ジェシカ・ノーデルのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
原文はわからないけれど翻訳者も難しい言葉を使わずわかりやすく内容を伝えてくれているし、読みやすい本だと感じた。
偏見を取り扱う本でよく気になってしまうのが、著書にもバイアスがあり、それが内容に影響しているということなのだけど、自身が持つバイアスに目を向けて語っている章もあり、信頼して読み切ることができた。
たくさんの実践、実験を例に挙げてその分析も充実していて、頭がパンパンになりました。差別が多いと思うが みたいな根拠のない主観を排除して内容を充実させる姿勢を感じました。
簡単に読めるように書いてくれているけど、偏見や差別に向き合えなかったら耳が痛いし、分厚さも根気強く読まなければ突破できない本でした。
それでもみんなによんでほしい おもしろい -
Posted by ブクログ
ネタバレ無意識のバイアスを克服する
: 個人・組織・社会を変えるアプローチ
【目次】
PART Ⅰ バイアスを理解する
第1章 バイアスの追跡者
第2章 脳は違いをどう見るか
第3章 微小なバイアスの重大な帰結
PART Ⅱ 思考を書き換える
第4章 習慣を断ち切る
第5章 生死を分ける瞬間
第6章 ロス市警のジグソーパズル
PART Ⅲ 新たな場所にとどまる
第7章 不完全な人間のためのデザイン
第8章 多様性の存在証明
第9章 インクルーシブな環境をつくる
第10章 社会の傷を修復する
竹蔵はできる限りステレオタイプな人の判断はしないように心がけていますが、それでも意識しない間に様々なバイアスによってゆがんだ目で他の人を認識してしまっていることに気づくことがあります。
この本は、男女間、人種間、性的指向、国などで起きている偏見や差別を様々な実例をもとに解説し、その対処方法を提案しています。
人の脳は外界をカテゴライズし、自分と同じカテゴリーを好み優先するという本能を持っており、この本能に逆らうことが如何に難しいかをわかり易く説明しています。そして、こういった本能を持った人が作る社会や仕組みが如何にバイアスに満ちたものかに関しても教えてくれます。それに対処することは非常に難しいと知りながら、有効と思われる取り組みとして、認知行動療法やマインドフルネスがあり、正しくコーディネイトされお互いの学びを伴ったダイバーシティ研修や子供たちへの接し方をあげています。
これらの対処方法は決して万能ではありませんが、一人一人がバイアスを意識してそれを排除しようとした時の心強いツールとなるようです。
差別を拡散・増幅してしまうツールとしてTwitterが挙げられていますが、Twitterの幹部は自分たちが非差別的な経験をしていなかったためツールの設計時にどのように好ましくない情報が拡散・増幅してしまうかに対処する方法をビルドインしていなかったというはなしはさもありなんと思わされるものでした。
謙虚に自分はゆがんだ眼鏡を通して外界を見ており、その歪みを自覚することが最初に一歩になる。
そんなことを心に刻むことができた良書でした。
竹蔵 -
Posted by ブクログ
・本書は、周辺化された人々が手にとっても、権威の中心にいる人々が手にとっても違和感なく読める、とおもう。
せっかくなら、「無意識に差別をするすべての人たち」がこれを読んでくれ、という気持ちと、「そういう人」はこれを読んでも自省に結びつけたりはしないんだよな(これは偏見)という諦観を抱きながら読んだ。
・取り組みの例、どれも胸にぐっとくる。警察とギャング街の例、MITの例などは、泣けてくる。
・本書で挙げられるバイアスの例のどれか一つくらい、誰しも晒されているのではないか。それくらい多様な、隅々までの例が挙げられていた。どれもこれも身に覚えすぎて、納得せざるを得ない。
加えて、あらゆる解決方法が提案され、実際に効果があると言われれば ああ世の中は、人は、変えられるのかという希望でもある。
そこへ至るまでの犠牲が多すぎるのがかなしい。
・自分は日本で暮らしていて、50〜60代日本人男性の価値観が世の中を占めて感じる。日常生活でその属性の人との触れ合いはゼロに近いのに、不思議だ。他のひとも同じ感覚なんだろうか。他の国ではどうなんだろう。
・バイアスを克服するのは難しい。
“日本人的”でない容姿の方を街で見たら、観光客かな?と思う。スマホを見て辺りをキョロキョロしていれば、初めて日本に来て 迷子なのかな、助けるべきかな、この人は英語を話せそう、この人は中国語なら通じるだろうか、容姿だけでそんな想像をする。そもそも日本に生まれ育って、助けなんて要らない人かもしれないのに。
たいそう平和ボケした例だが、本質的には同じバイアスで、わかっているつもりでも抜け出せない。脳が勝手に見つけてしまう。
・本書は読者のバイアスを責めず、ただそれを自覚して、変わっていこうと背中を押してくれる。がんばろう。
・ここからは、本書の主題を離れる。SNSの話。
これを読んでいる2023年7月は、Twitter社を買収したイーロン・マスク氏の活発な変革活動が巷を賑わしている。とうとうブランド名も鳥アイコンも撤回、というところまできた。
それを横目に眺めながら、何の根拠もないが、「いまのTwitterの在り方はまあ異常だから、マスク氏がそれを変えたくて色々やってるなら支持したいな」と妄想していた。異常、というのは 現実世界のような多様性が削がれて、見たいものだけが集まって増幅していく点である。
これがゲームだったら「ゲームの世界に没頭する」のは悪いことではないが、SNSという、現実の写し鏡のフリをした存在が 閉じた環境になっていくのは、なんかヘンよね、という感覚。フィルターバブルよりもっともっと気がつきにくく、危うい。
そこへ本書を読んでいたら、Twitterの設立背景が出てきて、タイムリーだ、と思いながら読んだ。そもそものデザイン時点で、世の中の多様性を取り込むようになっていなかったんだな(世の中が多様であると気づけるチームでさえなかった)
なお、自分はそもそもは Twitter大好き人間 であり、その起源やそれを支えてきた人々を批判する意図はないです。人間の営みはトライアンドエラーだし、当時はこんな規模になると思って作ったわけでもなかろうし。今のポジションに合わせて変わる必要があるかもね、という話。
マスク氏が、我々にむりやり全く知らん人間のおすすめツイートを見せてきたり、大量の広告を見せてくるのに対して、最初は本当にムカムカしていた。しかし、次第に 現実世界と並べるなら、それが正常か…と思うようになった。
本書を読んで、それらの考えが補強された。SNSで追い詰められてしまう人は減ってほしい。そのためなら、幾らでも変わっていきたい。