片桐郁美のレビュー一覧
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沙漠の国の物語 第8弾。再び "星読みの徒" の手に落ちたラビサは "星読みの正巫女" リードゥの協力を得ようと"星読みの徒" の内部を探る。沙漠に混乱をもたらした黒幕の姿がいよいよ明らかになる…ラビサとジゼットがずーっと離れ離れで寂しいけれど…随所に二人がお互いを想う心が描かれていてとても切ない物語になっています。
自分ができることは何かを懸命に考え行動するラビサの姿はとても凛々しいけれど、緊張の糸がどんどん張り詰めていくようで、とても辛い。そんな時に思わぬ形で沙漠の騒乱の原因を知ることになり、混乱するラビサが想うのはジゼットのことで。彼女が思わず口にする言葉が本当に切ない。
一方ジゼットはゼクスや元旅団仲間たちのサポートを受けて、着々と事態の核心に迫る。状況を聞きラビサを想い逸る心を、周囲の大人が巧くフォローしていて、前巻でトゲトゲだったジゼットがとても冷静で穏やかでほっとする。「ありがと」なんて、気が張り詰めてる時には言えないものね。
ラビサとジゼットの緩急が物語をどんどんクライマックスに導いていて、とてもいい流れ。いい緊張感があります。
そんな主人公二人の描写はとても好いんだけど…正直 "星読みの徒" にまつわるストーリーは蛇足に感じるくらい弱い(何事も"運命" で片付けちゃうからイヤってのもあって今まで感想もあまり書けなかった)キーパーソンのリードゥにも大きな転機が訪れるんだけれど、あまり納得できないというか…書き込みが足りていない感じがするなぁ。
なにはともあれ、ラビサとジゼット、リードゥも。それぞれの決着を着ける為、舞台は不穏な空気が漂う聖地カヴルへ。楽しみです! -
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沙漠の国の物語 第7弾。ラビサは険しい瞳で短剣を胸に構え、ジゼットは表情の無く刀を背負う…ジゼットの足手まといにならぬ様、強くなることを決意するラビサ。ラビサを思うが故に距離を置くジゼットは "砂嵐の後継者"の頭・ザクロを討つことを二度とタラスファルに戻らぬ覚悟で決意する…
ラビサにカヴルから一時帰還の指令が届いた。ジゼットに護衛を頼むが断られてしまう。ジゼットの様子に「これが最後のような」違和感を覚えるラビサが必死に言い募る場面はとても切なかった。
振り向いて欲しくて、ついに口にした言葉も、届かなくて。後に残されたラビサの姿が本文で語られないだけに辛い。こんな状況で離れなければいけないなんて、切な過ぎる。だけどそれを振り切って行くジゼットも、ゼクスにラビサも自分の気持ちも預けるしかできなくて。恋をあきらめなければならないジゼットが切なくてならない。
そんな心を隠して、二人は別々の道を行く。パートナーが入れ替わっての道中は、それはそれで楽しい。折に触れて傍にいない相手のことを考えているのは、とても切ないなぁ。
"星読みの徒" の魔の手は、とても卑劣な方法でラビサを襲う。自分で自分の身を守らなければならない事態に陥って、ラビサは剣を使う覚悟を決めるが、一方でその間違いに気付く。自分の気持ちにきちんと目を向けたラビサは、自分の道を探す決意をし行動する。ゼクスの言うとおり「いい女」だね!
一方ジゼットも負けてない。アリヤの直球、ビッキの脅し、ホレブのダメ押しもあって、何故、自分が行動を起こしたのか、色々理由をつけて見えなくしてしまった自分の心を取り戻す。迷いを断ち切って前を向いたジゼットは、本当にかっこいい!
