あらすじ
阿部智里、額賀澪、川越宗一、波木銅らを輩出した
第31回松本清張賞受賞作!
森見登美彦さんが「もはやズルい」と、
米澤穂信さんが「夜の光を放つ、ささやかで切実な犯罪小説――圧倒的だった」と
激賞した鮮烈なデビュー作!
◆◆◆
グラフィティ graffiti
おもにエアゾールスプレーやマーカーを用いて街に書かれた名前や絵柄。
ボム bomb
街にグラフィティを書いたり、ステッカーを貼ったりする行為。またはその痕跡。
特に違法に行われるものを指す。
◆◆◆
「日本のバンクシー」と耳目を集めるグラフィティライター界の新鋭・ブラックロータス。
公共物を破壊しないスマートな手法で鮮やかにメッセージを伝えるこの人物の正体、
そして真の思惑とは。うだつの上がらぬウェブライターは衝撃の事実に辿り着く。
(第一部 オン・ザ・ストリート)
20年近くストリートに立っているグラフィティライター・TEEL(テエル)。
ある晩、HEDと名乗る青年と出会う。
彼はイカしたステッカーを街中にボムっていた。
馬が合った二人はともに夜の街に出るようになる。
しかし、HEDは驚愕の“宣戦布告”をTEELに突き付ける。
(第二部 イッツ・ダ・ボム)
「俺はここにいるぞ」と叫ぶ声が響く、いま一番クールでアツい小説!
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
グラフィティ、ストリートアート、ボム――
触れたことのない、よく知らない、だけど何かワクワクするカルチャーの中に連れて行ってくれる作品。
小説って、思春期の頃とはこういう世界に怖さや危うさを感じながら読み進めていくものだったなぁ、なんて思いながら読み進める。
大人になっても、知らない世界に連れて行かれるあのワクワク感がまた味わえて、素敵な体験でした。
Posted by ブクログ
ちょうどグラフィティーに興味が出始めたところだったのでめちゃくちゃ面白かった
これが現代のクライムノベル
帯にも書いてたけど
この小説自体がブラックロータスみたいに
ずるいくらい鮮やかでうまい構成だと思った
Posted by ブクログ
めちゃめちゃ面白かった。グラフィティのことなんか全然分かってなかったというか、自分とは住む世界が違うようなカルチャー。描くではなく書く、というのも知らなかったし。初めて知る世界で、実際のものを見てみたいなーと思いつつ読んだ。絶対映画化できなそうだ。素人には誰の作品か区別がつかないだろうから。TEELがホームセンターに勤めてたというのもびっくりした。そりゃ仕事しなきゃ生活できないんだもんな。ブラックロータスのやり方にTEELが世代の差を感じたのも分かるし。第一部はライター・大須賀アツシ目線で、第2部はTEEL目線の書き方なのもいい。これが松本清張賞受賞作というのもびっくり。こういう作品も対象となるのか。
Posted by ブクログ
グラフィティってなんだろう。イリーガルな事をしてでも伝えたいとがりきったメッセージ?それとも高尚なアート?
