中村隆之のレビュー一覧
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カリブ海・フランス語文学の専門家による人種差別についての研究結果をまとめたもの。15世紀以降の西洋を中心に学術的にまとめられている。現在の価値観からすると、ごく最近まで甚だしい人種差別が当たり前のように行われていた事実は確認でき、とても役に立った。ただし、差別イコール「悪」と捉えて全体に論理が展開されているように感じられ、一方的に体制批判的なところには違和感があった。
「圧倒的多数は戦争に反対でしょうが、戦争がこの世界から消滅したことは人類史上ありません。私たちのうちに民族・宗教・性別・文化などの差異がある以上、つまりは私たちが他者と共に生きている以上、他者を差別したり排除したりする言説は永 -
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経済学は弱者を切り捨てる傾向があるが、その点を批判し、弱者救済の必要性を誰もが求める「必要」に社会が応えるべきとのアプローチによって話を展開させている。私は、新自由主義が本来あるべき姿だと思っているので、著者の考え方とは違うのだが、多様性の視点は、社会の発展に必要ではあり、何が将来の社会発展に寄与するのかはわからないので、著者の考え方も否定して良いものか考えさせられる。頭に置いておきたい。
「すべてを経済成長で解決していこう、さまざまな「必要」はあるだろうが、それは経済成長による成果を分配することによって解決していくだろう、という考え方は、もはや採れない」p37
「(アダム・スミス)自由競争 -
Posted by ブクログ
アダム・スミスにはじまり、ミル、マーシャル、ケインズ、マルクス、さらに現在の市場主義的な常識の形成に影響をあたえたハイエクやフリードマンの思想についてわかりやすく解説している本です。
著者は「はじめに」で、「本書では、あえて経済学の歴史を一筋のストーリーとしてとらえたいと思う」と述べています。著者はまずスミスの思想について解説し、資本主義経済を正当とみなすことができるための条件として、「自由競争市場がフェア・プレイに則った競争の場であること、特に資本を動かす人間がフェア・プレイを意識する人間であること」「資産を事業に活用するのではなく、貸し出して利益(利子・地代)を得ようとする場合、その行動