華宮ららのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ネタバレ文体やストーリー上の粗さを考えると★3~4が妥当かな、とも思いましたが、出会えて良かった作品だと感じたので、★5。
近世ヨーロッパをモチーフにした架空の世界で、クーデターやら軍事やらの言葉が飛び交う、やや異色の少女向け小説です。
クーデターから命からがら逃げ延びた王女が、ルチアと名を換え、家族を救うため、国を救うため、なにができるのか考え、成長していきます。
このテの小説にありがちな暴走するお姫様ではなく、聡明で控え目な「だんまり姫」で、無理に一人立ちせず周囲に助けられて成長していくところが主人公として良いなと思いました。周囲の人が彼女をちやほやしないのも。あと、理工系という特色をよ -
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Posted by ブクログ
前作「ルチア」から少々年代をさかのぼった時代になるものの、世界観などは同一設定で書かれているのでシリーズ続編とでもいうべきか。
未読の方のために詳細は省くが、「ルチア」で登場人物たちの会話の中に話題としてだけ登場していた人物が主人公。「ルチア」の主人公クエルヴァ同様、自分の国を守るために自分の持てる力で困難に立ち向かっていくという内容のため、ほとんど似た話になるのかと思いきや意外とそうでもなかった。
むしろ「ルチア」で少々わかりにくかった背景にある国の状況や、係わりのあるそれぞれの国の思惑、そして主人公が後になぜそう謳われるようになったかが判るストーリーのため、是非先に「ルチア」を読んでからこ -
Posted by ブクログ
最近のティーンズ文庫の文章レベルの低さと内容の独自性のなさにうんざりしていたものの、それでも賞を得たからには何か一つくらいは読み応えのあるものが見つかるはず…と思い、駄目元で手を出した一冊。
最初はどうもティーンズ文庫らしくない展開だなと思っていたけれど、これは間違いないなかった。
少女向けの割には(ストーリー的に)どうしても恋愛要素が薄いのは否めないものの、主人公が自分の持てる力でどう相手に立ち向かうのか、そして微弱ながら要所要所でその持てる力の使いどころを間違えないので、展開を期待はすれど興ざめすることなくページをめくることが出来た。
レーベルの認知度の低さのせいかなかなか手に取りにくいか -
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ネタバレ続巻が出ていたことに半年近く気付けませんでした。不覚……!!
それはさておき、今回は前巻から半年後。海の英雄と称えられる海軍少佐として、新政府代表モスの側近として存在感を増すアーツと、副官として裏に表に奔走する占星術師レヴィット、そしてそんな二人の心を捉えて離さないジュエルとエステラ。……あと、なにかと不遇なモス。
新政府に集い内部の改革に励む彼らに、西大陸の国家グリンダウから使者が訪れ、なにやら雲行きの怪しい外交が始まります。
表の人物と裏の人物を使い分けたり、スパイ的な要素があったり、同著者さんの『ルチア』を思い出します。
前巻は海戦シーンの描写にわくわくしたものですが、今回 -
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ネタバレ2巻目最終巻。
1巻に比べて、とんとん拍子にはことが進まなくて、二人の焦りが伝わってくるようです。小物なはずのウェズリーも復活してきてます。(最後にはちゃんと裁かれてましたけど)
アーツとエステラの仲もちょっと雲行きが怪しい感じになってて、アーツはこれまでなんか真剣みが感じられなかったんですけど、大人の苦悩っていうか、こういうのもいいかな。(レヴィットが奥手なぶん、アーツががんばってます。)
レヴィットとジュエル姫の間は、お互いに恋心を自覚しながら、レヴィットはアーツにとってのモスを考えて一時身をひきましたけど、抑えきれない思いっていうのが、レヴィットとジュエル姫の両方にあって、モスがあそ -
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ネタバレ主人公が男性ってところでルルル文庫っぽくない感じはしましたけど、凪かすみさんのイラストもあってて、面白かったです。
港町で占星術師をしていたレヴィットは、半ば強引に海軍将校アーツに連れられて、あれって思うまもなくアーツに協力させられますけど、話の進み方がスムーズで一気に読んでしまいました。
