立する話で、エンタメとしてそこまでしないと楽しめない現実というのはちょっとやるせない。
この作品のような輝きもあれば、ほんとに暗い話もあるんだろうなと思いながら読んだ。

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2025年09月22日

Posted by ブクログ

ネタバレ

特別支援学校の青春ミステリ。
人が死ぬ系ではなく青春系のお話でした。
又聞きでしか知らない世界の内容だから日夜そう言うやり取りが交わされてるのかどうかは正直眉唾だが、生徒たちの個性が魅力的でした。

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2025年08月11日

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