数人のグラフィティライターを取り巻く、様々な人の話。ブラック・ロータス(MTGの超高級なカードが元ネタ)というグラフィティライターがボムするグラフィティやグラフィティのあり方や信念に、様々な人の思いが交錯する。
前半はとあるライターの取材を通して、後半は街中にグラフィティをボムすることに拘る一人のグラフィティライターの視点で描かれる。
ストリートカルチャーが好きであればもちろんだが、何かを作る、何かの思いを街の人に伝えるとはどういうことか、という点でもオススメしたい。
Posted by ブクログ
第31回松本清張賞受賞作。
ヒップホップの4大要素(MC、DJ、グラフィティ、 ブレイクダンス)のうち、グラフィティにスポットを当てたクライムノベル。めちゃくちゃ面白い。
発刊を記念して文芸春秋社の地下駐車場には「イッツ・ダ・ボム」のグラフィティが描かれたらしい。著者井上さんのXのアイコンで見られる。
構成は二部に分かれていて
第一部 オン・ザ・ストリートでは、うだつの上がらぬウェブライターが主人公。
「日本のバンクシー」と注目を集めるグラフィティライター界の新鋭「ブラックロータス」の活動に注目し、なんとかその正体や思想に迫り、本を出すための取材を重ねる。
ブラックロータスの手法は以前のグラフィティライターと違い、公共物を破壊しないこと。しかし唯一、法律を犯すことになった選挙戦でのメッセージ。違和感を覚えながら取材を続ける主人公が辿り着いた真相とは——。
第二部 イッツ・ダ・ボムの主人公はグラフィティライター・TEEL(テエル)。20年近くストリートに立って、「俺はここにいるぞ」とボム(グラフィティを書くこと)し続けてきた。ホームセンターで勤めながら、常にスプレーを携行し、書きたいときに書きたいことを書く。
ある晩、HEDと名乗る青年と出会う。彼はイカしたステッカーを街中にボムっていた。馬が合った二人はともに夜の街に出るようになる。しかしHEDは驚愕の〝宣戦布告〟をTEELに突き付けるのだった。
感想。
めちゃくちゃ面白い。アングラで繰り広げられる軽犯罪カルチャーの裏側。どんな思いがグラフィティライターを突き動かすのか詳細に綴られていてワクワクした。
書きたい衝動に駆られる魅力的なスポットはライター同士でかぶるらしく、同じ場所にさらにイカしたグラフィティなら上書きしてもOK。そんな世界は一般的に理解されるものではないが、ライター同士なら通ずるものがあるんだな。
後半のボムバトルが特に最高だった。ベテランと若手の感覚の違い。何が格好良くて何をダサいと思うか、その感覚の差を発言や行動に落とし込んだ時、亀裂は生まれる。
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最高!
アートは世代交代していかなければならない。
古いものを切り捨てるんじゃなくて、取り込みながら。
さながらDNAのように。
そう常々思っているので面白かった。
HIPHOPカルチャー大好きなので読むのも楽しかった。
Posted by ブクログ
第31回松本清張賞受賞作
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夜の光を放つ、
ささやかで切実な犯罪小説
グラフィティって
違法な落書き?
高尚なアート?
「日本のバンクシー」と耳目を集める新鋭〈ブラックロータス〉
彼の正体を熱心に追うウェブライター
ストリートにこだわり続けるグラフィティライター〈TEEL〉
そして「落書きなんて流行らない時代」に落書き(ボム)を始めた青年
「俺はここにいるぞ!」と叫ぶ声が響く、
新世代のクライム・ノヴェル!
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グラフィティについては何も知らず。
バンクシーという言葉だけは何となく知っていて。
二部構成の第一部は
ウェブライターが取材を進める形で物語が展開し、
グラフィティって、という説明から
後半は一気にミステリー要素があり。
ああ、こうやって終わるのか。
と思って、第二部へ。
一部でインタビューされたグラフィティライターがメインです。
外側から見た世界と、
内側から見た世界。
夜の中を疾走して、
誰にも見つからないようにボムする。
犯罪なのに、
なんか格好良くて、
独特の空気感が伝わってきました。
こちらも後半で事件のような展開があり、
どう決着をつけるのか気になって最後まで読み切りました。
ショートムービーを観てる気分でした!
Posted by ブクログ
帯に森見登美彦さんが「もはやズルい」と、米沢穂信さんが「圧倒的だった」とあったので気になって読み始めた。
グラフィティという名前すら知らなかった。そういったものが書いてあったら「治安が悪そう」と思っていた。正直、バンクシーの良さも理解できない(これは積極的に批判するのではなく興味がないという意味である)。
わー興味ない分野の話だったなぁ。あれ?小説じゃない?なんて思いながら読み進めていたが、知らず知らず引き込まれていった。
まるでドキュメンタリー映画を観ているようだった。この作家さん、この先楽しみだ。
Posted by ブクログ
バンクシーはじめとするストリート・アーティストが正体不明なのは、イリーガルなことをしているから当たり前でしょって、当たり前なことに気付かされる。
でもバンクシーの表現している事が、大衆に受け入れられるのは、大衆に受け入れられる内容だからイリーガルでも批判されにくいという指摘もその通りだし、賛否両論、物議を醸すものではないから表現としてはどうなのかという指摘もわかる。
仕掛けにしてもそう。
純粋な表現と商業主義。
アートに限らず、表現の世界では永遠の論争の種。
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2025年6月号ダ・ヴィンチの伊坂幸太郎特集にあった掌編がなかなか好きな感じで気になって
現代風石田衣良という感じ?
