モンドくんのレビュー一覧

  • その世とこの世

    Posted by ブクログ

    「静かだが、沈黙に与していない」…日々過ごしていることは命の果てに近づくことでもある。寿命が尽きたその後は、「この世」に自分はいなくなる。「あの世」に行きつくその前に、”That”でも”This”でもなく、「その世」がある。とどまることのできない、つかの間の時間。視覚も触覚も使えない。聴覚だけが働く。音楽が大気に包まれて統治している。…半世紀と少し生きてきた「散文の人」が問いかけると、一世紀近く生きてる「詩人」が詩を送る。ウィーンのヒトラーの話を持ち掛けると、「他人だらけ」と応答し、二人は書簡を終える。

    0
    2024年02月17日
  • その世とこの世

    Posted by ブクログ

    谷川俊太郎さん×ブレディみかさんの対談ではなく、文通という形式が密やかな感じでよかったです。
    2人の話題は時に絡まり、時にそれぞれの方向へと向かいながら、自由に進んで行きます。
    どちらも好きな作家さんなのに、同じ日本語なのに、こんなにも違う二人の紡ぎ出す言葉を噛み締めました。

    0
    2024年01月24日
  • その世とこの世

    Posted by ブクログ

    「その世」という言葉に惹かれ書店で手に取った
    谷川俊太郎さん、ブレイディみかこさん
    お二人とも大好きだし

    往復書簡であるがそれにこだわりなく
    手紙を綴っているのが とてもいいなあ
    返信のようでもっと自由で
    それでいて相手への敬意が伝わってくる
    とてもいいなあ

    出会わず、それぞれの暮らしを背景に重ねた
    詩と文による言葉の逢瀬
    とある

    はさまれた絵がグッとくる

    ≪ 時々は あわいの世界を 訪ねたい ≫

    0
    2024年01月02日
  • その世とこの世

    Posted by ブクログ

    本のつくりが丁寧。
    それぞれの手紙の章の最後に描かれている挿絵がよい
    ブレディみかこさんの文章がいつもながらうまい。
    あと、本の中ではひとつの話題でしかないが、トランスヒューマンという考え方について衝撃をうけた。

    0
    2023年12月09日
  • その世とこの世

    Posted by ブクログ

    谷川さんがブレイディさんの手紙に応えていないという指摘を第三者から受けていたのはちょっと笑った。

    あと人間は体があるから飢えや貧困が発生して苦しい、体を無くしてデータ化することで争いを無くししあわせになれるという考え方が英国の若者の間で流行っているとのことで、かなり極端で宗教っぽいな…と驚きました。

    音楽を聴いている時など、自分がこの世から少し離れた感覚になるのを「その世」と表現している。
    「あの」「この」は英訳できないけど「その」はできない(あのと同じthatになるか、別の表現になる)。

    日本語の複雑さ、寛容さ…言葉について考えさせられました。
    普段詩に触れることが無いのでよい感覚を味

    0
    2025年05月16日
  • その世とこの世

    Posted by ブクログ

    谷川さんとブレイディみかこさんのてがみのやりとり。

    谷川さんの手紙には詩がかいてある。

    一年半にわたる記録。

    0
    2025年02月08日
  • その世とこの世

    Posted by ブクログ

    さくっと読める。
    往復書簡という体ではあるけどお互いに書きたいことを書いている感じで噛み合ってはいない。

    0
    2024年10月17日
  • その世とこの世

    Posted by ブクログ

    みかこさんが谷川さんのお手紙をしりとりしながら繋いでいるような
    不思議な手紙のやり取り

    お互いの感性や知識力は素晴らしく
    でも詩が苦手な私は
    声に出して読んでみても時としては置いてきぼりに。

    それでもその世のありかや
    トランスヒューマンの考え方を知ったり
    老いや母親との関係にハッとさせられたり
    有意義な時間を持てました。

    0
    2024年06月04日
  • その世とこの世

    Posted by ブクログ

    思っていたより
    話題が堅く壮大になってゆく
    思っていたより
    ブレイディさんが気軽に話す(書く)
    そして話したいことに一気に深くシフトする感じ

    0
    2024年02月03日