井上先斗のレビュー一覧

  • 夜がまだ明けない

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    すごい面白かったです。
    こういう雰囲気の小説、大好きです。
    探偵が主人公で、ここまで探偵してるのは初めて読みました。
    探偵がどう考えどう動いてるのか、興味深かったです。

    仕事柄、これまでにたまーに探偵の報告書を見る機会がありましたが、どれも『お見事!』と言いたくなるものばかりだったのを思い出しました。

    冬の寒い日の、エンジン切った車内での張り込みは、辛いだろうなぁ…とか考えながら読んでました笑

    探偵って、頭の回転早くないと難しそうな職業ですよね。

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    2026年09月29日
  • 夜がまだ明けない

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    主人公が好感触 似た境遇の人を放っておけない 心あるひとに心配してもらってる 続きそうだけど 夜が明けてほしい

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    2026年09月20日
  • 夜がまだ明けない

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    ネタバレ

    現代ならではの、現代を舞台とする必然性のある私立探偵小説だったように思う。また、著者のハードボイルド小説に対する造詣の深さが垣間見える短編集だった。最終話で「自己の暗い過去との対峙と決別」のきっかけを与えてくれたのは主人公より10歳ほど若い人物だったが、歳若い人物からそれを与えられた、すくなくとも主人公が彼女に影響されたということは、そのひとつ前の話に登場する中年の人物のような「大人」に主人公はなっていない、すくなくとも少女の目からは「decent」な(きちんとした)人物に映っていたからだろう。

    付け加えると、「苗場です。伍動事務所の」というセリフは原尞の沢崎シリーズにおける「渡辺探偵事務所の沢崎です」を意識しているのだろうし、最終話は結城昌治の真木シリーズを思わせる(ロスマクよりこちらだと思う)出来で、探偵自身にも家庭の悲劇がという「探偵自身の物語」はネオ・ハードボイルド由来のものかもしれないと感じた。日常における謎をハードボイルドで描くのは、リューインの『父親たちにまつわる疑問』も影響しているのかもしれない。ただ、こういった些末なことを抜きにして、物語を楽しめたのでこれらは蛇足であるが……。

    あと、作品中て発せられるセリフに出てくる言葉に関連して、『探偵は眠らない』っていう翻訳ハードボイルドアンソロジーがありましたね(これも蛇足)。

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    2026年09月07日
  • イッツ・ダ・ボム 1巻

    匿名

    購入済み

    グラフィティには

    全然詳しくありませんが、作画している作者さんが好きで購入しました。この巻は、グラフィティとはという説明をライター通して読者に向けてしてくれてて、終盤に物語が動き出しそうな予感で終わっています。気になる〜!原作は未読なのですが、めっちゃ先が気になります。次巻は来年とのことで、楽しみに待ってます!

    #ドキドキハラハラ

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    2026年08月02日
  • ノーウェア・ボーイズ

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    ネタバレ

    4人の中学生男子と1人の若い女性は奇妙な友人関係となった
    2人の男子は女性に救われ、1人の男子は女性に惚れ込んでいる
    そんな友情は、女性が抱える問題によって一旦消滅した
    10年後、1人の男子は殺人犯となり、残りの3人は今度は女性を救うべく立ち上がる
    単純な青春を描いた作品ではなく、綺麗事も、綺麗事じゃない部分もひっくるめて、人は救われるんだなって思わせてくれた

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    2026年07月10日
  • バッドフレンド・ライク・ミー

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    ネタバレ

    文体がおしゃれだったり、街の様子をよく観察してうまく言い表していたりする。自分の影と対峙するお話で、最後はうまいことまとまってよかった。多分自主するし、多分彼女は待っててくれるんじゃないか。誘拐の指示を番号でする場面なんて、私がやらされたら覚えられんwww。主人公の名前が、途中で苗字に読めてしまい「あれ?こんな人いたっけ?」と最初から振り返る、というアクシデントもあり 85

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    2025年09月12日
  • イッツ・ダ・ボム

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    グラフィティ、ストリートアート、ボム――
    触れたことのない、よく知らない、だけど何かワクワクするカルチャーの中に連れて行ってくれる作品。
    小説って、思春期の頃とはこういう世界に怖さや危うさを感じながら読み進めていくものだったなぁ、なんて思いながら読み進める。
    大人になっても、知らない世界に連れて行かれるあのワクワク感がまた味わえて、素敵な体験でした。