バランス感覚がアップデートされながらもストリートカルチャーに憧れるというのは私にもわかる
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洒落た雰囲気が漂う小説。
特に専門性のない人がその話題に精通している人として世に出ていく感じとか、妙に潔癖な正義感を持つボマーとか、今っぽいなあ。
Posted by ブクログ
前半は、まじめか!
とツッコミながらダラダラ読んでたけど、後半が面白い!!
ストリートカルチャーの新旧交代の攻防なんだけど、これ、どの世界でも当てはまりそう。例えば将棋とかスポーツとかビジネスとか芸人とかでも。先輩のTEELがほどよく力が抜けててかっこよく、リスペクトされるだけの魅力があったわ。登場人物みんな人物造形がよかった。
Posted by ブクログ
最初はいったいこの本は何が言いたいんだろとダラダラと読んでいたけど、へ〜!と途中から面白くなって一気に読めました!
なんか最後の終わり方も好きだったな。
今度から落書きだと思っていたボムされているところを違う目線で見られそう!
Posted by ブクログ
まずはグラフティという文化の奥深さに驚いた。今までただの落書きと思っていて申し訳なかった…。社会と価値観が変わって行き自分も老いていく中で、何を何を消し去り何を書き続けるか。そんなことを考えた本でした。心揺さぶられた。
Posted by ブクログ
街中で見かける違法な落書きである「グラフティ」を通して、自己表現や意思表明をしようとする者たちの声を物語として書き切った作品。
前半は「日本のバンクシー」というキャッチ―なテーマからグラフティの概要を読者に提示し、後半はストリートでグラフィティを描き続ける男とその世界へ足を踏み入れたばかりの青年の交流から構成されている。
冒頭はやや説明的な印象を受けるが、物語が展開されるにつれ、それらの情報もふまえて登場人物に感情移入し始めてくる。読者への情報提示と物語に引き込む力がうまくかみ合って、後半はあっという間に読み終わってしまった。現在のグラフティを取り巻く歪さを、今を生きる若者の視点から嘲弄するシーンが印象的だった。
奥付の前に、クレジットに写真家とデザイナーの名前は記されているのに、表紙を飾るグラフティを手掛けた者の名前はスプレーで消されていた。なんとなく、グラフティの本質はここにあるのかなと感じた。自分が何者であるかはどうでも良くて、ただそこに己が存在している証としてグラフティがあれば良い。
そういえばこの物語では、主人公の名前がなかなか明かされない。小説というツールにおいても、グラフティの在り方を体現しているように感じて、作中の言葉を借りるなら「一本の芯がある」ように感じた。
Posted by ブクログ
ダヴィンチ・プラチナ本から。これは面白い文学。現代アート界隈への興味が、自分的に俄然盛り上がっているのもあり、だいぶ楽しめた。ちょっとしたミステリ要素みたいなのもあったり、前半がノンフ仕立てになっていたりと、求心力も終始落ちない。
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松本清張賞受賞作ということで手に取る。
全体的に疾走感があって、カルチャーへの解像度が高まった。ただ、あえてと思うが、前半の説明文の多さにやや息切れする。
街中で今度グラフィティを見てみようと思える作品。
一点、ステッカーを貼るのって、スプレーで書くのと比べてそんなにアートなん?とは思った。
Posted by ブクログ
グラフィティというあまり知らない世界を知ることができた。バンクシー程度の知識しかなかったので、「描く」のではなく「書く」だったり、「ボム」という言葉も初めて知った。二部の二人の闘い?は熱かった。グラフィティへの意識は変わったと思う。これからグラフィティ(だと思うもの)を気にしながら街を歩いてみよう。
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目にすることはあっても、ちゃんと見てこなかったグラフィティというものを知る機会になった。まるで縁のない世界を垣間見ることができて読書っていいなあと再認識。
