寮美千子のレビュー一覧

  • 空が青いから白をえらんだのです―奈良少年刑務所詩集―(新潮文庫)

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    一から読んで、また一から読み直した。
    と言うのも、奈良少年刑務所の収監者たちが書いた詩がはじめに掲載され、そのあとで著者の解説(刑務所での「社会性涵養プログラム」の講師を務めることになった経緯や、受講した収監者たちの成長過程など)が綴られていたのだ。背景をよく知った上でまた詩を読み直すと、受け止め方がまるで違ってくる…

    (P 92)「誕生日」

    小さいころは いつも手を引いてもらったのに
    いつのまにか その手を拒み 避けてきた

    「産んでくれなんて 頼んでない」
    勢い余って そう言ったとき 泣き崩れた母

    きょうは わたしの誕生日
    それは あなたが母になった誕生日

    産んでくれなんて 頼まな

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    2025年08月16日
  • 空が青いから白をえらんだのです―奈良少年刑務所詩集―(新潮文庫)

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    ケーキの切れない非行少年たちなどが流行った時期に一緒に購入した詩集ですが、難しい言葉を使わず飾り気のない素直な言葉で綴られた詩に胸を打たれます。
    キラキラひかるような繊細な日常の切り取り方をしている詩もあり、刑務所という場所でもこんな詩がかけるのかと驚きました。
    その詩が生まれた背景なども書かれていて、彼らの生きてきた環境や罪、人となりといったことを考えずにはいられません。
    家族、とりわけ、おかあさんのことが書かれているものも多く、子を持つ母としても、母が子に与える影響の大きさを考えさせられます。
    ふと、立ち返って読みたくなるときがあるので、リビングの手にとりやすい場所に並べている一冊。

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    2025年07月06日
  • 空が青いから白をえらんだのです―奈良少年刑務所詩集―(新潮文庫)

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    この、題になっているたった一行の詩。
    読み取り方は人それぞれ。でも、これを書いた少年のこと(環境や現在置かれている立場、生い立ち)を知ったら。
    この1行を書けるのは、この少年しかいない、と思う。

    いったい、青い空に浮かぶ雲を見てどれだけの人がその色の意味を考えるだろう。

    罪を犯してこんなところにいる少年たち。でも果たしてそれが罪であることを彼らは知らずに育ったんじゃないか。何が良くて何が悪いのか。
    どうして、いつもおなかがすいているのか。おかあさん、って殴るひとじゃないのか。

    決して彼らを弁護するためにこの詩集が出たわけではないし、被害者がこれを読んだらどう思うだろうか、と考えずにはいら

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    2024年10月08日
  • 空が青いから白をえらんだのです―奈良少年刑務所詩集―(新潮文庫)

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    詩はあまり得意な方ではなかったです。
    でもこの本に書いてある言葉には信じられないくらいのバックグラウンドがあると思うと、その余白にとてつもない重厚さを感じます。受刑者たちの気持ちにのまれ初めて本を読んでいて泣いてしまいました。

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    2024年06月06日
  • 名前で呼ばれたこともなかったから―奈良少年刑務所詩集―(新潮文庫)

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    奈良少年刑務所詩集第二弾
    ここにあるのは封じ込めていた愛への渇望。
    ☆愛を欲しい自分 愛を与えたい自分に 気がついたから これからは 「与えてもらえる人になるため 人に与えていきたい」って思う
    ☆刑務所の監房の扉の内側にはドアノブがありません。自分で扉を開けるということが一切ないからです。
    ☆詩の力 詩とは、心の襟を正さなければ書けない神聖な言葉。自分の魂の本質がバレてしまいそうな言葉だ。詩は心の結晶。だからこそ受け止めてもらったという実感が強くなるのでは。
    ☆根源的自信=基本的自尊感情
    ☆子どもは何を教えられたかではなく、どう接されたかから学ぶ
    ☆ぼくは 家族の愛を知らずに育った だから 家

