月ぬ走いや、馬ぬ走い

月ぬ走いや、馬ぬ走い

1,562円 (税込)

7pt

第67回群像新人文学賞受賞!新たな戦争の時代に現れた圧倒的才能!21歳の現役大学生、衝撃のデビュー作。
先祖の魂が還ってくる盆の中日、幼い少年と少女の前に、78年前に死んだ日本兵の亡霊が現れる――。時空を超えて紡がれる圧巻の「語り」が、歴史と現在を接続する!

島尾敏雄ほか先人のエコーを随所に響かせながら、沖縄に深く堆積したコトバの地層を掘り返し、数世代にわたる性と暴力の営みを、『フィネガンズ・ウェイク』的な猥雑さで、書きつけた作品。Z世代のパワフルな語部の登場を歓迎する。
―― 島田雅彦

十四章の構成で沖縄の近現代史を描き切る、しかも連関と連鎖、いわば「ご先祖大集合、ただし無縁者も多い」的な賑わいとともに描き切る、という意図はものになった、と私には感じられた。/この小説はほぼ全篇、ある意味では作者自身のものではない言葉で綴られていて、だからこそ憑依的な文体を自走させている。つまり、欠点は「長所」なのだ、と私は強弁しうる。要するにこの「月ぬ走いや、馬ぬ走い」は小さな巨篇なのだ。
―― 古川日出男

「読んだものを茫然とさせ、彼のいままでを氷づけにし、そのうえで、読むことをとおしてあたらしい魂を宿らせる、そんな小説でありたい……テクストでの魂込め(まぶいぐみ)とでも呼ぶべきところが、ぼくの目標です。」豊永浩平(受賞のことば)

ぼくがここにいて、そしてここはどんな場所で、なによりここでぼくはこうして生きてきた、ってことを歌って欲しいんだ、ほとばしるバースはライク・ア・黄金言葉(くがにくとぅば)、おれらは敗者なんかじゃねえぞ刻まれてんのさこの胸に命こそ宝(ぬちどぅたから)のことばが、月ぬ走いや、馬ぬ走いさ!

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  • カテゴリ
    小説・文芸
  • ジャンル
    小説 / 国内小説
  • 出版社
    講談社
  • ページ数
    160ページ
  • 電子版発売日
    2024年07月10日
  • コンテンツ形式
    EPUB
  • サイズ(目安)
    1MB

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月ぬ走いや、馬ぬ走い のユーザーレビュー

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感情タグBEST3

    Posted by ブクログ

    「月ぬ走いや、馬ぬ走い」(豊永浩平)を読んだ。

    〈ちちぬはいや、うんまぬはい〉

    かつての沖縄から現在の沖縄までのリアルな痛み苦しみ悲しみを突きつけられる胸が潰れそうな読書体験なのである。
    だけど豊永浩平さんのこの先の沖縄への想いがこもったラストが素晴らしいな。

    二○○三年生まれって、マジか。

    0
    2025年07月19日

    Posted by ブクログ

    自分の苦手なザ・文学だったけど(いわゆる芥川賞ノミネート作品系)、自然と引き込まれていく内容と構成だった。
    時代もシチュエーションも目線も時代をジャンプしていったり来たりするなかで、それでもつながる一本の線。その根底というか背景に横たわるのはあの戦争の記憶と惨禍。直接的な被害も間接的な被害も、そこか

    0
    2025年06月09日

    Posted by ブクログ

    時代を超えた14人が物語る、それぞれの沖縄の物語。形式(文体)が内容を形作るのか、内容が形式を形作るのか、議論されて久しいが、この本はそうした議論を一蹴する力強さをもっている。21歳かつデビュー作でこれだけの文体を使い分けることに戦慄を覚えるし、沖縄という土地に根ざした様々な問題が文学として描かれて

    0
    2025年03月22日

    Posted by ブクログ

    圧倒された。その実験的手法が本作のテーマにがっちりはまっている。沖縄に対する自分の無知も突きつけられた。

    0
    2025年02月15日

    Posted by ブクログ

    めちゃくちゃよかった。最初の方は難しい本なのかなと思ってたけど、それぞれ語られた言葉がすっと心に入っていく。沖縄の戦中、戦後、そして現在へ。生きてきた者たちのありのままの言葉。

    0
    2025年02月14日

    Posted by ブクログ

    話が進むに連れて登場人物が徐々に繋がっていくのが面白くて、途中から読む手が止まりませんでした。一度読んだだけでは登場人物たちの関係をしっかり把握することは出来なかったので、また読み返してみたいと思います。
    「月ぬ走いや、馬ぬ走い」の言葉を忘れずに、これから先の人生を生きていきたいと思いました。

    0
    2024年10月20日

    Posted by ブクログ

    恐ろしいほどの才能を読んでしまった

    著者わずか21歳、沖縄での大戦とZ世代を往来するパラレルワールド

    ウイリアムバロウズのカットアップ手法を彷彿とさせるぶっ飛んだ文体

    それは、ドアーズからカートコバーン、AWITCHまでを飲み込む圧倒的なバースのセンスと、有無を言わさぬレペゼンうちなーぐちの完

    0
    2024年09月30日

    Posted by ブクログ

    またものすごい新人登場。
    作者がどんな人物なのか知りたくなる
    ほどの傑作。
    今年読んだ中でNo.1。前回の芥川賞の候補にあがらなかったのはなぜ?少し遅かった?芥川賞はこれでしょう。

    章の最後を数珠繋ぎにすることで、世界の連環を示唆し空間と時間を自由に行き来する。
    このアイデア!
    沖縄が舞台なのが、

    0
    2024年09月20日

    Posted by ブクログ

    新人賞の作品とは思えなかった。すごい作品だ。沖縄という土地の血と汗と光が溢れている。そして、私の先祖が沖縄にあることも相俟って、非常にこう、没入して読んでしまった。これからの作品もとても楽しみ

    0
    2024年08月31日

    Posted by ブクログ

     古川日出男の小説を思わせるドライブ感で沖縄の近現代を生きた名も無き人々の声を召喚してみせた作品。一つのエピソードの脇役が別のエピソードの主役になっていく展開など構成上の工夫も見事だが、本作が切り出してきた「現場」のアクチュアリティには感心させられた。沖縄戦の時代から始まり、朝鮮戦争、ベトナム戦争、

    0
    2024年08月30日

月ぬ走いや、馬ぬ走い の詳細情報

  • カテゴリ
    小説・文芸
  • ジャンル
    小説 / 国内小説
  • 出版社
    講談社
  • ページ数
    160ページ
  • 電子版発売日
    2024年07月10日
  • コンテンツ形式
    EPUB
  • サイズ(目安)
    1MB

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