スチュアート・リッチーのレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
科学研究における「再現性の危機」を枕に話は始まります。従来の宗教とは違い、わたしたちはなんとなく、「科学の無謬性」や「科学者の誠実さ」を「信じて」いる節があります。しかしこの構えは、従来の宗教に対するスタンスと変わらない、ということ。以前読んだ本では、科学の「反証可能性」について強調されていました。この検証と反証を認めるのが、科学が宗教よりも人類を遠くに連れて行ってくれる可能性を高める所以になるわけですが、科学も宗教と同じで、運用するのは我々不完全な人間です。ちゃんと勉強をしてきた科学者も、ヒトの肉体と心の働きからは自由になれません。バイアスがあり、また功名心もあります。そして食べて行くにはお
-
Posted by ブクログ
科学者の成果とも言える論文に関して、様々な不正があることを綿密に調査した本だが、小生も10本位の論文を投稿した経験からすると、意外な事実に驚いた.ある程度成果が顕在化しないと、研究資金が調達できないことは理解できるが、故意に不正な行為をすることは許されないことだと考える.早速Retraction watch databaseを見てみたが、小保方春子はしっかり掲載されていた.藤井善隆が183本もの撤回された論文を作ったのも驚きだ.最後の章に打開策をリストしているが、プレプリント、オープンアクセス、チームサイエンスなどは有効な方法だろうが、科学者自体の良心が基本だと思う.
-
Posted by ブクログ
傍目から見ると神聖で厳格な科学の世界も、人間の欺瞞に満ちている、ということがあらゆるフェーズで発生していることを示しています。
著者の深い見聞によって、歴史的事実や分析が体系的にまとめられていて、不正やこうやって起こっているんだなと勉強になりましたし理解もできました。
一方で、そうした歴史的背景や事実などを大量に並べて深堀りしているため、とにかく分量が多く、単なる事実と主張だけであれば相当コンパクトになるであろうにも関わらず、なんでこんなに同じ(ような)主張をずっと読み続ければならないのだろう…というのがとにかく大変でした。
本当に事実だけ知りたい、要点だけ知りたい人には全くの不向きで、そも -
Posted by ブクログ
心理学や社会科学では論文の研究結果の再現度はとても低い。
プライミング効果は再現できなかった。
パワーポーズ効果は再現できなかった。
スタンフォード監獄実験は再現できなかった。
社会科学の論文の研究結果は約半分は再現できなかった。
心理学の権威ある学術誌から100件の研究を選んで再現を試みたところ、再現率はわず39%だった。
統計的検定で用いられるp値とは、結果が正しい確率を示すものでも、結果の重要性を示すものではない。「あなたの仮説が正しくない世界で、純粋なノイズがあなたの結果と同じような結果や、それ以上に大きな結果をもたらす可能性はどれくらいか」という問いの答えである。
そのためほ