ラビサは、星読みの正巫女・リードゥに会うために一人、星読みの徒の本拠地に向かう。ラビサはリードゥと出会うことができるのか…
色々なことが一斉に動き出し、どんな結末に向かうのか、ジゼットとラビサは再会できるのか、続きが楽しみです。 -
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沙漠の国の物語、大きく世界が動き出す第6弾。
ジゼットの恋心が走り出し、ラビサの戸惑いが鮮明に描かれます。新キャラのゼクス&ビッキもとても魅力的です。
ラビサは、仔リグーの誕生やシムシムの成長を見守ったり、アリヤの面倒を見たりと、タラスファルでとても穏やかな生活を送ってた。
一方聖地カヴルでは、ラビサの兄ハディクが復興に向けてカヴル隊商都市化を提案していた。他者を拒んできたカヴルの大きな方向転換に街の人々は戸惑いを隠せずにいた。そんな会議の最中、血に染まった伝書鳩が舞い戻る。それは、事前調査に出発した仲間が"砂嵐の後継者"を名乗る義賊に襲撃されたことを告げるものだった…
「"砂嵐の後継者" カヴル襲撃の報」はすぐさまタラスファルに伝えられ、ジゼット達は 元"盗賊団" としての決着をつけるべく動き出す…
……出発前のジゼット。青春です。ほんとにもう。前巻で覚悟を決めてるから、まっしぐらって感じ。思わぬ場所でラビサと再会して…嫉妬で余裕がなくなってるジゼット…年相応(よりも少年っぽい?)で、可愛すぎる!
ジゼット不在の中、ラビサはトラブルに巻き込まれ、遊動民の一族と出会う。ラビサちゃん、なんなのその警戒心のなさは!と言いたいところだけれど、そんなラビサだから魅力的なので、仕方ないか…この一族と "砂嵐の後継者" との出会いが、ラビサの迷い(前巻ではまだ漠然としていた思い)を明確にする。
ラビサの心の迷走は、本当によくわかる。
好きな男を否定したくない気持ち。ありのままを受け入れられない自分が未熟に思えて、自分が変わるしかない、と。女の子らしいところがあまり見えないラビサだけど、目一杯、恋する女の子だなぁって。
ジゼットはジゼットで、大きなジレンマを抱え込むようになってしまう。『最初から間違っていたのでは…』と思ってしまった気持ちは、一人で抱えるには重たすぎるものなのに、開放する手段を自ら手放してしまうから…屈託のない触れあいが消えてしまったのがとても悲しい。
見え隠れする"星読みの徒" の動きも不気味で、ますます目が離せません! -
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沙漠の国の物語・第5弾はジゼットとラビサ、お互いに惹かれあう気持ちを自覚する、思わず顔がにやける物語。名言のところにも書いたのだけど"「多分濡れ衣だ。俺はどちらかというと段階を踏むタイプだと言っておいてくれ」" (P38) って。
かなり段階すっ飛ばしてますけど…?
舞台は至星(こちらで言う冬至?で大晦日?のようです)で賑わうマンナ。タラスファルの織物をマンナに運ぶ仕事を手伝うことになったラビサだが、なぜか元気がない。そんな様子を心配したジゼットがなにかと構う中、ひょんなことからマンナの幽霊&殺人騒動に関わることになり…
ラビサの意外な弱点とそれを知ったジゼットのイジワルに、思わずニヤニヤしてしまう。イジワルが過ぎて、ラビサの心に秘められた深い悲しみを呼び覚ましてしまった時…ジゼットの心はラビサに決定的に捕らえられる。好きな子をちょっとからかうような軽さが消え、決意に変わる。残念なことにその決意はラビサにまだ、届いてはいないけれど。
どたばた騒ぎの後、ラビサとジゼットに訪れた夜明けの瞬間が、とても素敵です。ラビサは言えなくなってしまった自分の嘘をジゼットに告げ、でもとっくに決意をしているジゼットはそれを知ったところで揺らぐ訳もなく…真っ直ぐな彼の言葉でラビサが笑顔を取り戻す場面は、ジゼットじゃなくても見惚れてしまう。
ジゼットの言葉を受け止め、今の状況から一歩踏み出す覚悟を決めるラビサ。全てから守ると誓うジゼット。
そんな二人の想いはまだまだ心の中にある状況で、世界の変革の波が姿を現わし始める。一つは砂嵐の後継者を名乗る者。一つは星読みの徒たち。これからどう動いていくのか、続きが楽しみ! -
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デビュー作『沙漠の国の物語-楽園の種子』の続編。
