浅白優作のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
恒星間旅行から帰還した主人公らを待ち受けていたのは。公転軌道から逸脱し自転も停止した地球だった。酷寒の夜と灼熱の昼の間の僅かな黄昏時を人類生存の一縷の望みをかけてグリーンランドのスヴァールバルを目指すという直球SF。
強制スクロールと例えられる、迫り来る灼熱の昼から逃げながらの徒歩旅行というアイデアが何よりも素晴らしい。さらに、地球が公転軌道から外れた理由や地上に残された遺跡や怪物といった謎もてんこ盛り。設定や謎の奇想さ加減はバリントン・J・ベイリーの「時間衝突」や最近だと劉慈欣の「三体」にも負けてないし、主人公が人間ではなくAIというはイーガンっぽさも感じさせる。 ここまで本格SFを読んで -
Posted by ブクログ
「地球が!地球が存在していません!」
という設定も状況もスーパーハードなハードSFマンガ1巻。
これは凄いですよ。SF界隈の人は抑えておきましょう。
公式サイトをフォローしているのに発売に気づかないというサイレント出版でしたが、SNSで話題になっていたので無事買えました。宣伝の仕方よ。
プロクシマケンタウリの調査から戻ったら地球がオウムアムア軌道で太陽系から離れようとしていて人類は見つからない。なんとか地表にたどり着いて一筋の希望を求めてスヴァールヴァル世界種子貯蔵庫まで1400kmを歩いていこうとしたら、異形の化け物たちに襲われて・・・というハード&ハードなお話。
なぜ地球が軌 -
ネタバレ 購入済み
まるで良質なSF映画
いままで読んだ中で最高のSF漫画。地球が公転軌道から外れた理由や次々と現れる異形の化物、そしてゲノムスキャンの結果、それは遺伝子改造されたわけでもなく「自然に」存在している生命体だという……
人類滅亡の絶望感や切なさ、化物の襲撃と主人公の死、さらに化物たちの正体「山海経」。
謎が謎を呼ぶ展開はミステリーであり、化物たちとの戦いはバトルであり、そしてセンス・オブ・ワンダーを感じさせるSF漫画でもある。久々にこんなに惹き込まれる漫画に出会えました。作者の才能に感謝です。 -
ネタバレ
私には合いませんでした
かわいらしい女の子とかわいらしいペット(AI)が残酷な環境に放り込まれる展開。
ジャンルはSFの体裁を取っていますが、「地球が存在していません!」「は?」の会話から始まり、公転軌道から位置も動きも大きく外れて水星の公転軌道と太陽の間を自転せずに進む地球の黄昏地帯に宇宙服無しで着陸でき、重力も大気も気にせず普通に歩ける世界観です。
(ただし、女の子が人間であるとは明記されていないので、それらを気にせず存在できる生命体の可能性はあります)
今の時点で「ある計画から26年ぶりに地球へと帰還」ぐらいしか背景説明が無く、乗ってきた船の燃料が無いので降りる決断をするものの、調査も準備もろくにしないまま着陸