寮美千子のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ネタバレとにかく考えさせられる本だった。
受刑者の少年たちが書いた詩ということだったが、他の方の評判にもあるように、とても犯罪を犯した人の書いた言葉とは思えない、なんとも素敵な言葉や感情が並んでいた。
特に「母」を想う詩は思わず涙しそうで、電車の中で読むのをやめてしまったほど。。
でも、
なんとなく、少年犯罪というのを美化しているように見えてしまう。。
複雑な家庭環境で育ったがゆえの犯罪、、というのも理解はできるものの、やはり犯罪には必ず被害者が存在して、その被害者のことを考えると、、どうなんだろう。。
加害者たちが公正していく姿を見るのは、関わっている人たちにとってはやりがいもありそうだし、
すご -
Posted by ブクログ
誰も耳を傾けないところに、感情の発露はない
これらの詩作品の作者はすべて、我々が絶対に関わり合いになりたくないと願うような少年たちである
だから、この情動涵養プログラムを引き受けた作者の勇気には脱帽した
また、強い熱意でこの情動教育を推し進めた職員の皆さんにも
犯罪者である少年たちにこんな美しい心があったなんて…などと軽々しく言うつもりはない
ただ一つ確かなことは
「誰も耳を傾けないところに、感情の発露はない」
彼らに感情が「無い」わけではない、彼らの生育歴において誰もそれを聞こうとしなかっただけだ
何度も繰り返されるこのメッセージと、私が逆立ちしても書けない素晴らしい作品の数々に
知らず -
Posted by ブクログ
まず、純粋な「詩」として心を鷲掴みにされました。
こんな無防備な、純粋な、ストレートな言葉たち。
ほとんどの受刑者がかなり複雑で苦しく、厳しい背景を持つようですが、幼い子供が書いたようなものもあれば、中には文学や哲学に造詣が深いのでは、と思わせる詩もありました。
どのようなスタイルにしても作品として素晴らしいものばかりでした。
ほとんど初めから最後までボロボロと涙を流しながら読みました。
プログラムでは誰も仲間を否定せず、辛抱強く発表者の言葉が出るまで待ち、ひとつでも多くその子の、その作品の良いところをみつけようとし、褒めたたえ、励ましあい、認められることで自らも相手を見つめようとする素晴らし