寮美千子のレビュー一覧

  • 名前で呼ばれたこともなかったから―奈良少年刑務所詩集―(新潮文庫)
    奈良少年刑務所詩集第二弾
    ここにあるのは封じ込めていた愛への渇望。
    ☆愛を欲しい自分 愛を与えたい自分に 気がついたから これからは 「与えてもらえる人になるため 人に与えていきたい」って思う
    ☆刑務所の監房の扉の内側にはドアノブがありません。自分で扉を開けるということが一切ないからです。
    ☆詩の力...続きを読む
  • 名前で呼ばれたこともなかったから―奈良少年刑務所詩集―(新潮文庫)
    圧倒的に苦しい
    これを読むことが彼らを救うことに、なるのかは分からない。彼らの向こうには彼らの犯したことによる被害者もいる。

    でも彼らの絞り出した言葉を誰かれが読んで受け止める意味はあると思う
    胸が締め付けられるけど、目を逸らしちゃいけないような、そんな本
  • 名前で呼ばれたこともなかったから―奈良少年刑務所詩集―(新潮文庫)
    心に鎧をまとった青少年の詩を読んで、彼らが特別な存在ではないと感じた。私も彼らと一緒。彼らは私と一緒。
    人とのつながり、愛を求めている。ただそれだけなのだ。

    人は、本音を吐いてくれると心の距離が縮まったと感じる。人が本音を吐くには相手が安心できる相手かどうか見定めなければならない。心を閉ざしている...続きを読む
  • 名前で呼ばれたこともなかったから―奈良少年刑務所詩集―(新潮文庫)
    奈良少年刑務所の社会性涵養プログラムの中で紡がれた、少年たちの詩集。

    言葉として表現されたものの向こう側にある情景を想像して、胸が締め付けられます。

    罪を犯すことのない人生を、彼らが選べていたのなら。

    少年たちの置かれていた過酷な現実が詩の向こう側に浮かび、言葉にならない悲しみを感じます。
  • 空が青いから白をえらんだのです―奈良少年刑務所詩集―(新潮文庫)
    自分の将来の夢を明確にしてくれた本。
    号泣。自分と重なる所もあって共感したり、自分でも気づいたなかった自分の気持ちが少しわかった気がする。
    本来救われる立場の人間が犯罪者になるこの世の中に嫌悪感。誰もが幸せな世界になればいいのに
  • 空が青いから白をえらんだのです―奈良少年刑務所詩集―(新潮文庫)
    私は1番最初の詩が好きで心に残りました。自分の苦しみを友達にも分かってもらえる嬉しさが伝わって来ました。
  • 空が青いから白をえらんだのです―奈良少年刑務所詩集―(新潮文庫)
    彼らがこの世に生を受けた瞬間は真っ白で真っ直ぐな赤子。真っ直ぐさを歪めてしまうのは社会や家庭だ。少年たちは少しの場づくりや、他人からの肯定によりその真っ直ぐさを取り戻していく。そして、これ以上の被害者を出さないために、少年自身のほかに彼らを取り巻く社会や家庭側も変わる必要がある。

    涵養プログラムを...続きを読む
  • 空が青いから白をえらんだのです―奈良少年刑務所詩集―(新潮文庫)
    奈良少年刑務所は、一度見に行ったことがある。
    それはそれは素晴らしい門構えで、
    刑務所と言われなければ歴史的建造物にしか
    見えない美しさ。

    その刑務所の中で過ごす700名あまりの
    青少年たち。
    罪を起こしたことは、被害者の方たちを思うと
    決して許されることではない。
    しかし、そんな加害者たちの育っ...続きを読む
  • 空が青いから白をえらんだのです―奈良少年刑務所詩集―(新潮文庫)
    同じテーマで違う切り口の本があるので、続けて読むと感動が薄れるところはあるものの、やはり心の深い所を揺さぶられる本だった。解説のない詩は背景を色々想像してしまう。
    自分の気持ちを言葉に変えるという作業が、詩という媒体を使ってこんなにも効果があるというのに(効果を出すためにはここの教官のように背景を知...続きを読む
  • 空が青いから白をえらんだのです―奈良少年刑務所詩集―(新潮文庫)
    ☆くも 空が青いから白を選んだのです
    ☆言い訳にするな あの日 あの一歩を踏み出さなかったことを いまをがんばらない言い訳にするな オレ これからは いまを生きていく自分でありたい
    ☆言葉 言葉は 人と人をつなぐ ひと言だけで 明るくなり ひと言だけで 暗くなる 言葉は魔法 正しく使えば たがいに楽...続きを読む
  • 空が青いから白をえらんだのです―奈良少年刑務所詩集―(新潮文庫)
    自分の想像以上に、その人の外見や肩書きなど目につきやすいものだけで、その人がどのような人なのか決めつけてしまっていることが多いのかもしれないと感じました。

