清原達郎のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
市場は時に冷たく、でもそこにただよう確かな温度もある。
清原達郎の『わが投資術 市場は誰に微笑むか』は、計算された数値の世界に身を沈める日々の中で、その細部に宿る異様な執着と狂気を感じさせる。適正PERやネットキャッシュ比率を丹念に追う様子は、まるで夜の静寂にこだまする独り言のように刺さる。逆張りを貫く孤独な覚悟には共感できるが、専門用語が並ぶページには何度も心が折れそうに。とはいえ、その難解さが逆に、市場を深く知りたいなら避けて通れぬ異境だと教えてくれる。投資を生活の一部とする人間のリアルな葛藤と理論の狭間が絶妙で、読みながら自分の不完全さにも目を向けてしまった。そこがこの本の面白さだと思う -
Posted by ブクログ
長者番付第1位にもなった著名な投資家(タワーK1ファンド経営者)による経験談。完全に理解できたわけではないが、今まで行ってきた投資の成功、失敗についてかなり深く述べているように思う。とても勉強になった。
「ハードルレートとは成功報酬をもらうためには最低このぐらい儲けてくれよ、という基準です。我々のファンドのハードルレートは3%でした。運用フィーが1%かかるので4%以上儲けないと成功報酬はゼロです」p3
「大勢と同じ考えやポジションを持っていると間違ったときに大損しやすく、少数派の考えやポジションであれば間違っても損失が少ない」p18
「とにかく値上がりした株はできるだけ買うのを避けるのが私 -
Posted by ブクログ
★コントラリアンの尋常ならざる気迫★長者番付トップで名前を見て以降、どんな人なのだろうとずっと思っていた。比較的軽いタッチで書いているが、逆張りを徹底できる激烈な人であることは透けて見える。ファンドの基準価格の上げ下げ、そして自分の金融資産をほぼすべてつぎ込んでいること(確かにそうしたファンドでなければ信用できない)に耐えられるのも、もちろん並の神経ではない。
株式投資で小型割安成長株に投資すれば、自分の判断が間違っていたからといって損をするとは限らないし、正しかったもうかるとは限らない、ということを冒頭に持ってくる。なるほど。
PERで単純に割安を判断することに感じていたモヤモヤ(資本と -
購入済み
経験者でも十分に役立ちます
経験と言っても、気に入った企業へ投資している程度ですが。
某ネット通販で売上1位と新聞広告にあり取り寄せました。
「どうして値上げして高くなったものに群がるんだろう」 清原氏のスタイルはその真逆、安く注目されていない銘柄を集めます。その方法は本書にて。
失敗談も赤裸々に語り、全く偉ぶってない書き方も好感が持てました。 -
Posted by ブクログ
伝説の投資家の清原さんの著作。
野村證券時代の豪快なエピソード、投資顧問会社での経験、割安成長小型株の優位性、確かな投資哲学、品性とユーモアがギリギリ調和しているキャラクターの印象を持ちました。
特にネットキャッシュ比率と言う概念を知れたのは良かったです。
※簡単に言うと流動資産と有価証券(に一定の比率をかけたもの)から負債を引いた金額/時価総額で、会社を丸ごと買収したら現金がどれくらい手に入るか。イービッダーに近い概念でしょうか。
HEMさんの増配株投資と含めて小型株投資のバイブル本と呼べるでしょう。
一度ではエッセンスを完全には理解出来ない濃厚な一冊でした。折を見て読み返したいと思