「シムシムの使者」としてたった一つ実ったシムシムの種子を"砂嵐の町" タラスファルに託したラビサは、園丁見習いとして再びこの町を訪れる。
解放された故郷の復興に忙しい毎日を送るジゼットと、自分がすべきことが何なのか見えずに焦るラビサが、すれ違いながらもだんだん惹かれていく様子がとても爽やかな物語。お互い気になっているのに、本人たちより周りの方が気付いているというのはお約束だけど、ニヤニヤしてしまいますね。
そんな微笑ましい二人とは裏腹に、取り巻く現実は過酷なもので。
砂嵐旅団の魔の手がラビサに迫りイフリートの力で何とか難を逃れたものの、旅芸人の一座に拾われ奴隷にされたり、奴隷商人によって売り飛ばされそうになったり。ジゼットの機転で助かったものの、砂嵐旅団頭領のカヤルに捕らわれてしまったり。状況の変化がとにかくめまぐるしい。
ジゼットは兄と慕っていた砂嵐旅団の頭領カヤルと決着をつける。
カヤルの闇はジゼットの闇よりもなお深くて。自分の孤独を、他者を憎むことでしか隠すことができなかった、彼の存在自体が歴史が生み出してしまった罪なのだろうと思う。
ジゼットが過去と戦っている間、ラビサは、自分が使者の旅でもたらした世界の変化の波の一端を見ることになる。少女らしい潔癖さと素直な言葉は、周りの大人をも動かし歴史の大きな転換を迎える。
光が大きければ影もまた大きい。新たな火種の存在が明らかになるなど、沙漠の世界はまだまだきな臭いけれど、そこは次のお話ということで。
ゆっくりとお互いを意識し始めたラビサとジゼットの大切な「約束」
もう二人から目が離せません! -
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ネタバレ「ルルルドラマチック小説賞」の大賞ということでしたが、それなりにおもしろかったです。ちょっとイラストは好みではなかったですけど。
地縛霊のシシが見ているアニメが、その地域の昔話を元にしているとか、主人公が獅子王とか呼ばれていたって伏線がちらっと出てきて、怪しいと思ったら、あたりでした。
こういう種を超えた話の場合、最後はハッピーエンドに終わらない場合がありますが、今回はそのまま戻ってきました。人間(子供)になって戻ってくるかなぁって思ってたけど、そのままだったんで、その点は予想外でした。
最初の暑い部屋の描写は、真夏に読むとこっちも暑くなってきそうですけど、さらっと読めていいんじゃないでしょうか。 -
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ファンタジーで冒険もの。ライトノベルの王道だ。舞台や設定がしっかりしていて、デビュー作のわりに安心して読むことができた。
最初は表紙を見て男二人の冒険物語かと思った(笑)。でも、金色の髪の子は少女だ。かといって恋愛ものではない。おかげで全体的に読みやすかった。
久々にファンタジーを読んだ。ジンとかイフリートとかシャイターンとか…魔法系が出てくるが、そんなに苦を感じなかった。それらの説明がきちんとあり、理解できたからだ。感覚的にはRPGに似ている。砂漠という馴染みの無い舞台も情景描写がわかりやすく、焼けるような熱さやサラサラの砂漠、瑞々しいオアシスを感じることができた。
後半に描かれたカヴルの裏の歴史を知らされるという衝撃的展開や主人公ラビサとジゼットのそれぞれの苦悩など、物語の起伏もはっきりとあり、読み応えがあったと思う。ラビサが最後に下した決断にも自然で無理な感じがなかったので、共感できた。
最後の方でジゼットと砂嵐旅団の頭領カヤルの対決があったが、個々のキャラ設定が曖昧だったため、シーン自体は悪くないのに、それぞれの感情描写をサラッと終えた薄っぺらなシーンになってしまった。あそこはもっとページを割いて重いものになるべきだったと思う。また、あそこに行き着いて初めてカヤルとセウトの良い人間臭さが出てきたのに、セウトなんか全体的にはちょっとしか出ていない。正義が勝つというのは王道というか当たり前で、それはそれでいいが、悪の方ももっと描写すれば物語に厚みができたと思う。
続編が出るならば、キャラの厚みをもっと持たせてほしい。他が緻密で詳細な完成度の高い印象を受けたので、余計に足りない部分が目立って、もったいなかった。しかし、そこが補足されれば、かなり次回は期待できそうだ。ぜひ主人公二人の今後を描いてほしい。 -
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沙漠の国の物語 第4弾。
ジゼットにライバル現る?