    関わらなければわからないことがあるということを常に忘れず、目の前に人と真摯に向き合っていきたいと思いました。
  • 空が青いから白をえらんだのです―奈良少年刑務所詩集―(新潮文庫)
    20220228011
    文学のアール・ブリュット。タイトルにもなっている「空が青いから白をえらんだのです」が心に響く。
  • 空が青いから白をえらんだのです―奈良少年刑務所詩集―(新潮文庫)
    このような感性と、表現と。生半可にはたどり着けない境地だけれども、せめて、想像してみようとする姿勢はもっていたい。決して安易に理解できた気になるものではないかもしれないけれども。
  • 空が青いから白をえらんだのです―奈良少年刑務所詩集―(新潮文庫)
    犯罪者と聞くと心も荒んだ印象を持ってしまう。
    しかし、本書の出てくる詩の一つ一つが心のこもった作品であった。
    作品には「色」や「母」など様々なことを題材にしたものがあり、そのどれもがストレートな言葉で表現されていた。
    犯罪者一人一人の背景に生まれてきてからの環境が影響しており、生まれたばかりの赤ん坊...続きを読む
  • 空が青いから白をえらんだのです―奈良少年刑務所詩集―(新潮文庫)
    寮さんの解説や実際の「物語の教室」の風景、少年青年たちのつむいだ詩、すべてに胸がつまりそうだった。
    恥ずかしい話、わたしにはきっと、おかあさんうんでくれてありがとうなんて、詩にこめて心から思いつむぐことはできない。彼らは確かに犯罪者だが、つむがれた詩は尊いと感じたし、もっと社会があたたかだったらと思...続きを読む
  • 空が青いから白をえらんだのです―奈良少年刑務所詩集―(新潮文庫)
    奈良少年刑務所詩集を読んで…
    病院の待合室で、少年たちの詩と、寮さんのコメントを読んでたら…涙が止まらなくなりました…
    犯した罪の重さと、内面の素朴さの落差よ…!
    少年たちの詩からは、「かっこつけよう」、とか、「うまく書こう」という気持ちは微塵も感じられません。だからこの詩集は人...続きを読む
  • 空が青いから白をえらんだのです―奈良少年刑務所詩集―(新潮文庫)
    奈良少年刑務所の受刑者が書いた詩集。どの詩を読んでも涙が出る。短い言葉の裏に読み取れる、その子の生い立ちや思い出。特に母への想い。

    詩のすぐ後に著者の解説があり、それを読むと更に詩の深みが増して涙。

    手元に置きたい一冊。
  • 空が青いから白をえらんだのです―奈良少年刑務所詩集―(新潮文庫)
    飾らない言葉がたくさんあった
    後半はお母さんについて考える詩が集められていて、
    母親との関係がその人をかたちづくるにあたって与える影響の大きさを改めて感じた
    世の中にはどうしようもなく悪い人もいるのだろうけど、この本で言われているように周囲の環境から結果的に犯罪を犯してしまった人もいて、
    刑務所にい...続きを読む
  • 空が青いから白をえらんだのです―奈良少年刑務所詩集―(新潮文庫)
     生まれ落ちた場所によって過酷な運命を背負う魂もある。
     私は、この建物に恋をした。
    どんなドラマがここで、展開されたのかは知らない。
     ホテルとして改装されるけれど、少年達の想い、覚えておきたい。
     「もりのあさがお」っていう刑務官を描いた漫画も良かったな。
  • 空が青いから白をえらんだのです―奈良少年刑務所詩集―(新潮文庫)
    とにかく考えさせられる本だった。
    受刑者の少年たちが書いた詩ということだったが、他の方の評判にもあるように、とても犯罪を犯した人の書いた言葉とは思えない、なんとも素敵な言葉や感情が並んでいた。
    特に「母」を想う詩は思わず涙しそうで、電車の中で読むのをやめてしまったほど。。

    でも、
    なんとなく、少年...続きを読む