豊永浩平のレビュー一覧

  • 月ぬ走いや、馬ぬ走い

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    筆力、構成力は目を見張るものがある。古い言葉の使い方も見事で、よく勉強してあるのだろうことが察せられる。
    語り手をバトンタッチさせながら今と過去を繋ぐ、重厚な群像劇。関係のなさそうな語りが読み進めていくうちに線で繋がり、本の中で不思議な模様になる。円城塔さんを思わせる作風で、ただ最初のフックが弱く、最後と繋がってもカタルシスは感じなかった。ドラマが重すぎるから、対比として軽くしているのかも知れないけども…。

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    2024年10月24日
  • 月ぬ走いや、馬ぬ走い

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    読みにくい。けど、文字を拾い始めると止まらない。
    色々思うことがあるのだけど、とにかく著者の中に何人いるんだろうと思うくらい、各登場人物が確立されている。
    特に、ケンドリックの妻と、愛依子とヤリたい男の子との差がすごく、これ同じ人が書いてるんだよな…?となった。

    途中まで単話の様に捉えて読んでいたけど、登場人物たちがみんな何かしらの形で繋がっていることに気づく。沖縄のみならず、私たちが今生きているのは、先人たちの命のおかげで、今が地続きであると思い知らされる。
    沖縄の文化的で先祖や周りを大切にするあたたかさ、逆に言うと、閉塞感もあり誰かが誰かの知り合いである世間の狭さ、みたいなのも感じた。

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    2024年09月18日
  • 月ぬ走いや、馬ぬ走い

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    ネタバレ

    こんなのあり?
    この作家、一体人生何周目?

    本を読むより先に、著者の情報を知ってしまったがために思ったこと。
    この人は人生何周目でこの本を書いたのだろうか。まるで本人が経験したことかのように、それぞれの世代の話、会話が書かれる。

    決して読んでいて気持ち良い内容ではない。
    それは目を逸らしたくなる、ダークサイドだから。
    世間が思う、るるぶの沖縄ではない。
    きらきらしていない日々の暮らし。
    沖縄という土地、リゾート地観光地とは正反対の顔を見せる。

    ニュースで知る沖縄。
    そんなこと、どうしておこるの?
    本書では明らか描かれてはいないけれど、これはあの時代の出来事、これはあの事件などの話を元に書

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    2024年09月08日
  • 月ぬ走いや、馬ぬ走い

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    沖縄の現在と敗戦時など過去が言葉のバトンリレーのような形で切れ目なく続いていく.登場人物もゆるく繋がって,過去も現在も重苦しい閉塞感があり,そこかしこに亡霊たちが顔を覗かせる.沖縄の言葉,独特の文体,読みにくかったが読み応えのある1冊.

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    2024年08月23日
  • 月ぬ走いや、馬ぬ走い

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    ナラティブの力を感じる、久々に純文学然としたお話を読んだという満足感。そこに戻ってきたことに驚いて、まあそのお陰で理解しやすくもなり読後感意外に爽やかだけどその分スケールダウンした感も否めない。

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    2024年08月21日
  • 月ぬ走いや、馬ぬ走い

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    ネタバレ

    少し変わった構成というか、場面の切り替わりが独特だったが、それは物語への没入感を害さないどころか、さらにこちらを物語に引き込む。
    現代の歪みを、沖縄を舞台に、縦断横断的でありながら、一人ひとりの物語として重厚にこのページ数で描き切ったという印象を持った。
    芥川賞受賞作だと言われて手渡されていたとしても、なんの違和感もなかったと思う。

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    2024年08月16日
  • 月ぬ走いや、馬ぬ走い

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    どっかで「スゴイ!」と聞いて
    注文してまで買った本
    ウキウキ開いてみたら
    改行が全くなくてなにこれ読みにく!
    ってしばらく放置

    いい加減読むか…と気合い入れたら
    全く気にならずにじゃぶじゃぶ読めた

    過去と現在をいったりきたりしながら
    だんだんそれが
    現在の1点に向かってきて
    あ、これは歴史だって感じた
    現在より過去を綴ってる時のほうが
    命とか生きてるが濃くて
    じゃあ現在が薄いかっていうと
    方向が違う感じで
    そのコントラストが鮮やかだった

    星は4つにするか迷ったけど3つ
    3つの中では最高かな




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    2025年05月21日
  • 月ぬ走いや、馬ぬ走い

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    ネタバレ

    絶賛されてるけど,私には難しく。確かに,淡々と沖縄戦が語られるよりは,感じ入ることができるのかもしれないが。古い人間なんだろうな。

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    2025年01月20日
  • 月ぬ走いや、馬ぬ走い

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    作中の文章は著者の言葉というよりは膨大な歴史的文学的知識の中から選び抜いた言葉を繋ぎつつ、沖縄の歴史と現代にも続く問題を描いたという感じ。
    10-20代前半くらいに読んだらかなりはまったかもしれない。良い意味での厨二病的作品。

    著者の精神が健康でいられることを願いたくなる。もし自分にこんな才能があったら、思考と言葉の波に飲まれて生きるのが辛くなりそう。

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    2024年11月24日
  • 月ぬ走いや、馬ぬ走い

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    分からない漢字や言葉を調べながら読んだので、時間がかかったけどなんとか読破できた!

    沖縄の方言や難しい漢字、逆に平仮名ばかりなどで、私にとっては読みずらさのある小説でした。ただ、読むのやめた!とはならず、最後まで読めた!私は数回読まないと人物関係が把握できないと思う。

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    2024年11月16日
  • 月ぬ走いや、馬ぬ走い

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    色々な立場、環境、時代の人が交代ずつ日記を読んでいるような感覚で今までに自分は読んだことないような書かれ方をしていた。内容として沖縄の問題や歴史が実体験のような感覚で読むことが出来る。

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    2024年10月25日