楊逸のレビュー一覧

  • 時が滲む朝
    読書開始日:2021年10月5日
    読書終了日:2021年10月7日
    所感
    読みやすく、かつ面白く、好きな作品。
    大学生活とその後の生活で大きく2つに分かれる。
    学生運動や中国の政治について無知な自分にとって、勉強になることばかりであった。
    学生時代を思い返すと、「血より濃いもので、まるで火を噴く油」...続きを読む
  • 中国の暴虐
    南モンゴル出身の楊海英教授、ハルビン出身で芥川賞作家の楊逸、櫻井よしこの中国の覇権主義に関する鼎談。
    モンゴル、チベット、ウィグルでの残虐なジェノサイド、オーストラリアでのサイレントインヴェジョン(中国人富豪の政治家、大学への多額な資金提供による親中国派拡大策)
    中国政府は大学関係者を、自由で解放的...続きを読む
  • わが敵「習近平」 中国共産党の「大罪」を許さない
    前半、ソースがよくわからない「だそうです」という話が多かったのが難点。
    しかし
    「だそうです」な話も、おそらく事実なのだろうな…と思わせる記述が続いていく。
    隣国がこんななのに…
    ただただ怖い。
  • 時が滲む朝
    第139回芥川賞受賞作品(2008年)。
    1988年の中国民主化運動に参加した主人公・浩遠と相棒の志強が辿った高揚と挫折と再生の物語。
    学生として参加した民主化運動と結果としての天安門事件。そして、全てが無に帰してもなおこだわり続ける民主化への想いに反して、経済大国化への道へ舵を切った中国。見切りを...続きを読む
  • 時が滲む朝
    天安門事件から二十数年が、経過。マスコミに取り上げられた革命家たちは、海外に亡命。しかし、そうではない名もなき革命家、民主化運動に参加した学生たちは、今、どうしているのか・・・。また、彼らが今のロシア、民主化された東欧諸国をどのように見つめているのか・・・。考えさせられる1冊。
  • 陽だまり幻想曲
    楊逸さん、読むほどにすきになる。もうゾッコン!
    この本には二編の小説があり、どちらもコメディタッチ。
    私は本のタイトルでない方の「ピラミッドの憂鬱」の方が
    すきかな。中国人留学生の暮らしぶりっていうのが興味深くて。
    事物以外にも感覚的に「へ〜え」っていうのが多くて。
    登場人物もみな人間味あって。(コ...続きを読む
  • 時が滲む朝
    一日で読んでしまいました。久しぶりに、心に感じ入るものがある小説でした。作者の気持ちが籠もった渾身の一作です。
  • 時が滲む朝
    中国人の視点による天安門事件。
    若い時しか出来ないことがあるんだなぁ・・・ジーっとそれだけを見つめることが出来る年齢というのは、愛おしい。
  • 時が滲む朝
    いい小説に出会った。主人公の浩遠がどうにもせつない。何事にも屈託なく飛び込んでいける友に対する引け目のようなもの、好意を抱いた相手がその友と仲を深めていくのを見ていなければいけないこと、何かを求めながらちっぽけな毎日で精一杯なこと……。そうでいながらも、学業に対して、国に対して、これほど熱い思いを抱...続きを読む
  • 暴虐国家 習近平の中国
    第一章冒頭の櫻井氏の「中国は世界で最も罪深い"悪逆国家"のひとつ。二十一世紀のいま、どこから見ても許されざる異民族の弾圧や虐殺を続けている。チベット人にもモンゴル人にもおぞましい弾圧を加えてきた。いま、とりわけ国際社会の避難が集中しているのがウィグル人への弾圧だ」との発言で始まる本書は「悪逆国家」た...続きを読む
  • 時が滲む朝