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    2024年03月21日
  • 名前で呼ばれたこともなかったから―奈良少年刑務所詩集―(新潮文庫)

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    圧倒的に苦しい
    これを読むことが彼らを救うことに、なるのかは分からない。彼らの向こうには彼らの犯したことによる被害者もいる。

    でも彼らの絞り出した言葉を誰かれが読んで受け止める意味はあると思う
    胸が締め付けられるけど、目を逸らしちゃいけないような、そんな本

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    2024年02月19日
  • 名前で呼ばれたこともなかったから―奈良少年刑務所詩集―(新潮文庫)

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    心に鎧をまとった青少年の詩を読んで、彼らが特別な存在ではないと感じた。私も彼らと一緒。彼らは私と一緒。
    人とのつながり、愛を求めている。ただそれだけなのだ。

    人は、本音を吐いてくれると心の距離が縮まったと感じる。人が本音を吐くには相手が安心できる相手かどうか見定めなければならない。心を閉ざしている人は、本音を吐く経験が無かったのだ。だから本音を吐露できずに、心のモヤモヤを解消できずに閉塞感に苛まれて、生きづらさを感じてしまう。彼らにも、私にも安心できる居場所、存在が早く見つかるといいな。

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    2024年02月11日
  • 名前で呼ばれたこともなかったから―奈良少年刑務所詩集―(新潮文庫)

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    奈良少年刑務所の社会性涵養プログラムの中で紡がれた、少年たちの詩集。

    言葉として表現されたものの向こう側にある情景を想像して、胸が締め付けられます。

    罪を犯すことのない人生を、彼らが選べていたのなら。

    少年たちの置かれていた過酷な現実が詩の向こう側に浮かび、言葉にならない悲しみを感じます。

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    2024年02月06日
  • 空が青いから白をえらんだのです―奈良少年刑務所詩集―(新潮文庫)

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    自分の将来の夢を明確にしてくれた本。
    号泣。自分と重なる所もあって共感したり、自分でも気づいたなかった自分の気持ちが少しわかった気がする。
    本来救われる立場の人間が犯罪者になるこの世の中に嫌悪感。誰もが幸せな世界になればいいのに

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    2024年01月15日
  • 空が青いから白をえらんだのです―奈良少年刑務所詩集―(新潮文庫)

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    私は1番最初の詩が好きで心に残りました。自分の苦しみを友達にも分かってもらえる嬉しさが伝わって来ました。

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    2023年06月18日
  • 空が青いから白をえらんだのです―奈良少年刑務所詩集―(新潮文庫)

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    彼らがこの世に生を受けた瞬間は真っ白で真っ直ぐな赤子。真っ直ぐさを歪めてしまうのは社会や家庭だ。少年たちは少しの場づくりや、他人からの肯定によりその真っ直ぐさを取り戻していく。そして、これ以上の被害者を出さないために、少年自身のほかに彼らを取り巻く社会や家庭側も変わる必要がある。

    涵養プログラムを通して、真っ直ぐさを取り戻し、幼児のような純粋な詩を書く少年たち。バックグラウンドを思うと、胸が苦しくもなり、可能性や伸びしろが眩しくもある。

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    2023年06月15日
  • 空が青いから白をえらんだのです―奈良少年刑務所詩集―(新潮文庫)

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    奈良少年刑務所は、一度見に行ったことがある。
    それはそれは素晴らしい門構えで、
    刑務所と言われなければ歴史的建造物にしか
    見えない美しさ。

    その刑務所の中で過ごす700名あまりの
    青少年たち。
    罪を起こしたことは、被害者の方たちを思うと
    決して許されることではない。
    しかし、そんな加害者たちの育った家庭環境や社会は複雑で、
    罪を犯した彼らだけのせいではないことを改めて
    考えなければならない。

    だって、やっていいことといけないことの分別は
    分かるはずだから。
    分からなかった理由は、必ずあるはずだ。
    そこをちゃんと考えて大人や仲間が寄り添ってあげることが彼らには必要なんだ。
    社会性涵養プログラ