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壁などに描かれた落書き(と思っていた)をグラフィティと呼ぶとか、その行為をボムと言うとか、まるで知らなかった。暴走族やヤンキーの自己主張という認識で、それをアートだとか、カルチャーだとか思ったことがなかった。バンクシーはもちろん知っている、キースヘリング展にも出向いたが、それらは芸術であって、私の中では落書きとはかけ離れてた。
black lotusという素性不明のグラフィティライターをめぐるお話。第一部はそれをネタにして記事を書いて売れようというフリーライター大須賀アツシが、取材し、インタビューを重ね、記事にするまで。相手はカメラマン大宅裕子、塗装店の娘戸塚千里、著名なグラフィティライターのONENOWとTEEL。第二部は前出のTEELが主人公。TEELの歴史、知り合って行動を共にするようになったHEDが実は、、、となり、二人の勝負?が始まる。
ってことなんだけど、これが松本清張賞の作品だそうで、ミステリーなの?って驚いた。作中には、馴染みのない単語がたくさん出てきて、理解の範疇を超えてたけど、読み終えてみれば、知らない文化に触れた気分で、なかなか面白かった。
Posted by ブクログ
ヤンチャな不良の卑猥な落書きのイメージが強かったけど、あれもアートだったのか。落書きと軽視していたけど、歴史と背景を知り、見方が変わった。
ようやく理解し始めたそれすらも新たな時代の書き換えで価値観が変わりつつあると感じさせられた。確かに、見かけなくなったのが一つの答えかも。
第二章もライターの創作なのか?作中の現実なのか。TEELさんが最後徳田さんになるのは活動終了の兆し?不理解なまま終わってしまった。
Posted by ブクログ
街中になにやら描かれるグラフィティアートのお話。ていうかアートじゃなくてグラフィティライターっていうようなんです。描く人のことを。全然知らない世界なのでそのあたりはとても興味深い。半面、話がどう転がっていくのかよくわからず。特に第一部はストリートカルチャーというものを理解させるというだけでほとんどが終わっていたような。
第二部のTEELの話はだんだん物語っぽくなってきましたね。ただ「このミステリーがすごい」ランクインとかで読み始めた人は困惑するかも。自分も含めて。ミステリ・・・?純文っぽさを強く感じるけど・・うーん、まあ広義ではミステリなのかもしれないけど、肩透かしではある。
Posted by ブクログ
グラフィティアート。
用語がよくわからんので、途中で調べた。
ピース、タグ、スローアップ・・・ふむふむ。
第二部からおもしろくなって、一気に読み進めた。
TEELが多摩水道橋で消火器をぶっ放すとこはかっこよかった。ダメだけど(笑)
(多摩水道橋もどんな橋なのかわからんので調べた。スゲー)
よくわからない世界の話ではあったけど、二人のやり取りはけっこうおもしろかったです。
この前、東京に行ったとき、小田急線に乗って窓外を見ていたら、あるわあるわ、グラフティ。
うちの近所ではあまり見ない気がする。見えていないだけなのかもしれない。
ちょっと気を付けて見てみようかな。
Posted by ブクログ
ストリートアート、グラフィティ。バンクシーで市民権得るまで、スプレー使った落書きとしか認識してなかったけど哲学あったんだ。牙を隠して「俺がここにいるぞと思いや感情を即座に世界に伝える」フーン。ジャンル問わない清張賞か…。
Posted by ブクログ
ヒップホップカルチャーはラップ、DJ、ブレイクダンス、そしてグラフィティの4大要素から成り立つストリートカルチャー
貧困街ブロンクスのキッズたちが鬱屈した暗い社会の中で見つけた一縷のひかり
楽しければいい
警察も法も関係ない
そのうちヒップホップはストリート・カルチャーとして人気を博し、ラップとDJは新たなジャンルとして最前線を突っ走り、ブレイクダンスはオリンピック競技にまでなった
グラフィティもギャラリーで掲げられ数百万ドルで取引されたりする
ラップやDJ、ブレイクダンスはつねにスタイルをアップデートさせ時代の最先端を走り続けているが、グラフィティはこの漂白された時代にあってはアートという枠からはみ出さないものになった
街でもひっそりとカゲのように存在感を消している
カフェやクラブの“エセ”グラフィティには辟易する
空気感がちがう
商業的なニオイしかしない
物語の中では、そんな現代版のグラフィティに対する提案が示されている
果たしてそれが答えかはわからない
見たいか? ボムしたいか? 自己満か?
