豊永浩平のレビュー一覧

  • 月ぬ走いや、馬ぬ走い

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    最後の一文に気がつくための一冊だった。大戦末期から令和まで、それぞれの若者の視点を通して混沌とした戦中戦後の時代を体感させられ、渦中で揺れる若者たちの気持ちを知り、それがどう現代に繋がるのかを感じ、私たちが今ここにいるすごさと素敵さを実感できる本。まさに過去と今を繋ぐ本。戦中戦後の若者パートと現代の若者のパートは文体から言葉の使い方まで全然違って、多種多様な何人もの人格が存在していた。著者の書き分けに感服。しかも21歳の時に書いたらしいから驚き。これが才能ってやつなのか。

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    2026年03月15日
  • 月ぬ走いや、馬ぬ走い

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    この小説は、、、というかこれを小説と評して良いのかどうか疑問が残るところです。
    小説というよりも文章の羅列、段落も無ければ殆ど改行もない。
    あったとしても突然時空を超えある人の視点へと変わるというこれまで読んだ事のない本でした。
    なので、これを小説と評するには私の中で違和感があります。
    でも、だからこそ心地よいリズムを生み、本著のコアである「生と死は脈々と繋がり今の自分がいる」という事を表現出来ていることが素晴らしいと思います。
    これらを書いているのが大学生だとは本当に信じられません。次回作が楽しみです。

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    2026年03月08日
  • はくしむるち

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    「なーら白紙むるちぬわらばー」は琉球方言で「まだ白紙もどきの子ども」という意味。なかなかタイトルが覚えられなかったんだけど、意味がわかったから忘れなくなった。

    最近歌舞伎を見ながら感じた、同じ日本語だから、まったく意味がわからないわけではない、でもすべてを言葉のまま理解することは難しいって感覚が、読んでいる最中に似ていた。

    この若さでこれを書けるの凄い才能すぎる。太字とひらがなの使い方が独特。なんでこの単語をわざわざひらくんだろう?って箇所がままある。

    以前ドラマ「フェンス」を見たときに、沖縄にはいろんな立場の人がいるから、それぞれを尊重するために、各々の環境や考えをわざとぼかして言語化

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    2026年03月07日
  • はくしむるち

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    ネタバレ

    自分は沖縄出身じゃないから、外様の感想しか出てこないけれど、この本を読んだ沖縄に生きる人たちはどんな事を思うのだろうか。

    現代と戦中戦後の時間が交差する手法は前作もやっていたけど本当にこれはすごいと思う。(これは写真表現にも似ているところがあると思っていて、さまざまな時系列の事物を一つの文脈に編んで世に提示する表現だ。写真家によってテーマはそれぞれあれど、この本にも似たものを感じた。)世界が地続きである事が直感的に感じられる。

    そこに今回はぼくらやきみといった人称が混じる事で、一体だれがこの現実を見て語っているのかがわからなくなり、俯瞰的でありながら行生や修二など人物に潜っているような主観

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    2026年03月03日
  • はくしむるち

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    同い年の書き手だった。やばすぎる。勝てなすぎる。もちろん同い年だからこそいろんな要素が刺さった、という側面もあるが。

    ぼくたちの「傷」をめぐる本だった。ぼくたちは生きていくなかで様々なカルチャーや歴史に触れる。それらは単なる好みの問題ではなくて、自分の生き方とか、もっといえば傷によって何に触れるかを選んでいるような気がする。あるいは作り手たちはそうした傷を抱えながら自分の芸術作品をつくって、同時代の人や未来の人々に影響を及ぼしていく。

    『AKIRA』もTHE NORTH FACEもTikTokも屋良朝苗も傷だ。時代の傷だ。僕たちとスレスレのところ確かに彼らは存在していたし、彼らがいる世界で

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    2026年02月25日
  • はくしむるち

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    ネタバレ

     2024年に『月ぬ走いや、馬ぬ走い』で群像新人賞を受賞した著者の2作目。ファミリー・ヒストリーに沖縄と戦争にかかる歴史を織り合わせていくスタイルは前作と同様だが、ポップカルチャーとストリート文化の援用がより前景化されていることが目を引く。