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    2023年05月07日
  • 空が青いから白をえらんだのです―奈良少年刑務所詩集―(新潮文庫)

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    同じテーマで違う切り口の本があるので、続けて読むと感動が薄れるところはあるものの、やはり心の深い所を揺さぶられる本だった。解説のない詩は背景を色々想像してしまう。
    自分の気持ちを言葉に変えるという作業が、詩という媒体を使ってこんなにも効果があるというのに(効果を出すためにはここの教官のように背景を知り待つということが不可欠で、チームメイトの実直な感想も大きいとはいえ)、今の国語教育はあまり文を書かせない。小学生のころ灰谷健次郎を読んでいたから、もっと詩が心の更正に利用されているかと思ったけど、実際の教育現場ではそんなことなかったです。読書や作文は効果を計りにくいからかな~。
    重大な犯罪者が収監

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    2023年04月19日
  • 空が青いから白をえらんだのです―奈良少年刑務所詩集―(新潮文庫)

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    ☆くも 空が青いから白を選んだのです
    ☆言い訳にするな あの日 あの一歩を踏み出さなかったことを いまをがんばらない言い訳にするな オレ これからは いまを生きていく自分でありたい
    ☆言葉 言葉は 人と人をつなぐ ひと言だけで 明るくなり ひと言だけで 暗くなる 言葉は魔法 正しく使えば たがいに楽しいし 気持ちがいいけど 間違えば 自分も相手も傷ついて 悲しくなる 言葉はむずかしい けれど 毎日使うもの 大切に使って 言葉ともっと なかよくなりたい
    ☆サンタさん ぼくは 余った子どもなんだ どこかに さみしいママがいたら ぼくがプレゼントになるから 連れて行ってよ

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    2022年10月02日
  • 空が青いから白をえらんだのです―奈良少年刑務所詩集―(新潮文庫)

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    自分の想像以上に、その人の外見や肩書きなど目につきやすいものだけで、その人がどのような人なのか決めつけてしまっていることが多いのかもしれないと感じました。

    関わらなければわからないことがあるということを常に忘れず、目の前に人と真摯に向き合っていきたいと思いました。

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    2022年03月04日
  • 空が青いから白をえらんだのです―奈良少年刑務所詩集―(新潮文庫)

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    文学のアール・ブリュット。タイトルにもなっている「空が青いから白をえらんだのです」が心に響く。

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    2022年02月28日
  • 空が青いから白をえらんだのです―奈良少年刑務所詩集―(新潮文庫)

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    奈良少年刑務所の受刑者が書いた詩集。どの詩を読んでも涙が出る。短い言葉の裏に読み取れる、その子の生い立ちや思い出。特に母への想い。

    詩のすぐ後に著者の解説があり、それを読むと更に詩の深みが増して涙。

    手元に置きたい一冊。

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    2022年09月17日
  • 名前で呼ばれたこともなかったから―奈良少年刑務所詩集―(新潮文庫)

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    詩の形は自由だ・・・
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    感じたこと


    屋根のあるところで眠れる
    ご飯が食べられる
    お風呂にも入れる
    それは ありがたいこと

    凶悪な罪を犯した 少年の
    狡猾な心を育てた ネグレクト
    そんな不安 詩で吐き出して エスケープを

    痛切な 叫びを聴いて
    虐待を ひいては犯罪を なくしたい
    そんな理想論を 語っている

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    2025年08月18日
  • 空が青いから白をえらんだのです―奈良少年刑務所詩集―(新潮文庫)

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    受刑者たちの授業をもった著者が、授業で彼らが書いた詩をエピソードとともに解説している。
    心のうちを言葉にすることの大切さが伝わる。

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    2025年07月28日
  • 空が青いから白をえらんだのです―奈良少年刑務所詩集―(新潮文庫)

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    奈良刑務所の更生プログラム「詩」によって
    紡がれた少年院たちの子供たちの詩集。

    無垢な言葉、素直な言葉が心に刺さります。

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    2025年06月15日