藤田真央のレビュー一覧
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世界的に活躍するピアニストなのだから、ピアノのことや曲の解釈、名だたる指揮者やオーケストラとの共演、若手音楽家との交流など、興味深い話ばかりなのはもちろん、藤田真央さんの人柄の良さも伝わってきてファンになってしまった。とても真面目で謙虚で音楽に真摯に向き合っていて、共演者やスタッフ、聴衆に対する尊敬と感謝を忘れず、礼儀正しい好青年(K-POPアイドルみたい)。
驚いたのは、若かりしとき(今も十分若いけれどもっと若いとき)の失敗エピソードも多く、巨匠たちに諭され、反省したということを隠さずに書いていること。こんなふうに失敗したことにきちんと向き合える人だから伸びるんだろうなと思う。
文章も読みや -
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演奏途中でのMC(で良いのか?)お話し時のように、時にはクスッと、ベイスターズの話は異様に熱く…という真央さんらしさが本にも溢れていた!
表紙の、マオの本が素晴らしいものになるなら、とわざわざピアノを移動して撮影した写真がまたステキ!ストックサの中にある優しさ見たいな、人柄が溢れる一冊
演奏そのものにメッセージを込めないように注意してある、私の思いを載せすぎる事が、豊かな音楽を濁らせてしまうから
空間のどこに届けるか、音の響きを考えながら演奏する、楽曲によっても変わり、ラヴェルやドビュッシーは、最も丁寧に空間を読む必要がある。ホールで鳴らすとうねりのようなものが生じる。ドビュッシーは、 -
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ピアニストとはこんな職業だったのか、と知っているようで知らない、初めて知ることも多かった。
必要な資料を読み解き、古の作曲家が綴った一音一音の意味を探って行く膨大な作業を思うと考古学者やキュレーターのようでもあるし、音を「作る」姿は職人のようでもあるし、練習に明け暮れる日々はアスリートのようでもある。
十代の頃には傲慢さもあったというが、今ひたすらに謙虚にピアノに寄り添い聴衆と音楽を共有することを大事にしていることで、聴衆ものめり込めるのだろう。
自分の芯を貫くところもあれば、素直に聞く耳を持つところも他人に影響を受けやすい部分もある。愛煙家の師匠とお近づきになりたくてタバコを吸い始めたり -
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著者は、藤田 真央(ふじた まお)さん、ピアニストです。
1998年東京生まれ。3歳からピアノを始め、
2017年、18歳でクララ・ハスキル国際ピアノコンクールで優勝しました。
クララ・ハスキルといえば、モーツァルト弾きの名手だった人。
その名を冠したコンクールで優勝を果たした藤田さんは、2022年にモーツァルトのピアノソナタの全集アルバム「Mozart:The Complete Piano Sonatas」をリリースしています。(新進のピアニストが全曲集を出すのは珍しいことだと思います。)
この本で、藤田さんはモーツァルトの音楽について、こう語っています。
「モーツァルトの楽曲は -
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藤田真央さん、ザ・ファーストテイクに出演されています。目を見張るような手元の動きはもちろん、複雑に重なった音があまりにも心地よくて、奇跡の音色とはこのことかと感動しました。
ぜひ動画で聴いてみてほしいです。
さて、こちらは世界のMAOと呼ばれる天才ピアニストの頭の中を覗ける貴重なエッセイ。
食べ物の話など普通の若者らしい一面があったり、音楽以外のお話もあって親しみが持てます。
衣装を5000円以下で購入していた話には驚きました。
曲の解釈、というのが楽譜すら読めない私には理解不可能ですが、歴史を知らないと表現できないとか、指揮者も天才なのでどんな解釈で弾いているか演奏を聴くだけで理解し合え -
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音楽の奥深さを表現することで非常に優れた文才を持つ若者だと感心させられ、このような感受性を持つピアニストだからこその素晴らしい演奏家なのだと納得した次第。ぜひこの人の演奏を今後は追いかけたいと思った。さまざまな指揮者エッシェンバッハ、ムーティ、バレンボイムとの接点も興味深い。ピアニストはプレトニョフ、ユジャワン、キーシン、トリフォノフら10人が集まってラフマニノフ前奏曲10曲を連続演奏したというスイス・ヴェルビエ音楽祭での2023年7月の一晩の出来事が印象的。特にプレトニョフが他の演奏を繋ぎコンバイン、アレンジしてハッピー・バースデイを演奏したという一幕は圧巻だった。著者にとっても一生の思い