ヨンフォッセのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ノルウェーでのビジネスを始めた2023年に、ハウゲスンで生まれたヨン・フォッセがノーベル文学賞を獲得。必読となり、やっと読む機会が出来た。シンプルな構成ながら全編に潜む不安感がノルウェーの景色とオーバーラップしてくる感覚。でも、日本語訳では真意を伝えきれていないのであろう。
解説が素晴らしい。特に以下:
まず、フォッセが執筆に使う特殊な言語“ニーノルシュク"について触れておきたい。ノルウエーには、オスローを中心とした現住民九〇%が話す”ボクモール”(Bokmal)と西海岸で使われる"ニーノルシュク"(Aynorsk)の二つの公用語がある。なぜ二つ?ノルウェーは -
Posted by ブクログ
ネタバレ2023年「声にならない言葉に声を与えた革新的な戯曲と散文」という評価を受けノーベル賞を受賞したヨン・フォッセの中期代表作『三部作』
台詞の鍵括弧や句点ピリオドが使われていない散文。ほぼ構成しているのは読点のみになっている。台詞の後に「と考えるアスレ」という感じになっている。
読みにくいかと思ったがそうでもなった。場面転換が少しわかりにくい箇所があったが、あまり気にならなかった。
恋人・家族の物語。
愛のために大罪を犯してしまうのは切ないな。アリーダの思いが色々な言い換え・復唱することですさまじい不安感に苛まれているんだなと感じられた。
その場にいなくなった人が見える(霊?)自分の中で生 -
Posted by ブクログ
ネタバレヨン・フォッセの「だれか、来る」の表題作を読みました。
戯曲です。
彼と彼女は、とても辺鄙なところに新しく買った家の前に立ち、問答をします。
「だれもやってこない家 おれたちが 一緒にいられる家」
「きっと だれかやってくる」
そして、家の元の持ち主の男が現れて、彼女と話します。
彼は彼女の気持ちが男にあったのだと弱々しく責め立てるのです。
彼女は一瞬いなくなります。
そこで、彼は独白をする。
「おれたちは二人きり いつまでも」
そうして彼女は姿を現し、関係は修復されました。
彼女は、家の周りにだれもいないことに寂しさを訴えておりました。彼は、彼女の姿が見えなくなると、突然