園丁学生の試験を受けるため、故郷のカヴルに帰ることになったラビサ。町に見慣れない姿をしている人々を見つけ、町が変貌しつつあることを肌で感じる中、ラビサは星読みの正巫女・リードゥと出会う…
約1ヶ月間、離れて過ごすことになるジゼットとラビサのやり取りが見もの。「故郷に帰るだけ」とのんびり構えるラビサに「迷子札」胸飾りで自己主張するジゼットがとても…良い。
沙漠の世界に新たに登場したのは「宗教家」とも言うべき星読みの徒たち。星を読み運命を説く彼らは、今までの価値観が壊れて不安定なカヴルの人々の心にこっそりと忍び寄っていて、不気味です。
さて、そんな中久しぶりに故郷に帰ったラビサは、幼馴染たちも園丁試験を受けると知り無邪気に喜ぶが、なぜかよそよそしい態度で迎えられてしまう。売り言葉に買い言葉で、落ちたら園丁見習いの立場を返上すると宣言してしまう。落ちたらタラスファルにいる名目がなくなってしまうため、必死で試験勉強をしようとする妹を、できれば手元においておきたいラビサの兄・ハディクや彼の恋人・アイシェが邪魔をするシーンはラビサが本当に愛されてるなぁとほのぼのしてしまいます。お兄ちゃんは今まで切羽詰ったシーンしかなかったからね。
幼馴染サユンのギクシャクは「ただの幼友達」から「大事にしたい女の子」にラビサの位置が変わっていたが故なのだけれど、ラビサが全然全く気づいていないのが…ちょっと哀れ。しかも男からもらった風の胸飾りを見つけてたら、そりゃ逆上もするよね。
ラビサにとってサユンは心から信頼する「親友」で。惚れた女の子に「親友」宣言されたサユンは…自分の心が何に苛立っていたのか気付いてとっても好いオトコになってましたね。今後が楽しみです。
一ヶ月ぶりに再会したラビサとジゼット。いつの間にか一緒にいるのが当たり前になっていた二人の再会はちょっとドキドキ。ついにラブラブモード!? かと思いきや…リードゥが不吉な予言をジゼットに告げ、なにやら不穏な気配が漂い始める…ジゼットの不安が今後どう影響していくのか、目が離せません。 -
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沙漠の国の物語 第3弾。
ジゼットを意識し始めたからか、イラストのラビサがどんどん可愛くなります!
秘密が明かされ平穏が訪れたタラスファルの町。沙漠に何年ぶりかの雨が降った。町の男たちは雨を楽しむが、やがて枯れ谷が鉄砲水の川と化す。そんな濁流に一人の女の子が流されてきた。ファティと名乗るその少女は、嫁入りの旅の途中に鉄砲水にあって流されてしまったらしい。そんな彼女を送り届けることになったラビサとジゼットだが…
沙漠の激動の歴史から少し離れて、ラビサとジゼットの日常が描かれます。日常といっても…必ず厄介ごとに巻き込まれるわけですが。
ファティを信じるラビサとファティに裏を感じ警戒するジゼット。
「お人好しもいい加減にしろ」と言いながらもラビサの気持ちを尊重して彼女に付き合うジゼットは、ほんとにラビサが大切なんだなぁと伝わってきます。なので隙あらばラビサをいじめたり触れたり、抱きしめたりするジゼットがとても可愛い。
自分すら信じることができなくなったファティの心を解きほぐすことができたのは、人に裏切られることを恐れないラビサで。彼女がファティに語る一言一言はとても優しい。心に沈む澱は涙で流される。悔いは残るけれど、きちんと前を向いたファティがとても素敵だった。
ラストは、思いがけない展開でめでたしめでたしではなかったけれど、次の物語を感じさせる良い終わりでした。
新登場のキャラがジゼットの強力なライバルになり得るのか、楽しみです! -
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遂にフィナーレ。
ラビサが、ジゼットが、リードゥが…それぞれが成すべき事を果たす為に、互いを信じて、それぞれの場へ。
今まで培ってきた絆があるから、全てを終えることが出来た───そんな気がする。
ただ、予想外にラビサの眠りが長かったなぁ…。
イフリートを酷使(?)したから、かなり寝込むことになるんだろうなぁ…とは思っていたが、よもや3年も眠ろうとは!
おまけに、ジゼットのキスで目覚めたりするもんだから、思わず“眠り姫かよッ!?”と心の中で突っ込みを入れてしまった(笑)。
ラビサの目覚めを待つジゼットがとても切なかったので、目覚めた時には本当に良かったと思ったが、そこから7年経ってもまだ結婚に至っていない辺りがちょっと“……。”って感じだったかもw
番外編で、是非とも二人のその後が読みたい。
出来れば甘々なヤツを。