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    2025年08月22日
  • イッツ・ダ・ボム

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    予想外の展開が何度か。ただの落書きでしか見えなかったものにこんな意味があるとは。この世界独特の矜持に触れられたかな。

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    2025年08月03日
  • イッツ・ダ・ボム

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    ちょうどグラフィティーに興味が出始めたところだったのでめちゃくちゃ面白かった
    これが現代のクライムノベル
    帯にも書いてたけど
    この小説自体がブラックロータスみたいに
    ずるいくらい鮮やかでうまい構成だと思った

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    2025年06月21日
  • イッツ・ダ・ボム

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    ネタバレ

    めちゃめちゃ面白かった。グラフィティのことなんか全然分かってなかったというか、自分とは住む世界が違うようなカルチャー。描くではなく書く、というのも知らなかったし。初めて知る世界で、実際のものを見てみたいなーと思いつつ読んだ。絶対映画化できなそうだ。素人には誰の作品か区別がつかないだろうから。TEELがホームセンターに勤めてたというのもびっくりした。そりゃ仕事しなきゃ生活できないんだもんな。ブラックロータスのやり方にTEELが世代の差を感じたのも分かるし。第一部はライター・大須賀アツシ目線で、第2部はTEEL目線の書き方なのもいい。これが松本清張賞受賞作というのもびっくり。こういう作品も対象となるのか。

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    2025年04月23日
  • 夜がまだ明けない

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    ネタバレ

    初めて読む作家さん。
    久しぶりに正統派のハードボイルドに出会った。

    《伍動事務所》の探偵・苗場清志郎が主人公。

    古着屋のヴィンテージジャケットと共に姿を消したアルバイト青年
    デビュー直前に連絡が取れなくなった女性ボーカル
    苗場の元恋人が依頼してきたストーカーからのボディガード
    密室状態の雑居ビルから消えた男
    家出した中学生の少女を見つけたその後

    序盤は何となくこういうことかな、と思い当たる構図ではあったが、前向きになれるような話で新鮮な感じ。
    だが中盤からテイストが変わってくる。
    様々な構図を推理し、そこに向かって攻めの調査をしたり、タイミングを逃がさず対象者を炙り出したりという姿勢は原寮さんの沢崎シリーズのよう。
    苗場自身に何かしらの訳ありな感じも匂わせる。

    後半の二編は死体も出てくる。
    だがその結末は違っている。そこは苗場の訳ありに関係があるのだろう。
    苗場が『自分自身も含めて』『色んな人を』『許して』あげられる日は来るのか。
    シリーズ化して欲しいと作品。

    作家さんの他の作品を調べてみたが、探偵物とは違うようだ。

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    2026年09月11日
  • イッツ・ダ・ボム

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    ネタバレ

    ボム=街にグラフティ(表紙のような絵)を描いたり貼ったりすること。特に違法に行われるものを指す。

    クライムノヴェルの括りだけど軽犯罪。今どきの若者が躍動していて50代の私は新たな知見を得た気がします。若い作家さんだから書ける作品。

    いつからか現れた街の落書き、「要らないなぁ」って思っていたけどバンクシーが登場してから意味合いが変わったもの、というイメージです。ただのヤンチャな人たちと思っていましたが、主張したいことがある人たちもいて知らない世界を体験できました。

    いつも読んでいるものとは違う物語を読んでみたいと思って手に取ったけど話の筋はさほど複雑ではないので気軽に読めて面白かったです。

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    2026年09月07日
  • 夜がまだ明けない

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    令和の探偵ミステリー。

    伍動探偵事務所で働く苗場は、まだ若そうであり、探偵事務所の他の人はいるのかどうなのか全く登場せず、苗場だけがひとりで動く。

    探偵の能力はあるのだろう…
    先ずどう動くのかを考えてから行動するので無駄がない。
    依頼者の話を聞いただけで、半分ほどは処理できているのでは…と思ってしまう。
    細かな描写も今どき…である。
    無駄口叩かずクールである。
    ただ風貌は掴めない。

    5つの短編のうち「溶けるように」のエレベーターで消えた謎には、ちょっと苦戦した様子ではあったが、どれも新感覚で楽しめた。



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    2026年08月08日
  • ノーウェア・ボーイズ

