井上先斗のレビュー一覧
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ネタバレめちゃめちゃ面白かった。グラフィティのことなんか全然分かってなかったというか、自分とは住む世界が違うようなカルチャー。描くではなく書く、というのも知らなかったし。初めて知る世界で、実際のものを見てみたいなーと思いつつ読んだ。絶対映画化できなそうだ。素人には誰の作品か区別がつかないだろうから。TEELがホームセンターに勤めてたというのもびっくりした。そりゃ仕事しなきゃ生活できないんだもんな。ブラックロータスのやり方にTEELが世代の差を感じたのも分かるし。第一部はライター・大須賀アツシ目線で、第2部はTEEL目線の書き方なのもいい。これが松本清張賞受賞作というのもびっくり。こういう作品も対象とな
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Posted by ブクログ
グラフィティってなんだろう。イリーガルな事をしてでも伝えたいとがりきったメッセージ?それとも高尚なアート?
数人のグラフィティライターを取り巻く、様々な人の話。ブラック・ロータス(MTGの超高級なカードが元ネタ)というグラフィティライターがボムするグラフィティやグラフィティのあり方や信念に、様々な人の思いが交錯する。
前半はとあるライターの取材を通して、後半は街中にグラフィティをボムすることに拘る一人のグラフィティライターの視点で描かれる。
ストリートカルチャーが好きであればもちろんだが、何かを作る、何かの思いを街の人に伝えるとはどういうことか、という点でもオススメしたい。 -
Posted by ブクログ
第31回松本清張賞受賞作。
ヒップホップの4大要素(MC、DJ、グラフィティ、 ブレイクダンス)のうち、グラフィティにスポットを当てたクライムノベル。めちゃくちゃ面白い。
発刊を記念して文芸春秋社の地下駐車場には「イッツ・ダ・ボム」のグラフィティが描かれたらしい。著者井上さんのXのアイコンで見られる。
構成は二部に分かれていて
第一部 オン・ザ・ストリートでは、うだつの上がらぬウェブライターが主人公。
「日本のバンクシー」と注目を集めるグラフィティライター界の新鋭「ブラックロータス」の活動に注目し、なんとかその正体や思想に迫り、本を出すための取材を重ねる。
ブラックロータスの手法は以前のグ -
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第31回松本清張賞受賞作
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夜の光を放つ、
ささやかで切実な犯罪小説
グラフィティって
違法な落書き?
高尚なアート?
「日本のバンクシー」と耳目を集める新鋭〈ブラックロータス〉
彼の正体を熱心に追うウェブライター
ストリートにこだわり続けるグラフィティライター〈TEEL〉
そして「落書きなんて流行らない時代」に落書き(ボム)を始めた青年
「俺はここにいるぞ!」と叫ぶ声が響く、
新世代のクライム・ノヴェル!
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グラフィティについては何も知らず。
バンクシ -
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Cool! 今を生きる若者たちの息遣いが耳元で聞こえてくる犯罪小説 #バッドフレンド・ライク・ミー
■あらすじ
ウーバーイーツ配達員の森有馬。彼はイケメンの元ホストであったが、客に逃げられて300万円の借金があった。日頃の嫌気がさしていた彼は、ホスト時代の先輩からジンという男を紹介してもらうことになる。
ジンから請け負う仕事は「七つの試練」をこなすことで報酬がもらるという。最終的には500万円が支払われるというのだが…
■きっと読みたくなるレビュー
超Coooool、かっちょいい! 若者たちの息遣いが耳元で聞こえてくるような犯罪小説でしたね~
井上先斗先生の作品は『イッツ・ダ・ボム』を -
Posted by ブクログ
街中で見かける違法な落書きである「グラフティ」を通して、自己表現や意思表明をしようとする者たちの声を物語として書き切った作品。
前半は「日本のバンクシー」というキャッチ―なテーマからグラフティの概要を読者に提示し、後半はストリートでグラフィティを描き続ける男とその世界へ足を踏み入れたばかりの青年の交流から構成されている。
冒頭はやや説明的な印象を受けるが、物語が展開されるにつれ、それらの情報もふまえて登場人物に感情移入し始めてくる。読者への情報提示と物語に引き込む力がうまくかみ合って、後半はあっという間に読み終わってしまった。現在のグラフティを取り巻く歪さを、今を生きる若者の視点から嘲弄す