寮美千子のレビュー一覧
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誰も耳を傾けないところに、感情の発露はない
これらの詩作品の作者はすべて、我々が絶対に関わり合いになりたくないと願うような少年たちである
だから、この情動涵養プログラムを引き受けた作者の勇気には脱帽した
また、強い熱意でこの情動教育を推し進めた職員の皆さんにも
犯罪者である少年たちにこんな美しい...続きを読むPosted by ブクログ -
ネグレクトでしつけも教育も無く育ったのは無責任な親のせい。犠牲者の子どもが、自分を取り戻すきっかけが与えられて良かったと思う。
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まず、純粋な「詩」として心を鷲掴みにされました。
こんな無防備な、純粋な、ストレートな言葉たち。
ほとんどの受刑者がかなり複雑で苦しく、厳しい背景を持つようですが、幼い子供が書いたようなものもあれば、中には文学や哲学に造詣が深いのでは、と思わせる詩もありました。
どのようなスタイルにしても作品として...続きを読むPosted by ブクログ -
少年刑務所の受刑者が更生プログラムの中で書いた詩を集めた詩集。
少年刑務所に入るような子は育ってきた家庭環境だったり、学校、周りの大人の影響が深く関わっている。そこで心を閉ざした子が詩を自分で書く、書いた詩が他の人に受け入れられることで心を開いていく。
普通の人から見れば犯罪者としか見えないかも...続きを読むPosted by ブクログ -
詩は美しく琴線にふれる
共感や自己肯定がなく罪のために刑務所に収監された子供たち
みんな逃げ場がなかった、純粋とありますが刑務所のなかは決められたルーチンです
社会の荒波にまた巻き込まれないとも限りません、確かにやり直す権利は必要です
薬物ではなく傷害で収監された人もいるはずです
死に至らしめた罪...続きを読むPosted by ブクログ -
奈良少年刑務所の少年受刑者達の作品集。
編者である童話作家の寮美千子さんが、「社会性涵養プログラム」の一環を依頼され、手探りながら、彼らに寄り添い、刑務所内で「物語の教室」を担当している。硬く閉ざされた心を耕し、水を与え続ける。それが、地下水となるまで。(これを涵養というそうだ。)その中で生まれた...続きを読むPosted by ブクログ -
少年たちの受刑者の更生プログラムの一環として、行われた詩。
詩を書くには側からは見えづらいその人の心情が込められる。
刑務所に入っている人というのは、野蛮で怖いイメージがどうしてもある。
だが、詩を通じて見えるのは耕されていなかった少年たちの純粋な心が垣間見れる。
特に印象に残った詩は、まほうの消...続きを読むPosted by ブクログ -
少年受刑者の書いた詩集
青少年犯罪者の心の中を垣間見るたびに
大人が救えた被害者・加害者がいたのではないかと思う
少年たちの孤独や寂しさそれを埋められるのはやっぱり親なんだろうなって思う
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空が青いから白を選んだのです 寮三千子 新潮文庫
何もかもが百点満点すぎることに
違和感があるけれど
手を加えられたとは思えない
詩に託した文章には驚かされた
自らの厳しい体験を咀嚼している
前向きな姿勢がどこから湧き出したのか?
暴力の前に見つけていればと思うのは老婆心か
重荷を背負えばこ...続きを読むPosted by ブクログ -
もちろん法を破ったからこそ少年刑務所に身を置いているわけだけれど、ここには書かれていない事情や生育環境がそれぞれにあったのだろうと察せられて複雑な気持ちになる。詩というよりは思いの丈が拙くも書かれている。乾ききった心に本当に必要なものは丁寧に向き合い惜しみない愛情を注いでくれる誰かなんだと思う。Posted by ブクログ
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奈良に住んでいながら、奈良少年刑務所に関しては知識も関心もなかった生活を送っていた。赤煉瓦に囲まれた刑務所の中の少年たちに関わってこられた方の手記。想像通りの子どもたち。出所後の社会の視線はとても厳しいものだと予想するが、罪を認め、人生をやり直そうとする子どもたちの背中を押せる人でありたいと感じる一...続きを読むPosted by ブクログ
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少年矯正施設のあり方がよくわかる、社会に向けた啓発書。加害者たる彼らは社会からの被害者かもしれない。腫物に触るような接し方がさらに心を閉じさせる。再犯が多い事実をもっと考えなければいけない。2021.12.11Posted by ブクログ
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ストレートな表現の詩が心に響いた。
少年刑務所に入っている子供たちは、冷たくて怖いイメージだったが、普通の子供たちと変わらないと感じた。
むしろ、色々な出来事がきっかけで、心が繊細だったり、敏感に感じている。考えすぎてしまったり、心の中にある複雑な想いをうまく言葉で伝えることができないために犯罪者...続きを読むPosted by ブクログ