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    2015年に町田市で中学生だった男子たちが、町田のあちこちで響さんという大学生くらいの女性に出会い、救われ、恋をし、なんとなくつるんで過ごしたものの、ある事件が起こり離ればなれになる。そして、10年後、仲間内で一番暴力的だった猪瀬が水谷誠を殺したというニュースを知った猪瀬以外の俺たち。そんなときたまたま町田の実家に戻り起こる(起こす)出来事。
    町田市という絶妙に東京23区ではない街の雰囲気と、封印したけど淡い気持ちもあった夏の思い出がとけあう青春小説でしょうか。主人公の心意気が中途半端で、響さんの魅力が伝わりづらかった(私には)のと、響さんの家庭で起こったことがツラッと流れるだけなのがやや残念でした。ちょっと独特な空気感のある内容、さらに町田がめちゃくちゃ丁寧に描かれているので、町田市在住者は結構楽しいかと思います。
    暴力多めなので、中学校以上。

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    2026年07月26日
  • ノーウェア・ボーイズ

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    キャラが強すぎず、現実にいそうな感じが展開と合っており、それぞれが絡むことによりキャラクターの深みがましていくのが良かった。

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    2026年07月20日
  • イッツ・ダ・ボム

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    HIPHOP好きなのに恥ずかしながらグラフティなるものを知らず、そもそも"グラフティ"とは?という触りで入ったこの小説。用語や、文化の解説が細かくあり、理解が深まりました。

    反骨精神、世の中から置き去りにされた自分を
    表現する、誰にも見てもらえないことに対しての怒り、悲しみ。「俺はここにいるぞ」と強いエネルギーがこもったもの_____
    そう見ると普段の街のグラフティも違ったものに見えてくる。一色単に"落書き"と一掃するのは視野が狭かった。

    と、グラフティカルチャーに対するポジティブな印象も持ちつつも、
    最後にブラックロータスくんも言っていた言葉、所詮は日本で行われるグラフティは「輸入品のカルチャー」であり、USは様々な背景がありそれが文化になっているのに対し、しばしばJ-HIPHOPでも議論になってますが治安が良く平和な日本で反骨精神?何を言ってんだ?みたいな冷めた目でも見てしまいます。

    となるとブラックロータスくんがぶっ壊したかった"今のグラフティ"、自分的にはいいなぁとか思ってしまいました。
    なんかこう書いてるとグラフティカルチャー、理解できてるようでできてない気がしてきた。

    最後、TEELが徳田さんと呼ばれるところと、表紙を書いたグラフティライターの名前がスプレーで消されてるの、めっちゃクールですね。

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    2026年05月23日
  • イッツ・ダ・ボム

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    ネタバレ

    街中で見かける"グラフィティ"を題材とした物語。
    イリーガルでありながらも、抑えきれない熱のこもった叫びをスポットで書き残していくライターの物語に胸が熱くなっていきます。
    グラフィティ、そして謎のライター『ブラック・ロータス』を取材する記者が主人公の第一部も良かったですが、特に好きだったのは第二部でしょうか。
    とにかく自分の中にあるものをぶつけたいという初期衝動にスプレーを動かしていく主人公。しかし時は経ち、そんな主人公にもどこか"慣れ"のようなものを感じながらグラフィティを描き続けています。
    そんな主人公に発破をかけるように『ブラック・ロータス』は勝負を仕掛け、主人公を完敗させます。
    しかしラストの主人公はどこか爽やかさを感じさせます。
    職場のトラブルに向き合うようになった主人公はグラフィティライターとしてではなく、れっきとした社会人然としていました。
    人間の変化を、グラフィティという題材で熱く、語り切った作者の筆力。とても面白かったです。

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    2026年05月21日
  • ノーウェア・ボーイズ

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    ネタバレ

    光一。幸宏。中村。猪瀬。響。
    桐原響。町田。リス園。中二。古本屋。古着屋。ライブ。クラブ。塾。塾長。水谷誠。バッティングセンター。コンビニの外にいる凍える少女はだれ。
    レスキュー。皆のレスキュー。家族。変わるまち。変わらない街。厨二病的な主人公。憧れの人。少しノスタルジックな気持ちに。

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    2026年05月10日
  • イッツ・ダ・ボム

