モンドくんのレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
谷川俊太郎さんとブレイディみかこさんの一年半に及ぶ往復書簡
みかこさんの散文に、谷川さんが短めの文章と詩でお返事する。
といったスタイルでしょうか?
とは言え、みかこさんからの問いはあまり気にせず、好きに返事を書く谷川さん。
自由で軽快なやりとりのおかげで、こちらも肩の力を抜いて文章を楽しめる。
しかし、あくまでも〝手紙〟なので当然だが相手に向けて書かれた文章で、そこには敬意が感じ取れるのが素敵。
谷川さんの詩より
「この世とあの世のあわいに
その世はある」
──【その世】より一部抜粋──
「この世は他人だらけである
他人でないのは自分だけだと思うと
寂しい」
-
Posted by ブクログ
とっても軽快で面白かった。
谷川俊太郎はもう言わずと知れたレジェンドで
ブレイディみかこは両手にトカレフをいつか読みたいと思ったまま..この作品が初めましてな作品になった。
谷川俊太郎へ手紙を書く...
って凄いなって単純にとっても俗な感情で。
もちろんそれがファンレターでどこの誰とも分からない面識もない読者がただ個人的に宛てるものなら簡単かもしれないけど
作家として仕事として書くっていうのはスゲー!
のっけからの谷川さんの「あるとない」の詩から
ユーモアは正しく無邪気なものでないといけないという世界的な風潮や
みかこさんの住む英国のブリティッシュユーモアについての説明でもうぐいぐいみかこワ -
Posted by ブクログ
【目次】
邪気の「あるとない」(ブレイディみかこ)
萎れた花束(谷川俊太郎)
Flowers in the Dustbin(ブレイディみかこ)
その世(谷川俊太郎)
青空(ブレイディみかこ)
座標(谷川俊太郎)
詩とビスケット(ブレイディみかこ)
現場(谷川俊太郎)
淫らな未来(ブレイディみかこ)
気楽な現場(谷川俊太郎)
秋には幽霊がよく似合う(ブレイディみかこ)
幽霊とお化け(谷川俊太郎)
ダンスも孤独もない世界(ブレイディみかこ)
父母の書棚から(谷川俊太郎)
謎の散りばめ方(ブレイディみかこ)
笑いと臍の緒(谷川俊太郎)
ウィーンと奈良(ブレイディみかこ)
Brief Encounte -
Posted by ブクログ
時間、空間を超えてさまざまな現場を自由に飛び回る、おしゃべりで“しなやかな黒猫”のようなブレイディさん。それを温かな眼差しで「言葉にしか現場のないわたしは劣等感を抱いてる」と子どものような素直さで机上で紡いだ詩で応える好々爺、谷川さん。本質に迫るアプローチもアウトプットも異なるけど、表現の奥にある魂は一緒で、その“あわい”の世に引き込まれそうになるのをもんど君の挿絵が“この世」に引き戻してくれる。「うりゃ〜なんとかなる」が個人的な座標としては好きかな…。先日、再放送で観たETV特集「ぼくは死んだ」も感動したが、谷川さんのリクエストに応えたもんど君、大変だったろうなあ。
-
Posted by ブクログ
先月逝去された谷川俊太郎さんと、個人的に大ファンなブレイディみかこさんの往復書簡。
ジャンルは異なれど物書きとして一流であるお二人、ただの読書好きである私との次元の違いを思い知らされました。
谷川さんはご自身で散文が苦手と仰っており、なるほどブレイディさんへのお返事もかみあっているのかいないのか凡人には判断が難しい部分もありますが、添えてある詩は当然ながら素晴らしいものでした。
タイトルにある「その世」とは谷川さんの詩によると
「この世とあの世のあわいに」あり
「騒々しいこの世と違ってその世は静かだが あの世の沈黙に与していない」そうです。
「その世のつかの間に人はこの世を忘れ 知らないあ -
Posted by ブクログ
ネタバレところどころに刺さる言葉が。そしてそこはかとないユーモアが。二人のお人柄なのでしょうか。
p93プレイデイさんの「幽霊って元気ですよね」に吹き出しました。しかしその理由(?)言われてみると確かに。
生きてる人間は日々起きてくるアレヤコレヤに対処するだけでだんだん一杯になって行き、余程のことでなければそんなにねちねちじっとりと恨んだり妬んだりを持続できなくなってくるように思います。特に年取ってきたら(笑)
何事にも体力がいるというのは本当に実感しかない今日この頃で。それどころじゃない、からそんなことどうでもいいになってくるというか。
p132谷川さん「生きる上で意味のない笑いがもしかすると訳あ -
Posted by ブクログ
本書は、「図書」連載「言葉のほとり」(2022年3月号~2023年8月号、岩波書店)に、奥村門土さん描きおろしの挿画を加えて書籍化した、谷川俊太郎さんとブレイディみかこさん、お二人の往復書簡を収録したものになります。
とは書いたものの、私、ブレイディみかこさんの著書を読むのは初めてで、タイトルはよくお見かけするから知っているのですが、中々、読んでみようという気にまでならなくて、本書については、猫丸さんのおすすめがあったことと、谷川さんと往復書簡するのだから、さぞ凄い方なのだろうなと思っていたら、その通りでした(笑)。
ということで、まずはブレイディさんについて、書いていこうと思います -
Posted by ブクログ
ネタバレページの余白や行間が多くとってあるため文量は少なく、かつ、非常に読みやすい日本語なので、サッと読める。
ブレイディさんが書いた手紙を谷川さんが受け取り、谷川さんは受け取った手紙の一部からとあるテーマへと話題が広がる返信&詩を送る。
それを受け取ってブレイディさんがまた別の話題へと展開する手紙を書く、といったやりとりで、往復書簡だけれども、明確に返事しあってないところが興味深い。
詩というものは私にはあいまいで、メッセージを伝えたいのか、情景を描いているのか、それとも気持ちの吐露なのか、よくわからない(谷川俊太郎さんは好き。PEANUTSの翻訳が最高)。
にも関わらず、この書籍を読んで