     ストーリーは、戦時下の沖縄でも沖縄語を使い続ける徴として「赤インコ」と呼ばれた少年と、彼の死によって生きることができた修二の縁から始まった時間を縦軸に、その孫世代の少年少女が「高い壁」が立ちはだかる現代の沖縄の「生きづらさ」に取り込まれ、対峙していくかたちで展開する。酷い苛めの被害者だった行生がグラフィティ・アートの担い手として想像力にこの島に「タグ」

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    2026年02月15日
  • 月ぬ走いや、馬ぬ走い

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    「月ぬ走いや、馬ぬ走い」(豊永浩平)を読んだ。

    〈ちちぬはいや、うんまぬはい〉

    かつての沖縄から現在の沖縄までのリアルな痛み苦しみ悲しみを突きつけられる胸が潰れそうな読書体験なのである。
    だけど豊永浩平さんのこの先の沖縄への想いがこもったラストが素晴らしいな。

    二○○三年生まれって、マジか。

    私の中の圧倒的な沖縄小説といえば
    「首里の馬」(高山羽根子)
    「宝島」(真藤順丈)
    であったが新たにもう一冊この作品が加わった。

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    2025年07月19日
  • 月ぬ走いや、馬ぬ走い

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    自分の苦手なザ・文学だったけど(いわゆる芥川賞ノミネート作品系)、自然と引き込まれていく内容と構成だった。
    時代もシチュエーションも目線も時代をジャンプしていったり来たりするなかで、それでもつながる一本の線。その根底というか背景に横たわるのはあの戦争の記憶と惨禍。直接的な被害も間接的な被害も、そこから次世代までつながる哀しみも。
    時代は変われど変わらない、変われない、消せないものもある。
    僕らにできることは知ることと忘れないこと。ありきたりだけど。

    あ、最初にも言ったけど、これ芥川賞ノミネートで良くない?と思うほどの、今年読んだ中でも上位の刺さり度だった。

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    2025年06月09日
  • 月ぬ走いや、馬ぬ走い

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    時代を超えた14人が物語る、それぞれの沖縄の物語。形式(文体)が内容を形作るのか、内容が形式を形作るのか、議論されて久しいが、この本はそうした議論を一蹴する力強さをもっている。21歳かつデビュー作でこれだけの文体を使い分けることに戦慄を覚えるし、沖縄という土地に根ざした様々な問題が文学として描かれている。これからの作者の紡ぐ物語に期待せざるを得ない。

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    2025年03月22日
  • 月ぬ走いや、馬ぬ走い

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    圧倒された。その実験的手法が本作のテーマにがっちりはまっている。沖縄に対する自分の無知も突きつけられた。

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    2025年02月15日
  • 月ぬ走いや、馬ぬ走い

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    めちゃくちゃよかった。最初の方は難しい本なのかなと思ってたけど、それぞれ語られた言葉がすっと心に入っていく。沖縄の戦中、戦後、そして現在へ。生きてきた者たちのありのままの言葉。

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    2025年02月14日
  • 月ぬ走いや、馬ぬ走い

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    話が進むに連れて登場人物が徐々に繋がっていくのが面白くて、途中から読む手が止まりませんでした。一度読んだだけでは登場人物たちの関係をしっかり把握することは出来なかったので、また読み返してみたいと思います。
    「月ぬ走いや、馬ぬ走い」の言葉を忘れずに、これから先の人生を生きていきたいと思いました。

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    2024年10月20日
  • 月ぬ走いや、馬ぬ走い

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    恐ろしいほどの才能を読んでしまった

    著者わずか21歳、沖縄での大戦とZ世代を往来するパラレルワールド

    ウイリアムバロウズのカットアップ手法を彷彿とさせるぶっ飛んだ文体

    それは、ドアーズからカートコバーン、AWITCHまでを飲み込む圧倒的なバースのセンスと、有無を言わさぬレペゼンうちなーぐちの完璧なるマッシュアップ

    そして鮮やかなまでの鎮魂詩のラスト

    何から何までやられました

    アナーキー・イン・ザ・OKINAWA

    この才能は未来を変えると思いました

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    2024年09月30日
  • 月ぬ走いや、馬ぬ走い