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    ネタバレ

    ミステリー小説だって勝手に思い込んでました。犯罪小説だって書いてるのに〜
    1部の途中で合わないなぁって1回諦めてから何年か置いてたら美味しく感じた。

    街中にグラフィティ?がそこら中に書いてるなって意識外でも覚えてて、道端の何か分からない箱とか電柱、橋の支え、どうやって書いたんやろって場所にもよく見る。
    正直これを読んでもそういう場所に書いてしまう人達のことはまったく分からなかった(笑)
    なんでかは分からないけどその衝動みたいなのを感じて面白かった。

    第2部主人公のteelがアルバイトがお金をちょろまかしてるのを見過ごし、物語終わりには指摘しようとするとこが1番ささりました。
    こういう場面はほんと最高!

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    2026年04月28日
  • ノーウェア・ボーイズ

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    恵まれない家庭環境でなく、むしろ不自由なく暮らしている少年たちの憂鬱な記憶 #ノーウェア・ボーイズ

    ■あらすじ
    町田で生まれ、育った少年たち。地元で平凡な毎日を暮らしながらも、どこか満たされない毎日を送っていた。少年根津光一は、リス園で女子大学生の桐原響と出会い、少年たちと奇妙で楽しい友人関係が始まる。しかしある日、憧れの響を街で見かけると、これまで見せてこなかった表情を浮かべており…

    ■きっと読みたくなるレビュー
    少年時代のほろ苦い記憶、あの場所、あの頃、あの人物を思い出す青春ミステリーです。

    こんな作品を読むと、自分の青春時代を思い出してしまいますよね。お金なんか全然なかったけど、毎日がキラキラ輝いていてさ。解像度高く記憶を呼び覚ますことができるのです。

    本作の主たる時間軸は2025年、大人になった少年たちが地元町田に集まってくるところから始まる。憧れの女性響と結婚した中学時代の友人猪瀬が、殺人事件を犯したらしい。一方主人公の根津は、すでに結婚して妻は妊娠中。彼らの事件に向き合うことで、過去の自分を取り戻そうとする… という筋立て。

    井上先斗先生の作品は、まず世界観がクールなんですよね。文体としてはライトなんだけど、決して幼稚ではなく、むしろ洗練されているの。描くシーンの場所もセリフも感情表現の、上品かつ繊細なんすよ。かつて松本大洋のマンガを初めて読んだときと同じような感覚になりました。

    キャラクターがイイんすよ。根津をはじめとする、どこにでもいそうな中学生たち。猪瀬はちょっと荒くれ者。バッティングセンターでつるむ彼らを見てると、ひとりひとりの悩んでいる顔が目に浮かんでくるんすよね。

    特段恵まれない家庭環境でもなく、むしろ首都圏郊外で不自由なく暮らしている少年たち。しかし彼らにもストレスがある、人間関係、勉強、両親からのプレッシャー。やりたいことを自由にできない、現代社会の息苦しさを感じつつある。だからこそどんなものにも影響を受けてしまう、敏感な年代とも言えます。

    そこに現れるマドンナの響さん。彼女を中心に物語は展開するのですが、ここが一番の読みどころです。彼女はいったいどんな女性なのか、何が起こるのか、そして関係性はどうなるのか… 詳しくは語りません、ぜひ読んでいただきたい。

    ちょっとだけ語ると、中学生時代と大人になってからの想いの違いが綿密に描かれているんすよ、胸の奥に何かが伝わってくるのよね。はー、切ない。

    大人になるってことは、成長であり、独立であり、責任である。でもいつかどこかに忘れてきた何かを見つめ直さなきゃならない時もあり、実はそこに解決のヒントがあったりもする。今度の休みの日は、青春時代の友人たちと通っていたファーストフード店に行こうと思いました。

    ■ぜっさん推しポイント
    本作も舞台である町田市の丁寧に描いており、行ったことなくてもイメージが伝わりました。駅前は繁華街だけど、少し駅から離れると緑も増えつつある首都圏近郊のベッドタウン。決して都心ではないけど、便利で住みやすく、子育てにも適した街なんだと思います。

    日本のどこにである、都心でもなく田舎でもなく、どっちつかずともいえる街。何の不自由のないんだけど、幸せで満たされているわけでもない。どこに怒りをぶつけていいか分からなくなる、ちょっとだけ憂鬱な感情が漂ってる街だとも感じられました。

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    2026年03月20日