分かりやすい敵のとしてウェズリー閣下がいますけど、小物過ぎて、アーツ達の敵になってませんし、海賊達も個性豊か。美々しい面々で固められてて、こういうのもよいかも。
アーツもレヴィットも一目惚れって感じでしたけど、アーツはちょっと不誠実かなあ。レディ エステラを相手にどこまで本気なのか分かりづらいです。レ -
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Posted by ブクログ
ネタバレうーむ、大変ドラマチックでした。モスは自信家の若者らしいミスリードっぷりで、ちょっと苦笑いしちゃいましたが、嫌味なほどではなく微笑ましかったです。可愛い。この巻は主人公の二人だけではなく、モスの成長も見られたと思います。あのまま自滅するようなトップにはなってほしくはなかったので一安心。まあ大丈夫だろうとは思ってましたが。
このままシリーズで続くのかと思いきや、二巻で終了。確かに結構ハイスピードで恋模様が進みましたもんね。
個人的に一つ引っかかったのは、エステラって人妻なんですよね?結局旦那さんが出てくることもなく、不倫関係という背徳感もなく、エピローグでアーツとさらっと夫婦に収まってて、なんと -
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うーん、実にキラキラしている。それだけで終わらず、政治的な思惑や陰謀もちゃんと描かれていて、この作者さんはなんだか安定感があって好きです。
しかし男二人がイイ男になる予感しかしないな。別にいいんだけど。萌えるけど。なんか恥ずかしい。
少女向けレーベルの割には女の子との接触が少なく、主人公の青年二人に焦点が当てられていたのが、ちょっと物足りないと言えば物足りない。なんかいきなり恋情が盛り上がった気がしなくもない。男二人はどっちも一目惚れ違うん?アーツはあんまり世間一般の誠実さではないけど。
まあ続き物になるそうなので、次巻を楽しみにしてます。次はもうちょっと女の子の出番増えるといいな。 -
Posted by ブクログ
面白かった…。やや話が上手すぎたり、荒削りな部分はないとはいえない。作中の時間軸で絶望的な悲劇が起こるわけでもないし(まあ、ルチアにすれば充分絶望的な状況かもしれませんが…)でも、この素材をこのレーベルでこれくらい書けたらもう合格点でしょう。
主人公はありがちな姫モノの姫さま方とは違って、聡明だけど「だんまり姫」とあだ名されるほど控えめ、そして理系の王女さま。でもそれが、ただの奇をてらった設定なのではなく、物語としての必然性を帯びたものだというところが上手い。何より嫌みでなく、非常に好感が持てる。
甘さは限りなく控えめ。そこが受けいれられるかでこの作品が楽しめるかが決まるかも。恋愛恋愛するより -
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Posted by ブクログ
ネタバレ主人公はティエランカ王国の王女クエルヴァ。一家で首都へ戻る途中の船旅でクーデターが起こる。
舞台は19世紀のヨーロッパの雰囲気。
こういう王国の陰謀劇が大好きなので、面白かった。
ライトノベルじゃないとドロドロしすぎて読んでてかなり辛くなる時もあるもので……。
一人船上から逃れる事ができた王女を途中で出会う様々な人が助けて行く。王女に厳しく接したり、汚い部分を見せるイロンデルが中でも良かった。
王女の旅の間でも首都でのクーデターが同時進行で起こり、行く先々の街にも影響が現れるなど、次々に問題が起こるので一気に読み切った。
恋愛に重きはおいておらず、様々な人との出会いはあるけれど王女の成 -
Posted by ブクログ
ネタバレ前作から遡ること数十年。世代を一つ遡り、前作で西大陸の強国として描かれていたヴィクトワール王国が舞台です。
ある日突然、国王の庶子であることを告げられ、王位継承者として王宮で四苦八苦しながら成長していくお姫様の話。
政治的にも重要な時期を迎え、新参者の王女がどう立ちまわるか、はらはらしながら読みました。
前回の「ルチア」が王宮の外で、レジンスタンス活動に加担したりだったのに対し、今回は舞台が王宮の中で、絶対的な味方もいるということで、前回よりも王道な展開です。恋愛成分も前回より多めです。
王位継承者としての成長に重点が置かれているため、話の展開がやや緩慢な印象があります。宮中のこと