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    またものすごい新人登場。
    作者がどんな人物なのか知りたくなる
    ほどの傑作。
    今年読んだ中でNo.1。前回の芥川賞の候補にあがらなかったのはなぜ?少し遅かった?芥川賞はこれでしょう。

    章の最後を数珠繋ぎにすることで、世界の連環を示唆し空間と時間を自由に行き来する。
    このアイデア!
    沖縄が舞台なのが、またいい。
    大戦のおそらく最も悲惨な現場であり、現代のおそらく最も困難な現場である沖縄。マジックリアリズムが生き続け、リアリズムが人々を翻弄し続ける沖縄。
    矛盾を抱えた沖縄が重層的に語られる。

    しかも、この切れ味。
    この読みやすさ。

    この人はどんな話し方をするのかな。
    どんな人生を生きてきたのか

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    2024年09月20日
  • はくしむるち

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    小説。最初は何が何だかわからなかった。
    構わず読み進めると、やっと沖縄の中学生が主人公であることがわかる。
    暴力とセックスに明け暮れるヤンキーたちが描かれている。
    しかし、突然終戦直前の沖縄が出てくる。ここにも暴力。ひめゆりにつながる。
    さらに、ニュースになった、警棒で若者を失明させた、その場面が登場。

    なんだか怒りにあふれている。消化しきれなかった

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    2026年03月14日
  • 月ぬ走いや、馬ぬ走い

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    めっっっちゃ面白かった!!!と同時に怖いし、恐ろしかった!!!沖縄だし、戦争だし、歴史だし、現代だし、すごい、まじで、目の前パチパチしてる感じ!!!
    沖縄の抱える社会問題も歴史もぼろぼろと要素が落ちてきてびびる、知ってるけど知らない!の感覚!
    唾奇くんのインタビューを思い出しながら読んでたら、本文に名前出てきて笑った、
    彼がネグレクトの母親のもとで育てられようとしていたところを祖母に助けられたのも、沖縄の女性は強いと語ることも、個人の話だけではなくて、社会にも要素があるんだよなと改めて思った、

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    2026年03月04日
  • 月ぬ走いや、馬ぬ走い

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    現在と80年近く前の期間を行ったり来たり。歴史の中で語られなかった人たちの人生や命を読ませてもらった。どれだけ重く苦しいことも、過ぎ去ってしまう。光陰矢の如し。ただ、その光というべき人の人生や命は確かに輝きを放っていた。たとえ僅かな瞬間でも。

    沖縄を考える本かと思ったが、違う。これは日本を考える本だ。

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    2026年03月01日
  • はくしむるち

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    戦争や男性性といった圧倒的な暴力によって蹂躙されてきた/されている沖縄に堆積した声が語る少年少女たちの青春が痛みを伴って胸に重く響きました。と同時に、この物語は沖縄という限定的な土地だけで完結するものではなく、あらゆる場所に現在進行形で生きている未完と完成の狭間の子供たち=はくしむるち(白紙擬き)の傷と抵抗の物語でもあると私は思うのです。《対等じゃないのに、勝手に守るとか、守れないとかいって都合よく扱うのは、サギの言葉でしょ!?》。解放してくれた者が隠していた打算や傲慢さをあらわし新たな暴力として留まり支配しようとする苦しみの連鎖に、真のヒーローなどいないのだと絶望の中で絶望しながら、それでも

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    2026年02月26日
  • はくしむるち

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    80年を隔てた2つの時代でもがく「白紙もどき」な若者達の青春物語。人称や方言の読みづらさも、細部のリアリティや勢いと熱量に煽られて気にならなくなった。理不尽な暴力は連鎖して、人間の理性の無力さが悲しく腹立たしいけれど、物語の結末の先には希望や光を感じた。

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    2026年02月24日
  • 月ぬ走いや、馬ぬ走い

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    著者の頭の中から伝えたいことがドバドバと溢れ出しているかのような個性的な文章表現から、沖縄の人たちが背負ってきた痛みや苦しみが伝わってきた。
    綺麗で整った文章からは伝わってこない、温度がこもっていたんだと思う。

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    2026年02月11日