    日本に亡命、在住し芥川賞を獲得した中国生まれの著者による1989年の天安門事件を背景とした青春物語。地方都市の大学1年で主人公の梁浩遠と親友・謝志強は若手のキラキラ輝く甘凌洲教授の指導のもと、愛国心に燃えて民主化運動に参加した。白英露という積極的な女子学生にも出会う。しかし、民主化の期待は裏切られ、...続きを読む
  • ワンちゃん
    『ワンちゃん』『老処女』の2作品。両方とも、日本に来た中国人女性の話。
    『老処女』の主人公が1961年生まれなので今から10年くらい前の話でしょうか。
    『ワンちゃん』は、中国では洋服屋を営んだりデザイナーの仕事をするが稼ぎは元夫に持っていかれてしまう。一念発起し日本へ来て日本人男性と結婚し中国人女性...続きを読む
  • 時が滲む朝
    天安門事件前後のお話。自分も生きていた時代の歴史なので、登場人物や時代背景を自らの若いころと照らし合わせながら読むことができた。作者の母語が日本語ではないということだが、不自然さはなく、情景を思い浮かべることができた。中国の歴史に興味がないと読みにくいかも。
  • わが敵「習近平」 中国共産党の「大罪」を許さない
    芥川賞受賞の中国人作家、楊逸が自分の経験と調査から記した中国の実情。
    中国で生まれ、日本に帰化するまで生活をしていた作家だけに信憑性はあるのだろう。
    「なんでもありなんだ」と暗い気持ちになる。
    実際、今行われているオリンピックでも、政府要人派遣を避けた国には意味不明なペナルティを出している。BGYが...続きを読む
  • わが敵「習近平」 中国共産党の「大罪」を許さない
    現実レベルでこの作家はいつ共産党に囚われられても不思議はない。そんな危険を冒しても書き綴った作家の共産党への怨みと同胞への愛情を感じる一冊。
  • 時が滲む朝
    浩遠と親友の志強は、希望に満ち学問に打ち込んでいた大学生活から民主化運動にのめり込んでいき、傷害罪で退学処分となる。
    夢見ていた未来とは違う道を模索しながら生きていく日々が描かれている。
    エネルギーを持て余した若者が熱に浮かされて突っ走ってしまったようで、せつない。
    彼らを突き動かした「祖国への愛」...続きを読む
  • 中国の暴虐
    中国によるウイグル、モンゴル問題などを櫻井よしこさん、楊逸さん、楊海英さんの3名が対談形式で語った一冊。清水ともみさんの「命がけの証言」を読んだことで中国ウイグル問題について理解を深めたく購入したが、かなり濃い内容で満足。中国共産党の内部事情とか、早稲田大学が日本の中国人留学生に乗っ取られるとか、結...続きを読む
  • わが敵「習近平」 中国共産党の「大罪」を許さない
    中国出身の芥川賞作家による習近平、というよりは文化大革命以来の腐敗まみれ・権力闘争第一の中国共産党の大ディスリ本。まあ少し妄想の部分もあるが、さもありなんという意味で読む価値のある本。故国を想う気持ちと、民主国家への体制変革を望むが到底無理だろうという諦念の気持ちヒシヒシと伝わってくる。実力がある分...続きを読む
  • 時が滲む朝
    まず、中国の大学生活の様子や日常生活の描写に引き込まれた。ムンファンやシャンフェイも農村出身で大学を卒業したこともあって、なんとなく二人を連想して読んでいた。特に英露の小柄でかつしゃんとしていて、逞しさをもつ姿にはシャンフェイが重なって見えた。
    中国の民主化を目指す学生運動、政治運動が物語の核にあっ...続きを読む
  • ワンちゃん
    日本語を母国語としない人が書いた、芥川賞を取った、その2つの知識だけで読み始めた。読み終わって感じるのは、現代の流れの中で「幸せ」を求めて生きる女性の、強さと弱さ。日本に生きる中国人の女性の目線というのは新鮮だった。
    中国と日本のギャップより、そんなものは些細な話で、もつと女性と男性、世代間の違い、...続きを読む