太平洋戦争研究会のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
個人的に列伝を読むのが好きなのだが本書もその形式に属す。太平洋戦争に関与した101人だが軍人だけではない。東條英機が諸悪の根源みたいな扱い(昨今は減った様にも思う)だが寧ろここまでの状態でバトンタッチさせた方にも問題はあるだろう。当時の日本人が強く支持した近衛文麿が日中戦争にケリをつけておけば展開も変わったのではなかろうか。そういう意味では本書が言う伊藤博文などの明治の政治家達に及ばず壊滅的敗北を喫する事になるという趣旨は頷ける。現場の軍人が有能でも上役たる人物達が英雄的且つ玉砕思考に取り憑かれていた事も勿論敗因の一つではある。
長々と歴史書を読むよりも人物を通しての戦争史なので分かりやすかっ -
Posted by ブクログ
豊富な、そして貴重なモノと見受けられる写真を添えて「満州国」に纏わる事柄を語る一冊である。読み応え、写真の見応えが在った。
日露戦争の辺りで大陸に権益を求めてそれを獲得して行き、中国大陸での様々な行動という前日譚のような事柄が在って、やがて満州国が建国されて行き、満州国での産業活動や文化活動や建設や入植が在り、日中戦争や太平洋戦争という局面になり、戦争に敗れて満州国の経過に幕が引かれる。そうした経過が非常に判り易く纏められている本文が在るが、本文の各章の始めに貴重と見受けられるモノも含む豊富な写真を説明を添えた形で示している。時間と空間を越えて「満州国」というモノが登場し、姿を消して行く迄の経 -
Posted by ブクログ
マッカーサーと昭和天皇が並んで写っている写真。誰もが一度は目にしたことがあるとおもうが、あの写真に映る二人を見て長年勘違いしていたことがある。それは二人の年齢についてである。昭和天皇は当時四十代、対するマッカーサーは六十代。本来なら(左に映る)マッカーサーの方が歳上なはずであるが、右にいる天皇の方が疲れた表情なのか、敗戦国の主人だからか、年老いた様に見えてしまう。この写真自体がマッカーサーのラフなスタイル、天皇との身長差を意識して、よりマッカーサー自身を強く威厳のある様に写したという、戦略的な面もあったと言われる。私はその戦略に思いっきり乗せられてしまったようである。
こんな風に、写真は撮り方 -
Posted by ブクログ
ネタバレ写真が語る満州国
著者:太平洋戦争研究会
発行者:喜入冬子
発行:2024年7月10日
ちくま新書
日本が満州に溥儀を立てて成立させ、経営をしていた満州国について、当時の写真を多く集めて語っていく、なかなかの労作。各章、前半に写真をたくさん掲載し、後半に文章で歴史を語っていく。したがって、文章自体がコンパクトにまとまっているので、満州の歴史を知るために辞書的に置いておきたい一冊でもある。
もちろん、詳細まではカバーしていないが、これぐらいのことを知っていれば全体像を掴むには十分だろうと思われる。
とくに満州国の歴史に詳しくはないが、意外なことが書いてあった。知っている人には意外でもなん