久しぶりに映画『ワイルドスタイル』を観たくなった
Posted by ブクログ
全く知らないカルチャーに触れられた。
TEEL編になってからが面白かった。カルチャー、特に外から入ってくるものの在り方、変わっていく様を考えさせられた。
「結局、俺も、憧れてるんでしょうね。輸入品のカルチャーに、意味もよく分からないまま。で、そんな風に誰かに自分のことを憧れてほしいと願っている」が印象的。批判したりぶっ壊すとか言いながら結局はその気持ちもあるのね、とある意味安堵する。
輸入品のカルチャーは商業的に利用されたり、従来あった背景が無くなって踏みにじるようなこともあるかもしれない。それを批判する者も当然いる。でもなんやかんや憧れるしその純粋な気持ちはあってもいい。
今ハマっているXGのヒップホップ、R&Bを軸にする彼女たちが思い出された、あまり関係ないけど。
Posted by ブクログ
(Ⅰ)今、俺がここにいるぞ!(p.25)(Ⅱ)グラフィティライター、ブラックロータスのなそうとしていることは?/第一部にも登場したTEELはHEDという新進グラフィティライターと知り合う。そしてブラックロータスの真意へと近づく。(Ⅲ)内容も知らず米澤穂信さんと森見登美彦さんの帯文だけで読み始めました。う〜ん、感覚を上滑りしていった気分。グラフィティはよく見かけるけどなんで同じような文字ばっかなんやろう? たまにはイラストでも描けばええのにとか思っていたら、様式であり「俺参上!」というような自己顕示やったんやなあ、と知りました。
■簡単な単語集
【インベーダー】セラミックタイルを街じゅうに張り付けるタイプのストリートアーティスト。フランス人。
【大宅裕子/おおや・ゆうこ】フォトグラファー。インスタで写真を発表している。
【ヴァンダリズム】破壊行為主義。ここでは、公共物を汚すやり方。
【大須賀アツシ】第一部の主人公の「私」。フリーライター。自分の名前に箔をつけたい。そのためにブラックロータスについて書こうと考えた。
【カスミ】Bad boyの妻。
【グラフィティ】《グラフィティは〈描く〉のではなく〈書く〉のだという。グラフィティは全て「俺はここにいたぞ」という署名で、》p.7。《カルチャーとしての本質は書かれた内容ではなく、書いたという事実の方にある。》p.7。
【クルー】チームを組んでグラフィティすることのようだ。
【ケンジ】TEELのスケボー仲間。
【清水佑樹/しみず・ひろき】週刊誌『SESO』で「私」の連載を担当してくれることになった。
【ステッカー】その名の通りステッカーによるグラフィティ。
【スローアップ】よくわからないがタグよりよりデザイン化された文字のようだ。
【SESO】週刊誌。下世話な記事で話題になることが多いがサブカルにも強い。「私」の記事を連載してくれることになった。
【タグ】よくわからないがとりあえず名前だけのグラフィティのようだ。
【タグネーム】グラフィックライターの間でのペンネームみたいなもの。
【TEEL/てえる】著名グラフィックライター。ストリートにい続けている。スケボーを楽しんでいる。ただ書き続けてる。他者のことは気にしないが、ブラックロータスについては世間受けの狙い方の上手さがバンクシーっぽいと考えている。特に皮肉とか僻みとかではなく。バンクシーは賛否両論にならないなるほどその通りと思われるモチーフを使っているとも。第二部の主人公。
【戸塚千里/とつか・ちさと】仕事でグラフィティを書いている。サブカル系ライターのサム長岡の親戚で、紹介してもらった。
【Bad boy】TEELがかつてチームを組んでいたメンバー。今はステーキ屋。
【ピース】よくわからないがタグやスローアップよりもさらにデザイン化されているもの?
【ブラックロータス】登場して二ヶ月ほどで「日本のバンクシー」と呼ばれ始めたグラフィティライター。マジギャザの同名カードのカラーコピーを署名代わりに残していく。
【HED/ヘッド】最近見かけ始めたステッカーの作者。TEELがらみても上手い。選ぶ場所のセンスも良い。一種の天才。
【ボム】自分のグラフィティを書くこと。らしい。
【ミスター・ブレインウォッシュ】実在のストリートアーティストらしい。その真似っぽいのはちょいちょい見かけます。
【私】→大須賀アツシ
【ONENOW】著名グラフィックライター。魂のようなものを説いた。商業活動もしてはいる。