【感想・ネタバレ】はじめての経済思想史 アダム・スミスから現代までのレビュー

あらすじ

よいお金儲けを促進し、悪いお金儲けを抑制する、それが経済学の本質だ! アダム・スミス、マルクス、ケインズら経済思想家は、現実といかに格闘したのか? 一冊で経済学の歴史がわかる決定版入門書。

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Posted by ブクログ

経済学は高校の社会まで株を少しかじる程度の自分には、とても良き入門書だった。教科書レベルの偉人の考えを通じて、良い金儲け/悪い金儲けの観点で富を如何に分け活用すべきかが一貫して書かれている。著者曰く「所有者が主役から降りていく」流れを。

良い金儲けとは、労働の対価であり、雇用/生活水準含めた社会還元であり、悪い金儲けとは、私利私欲、不労所得、社会に貢献しない富の搾取である。ただ、線引きは難しく時代と共に思想トレンドは変わり、その意味で道徳/思想/哲学が非常に絡んでくる。
国富論や見えざる手で有名な資本主義/道徳性/公正さを説くアダム・スミスを原点にして、資本家と労働者の格差が拡がり労働者の隷属からの解放のため組織/会社として道徳的/倫理的な「経済騎士道」精神で成長を説くミル/マーシャルに続き、富の所有者(株主)と活用者(経営者)が分離し、金融経済の行き過ぎた膨張を懸念して実体経済=産業が発展するよう政治介入を説くケインズ、時代は前後するが、資本主義の反社会性/非道徳性の元となる私有を否定、個人的所有を説くマルクスと続く。加えて、著者曰くスミスからの本流に対して傍流だが現代経済の主流として、疲弊した戦後からの脱却には上手く回ってた政治の汚れに伴い、自由主義/市場主義への回帰を主張するハイエク→フリードマンを解説。

強者主導の経済か、弱者救済の経済かのバランス/グラデーションが大事と言えば単純化が過ぎるが、今後の流れに関する著者の見立てについても共感。専門書と違って入門書は著者の思想も盛り込まれて楽しい。

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2026年03月20日

Posted by ブクログ

理系出身で経済学全くの初学者です。経済について学びたいと思い、手に取ったのがこの本でした。率直に言って、とても分かりやすかったです。
ネタバレになってしまうので多くは語れませんが、著名な学者たちの思想を一筋に捉えて述べられていなので、背景をしっかりと理解しながら学ぶことができました。

初学者の方も、経済学をすでに学んだことがある方にも、ぜひおすすめしたい一冊です。

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2025年05月24日

Posted by ブクログ

アダムスミスから、現代経済学に至るまで、会社と個人のあり方を整理した経済思想史を概略。

非常に分かりやすい一つの筋が通っている。
この考え方がメインストリームかどうかは別にして、著名経済学者の立ち位置が明確になった。

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2021年10月12日

Posted by ブクログ

ネタバレ

経済思想史が「良いお金儲け」にまつわる道徳の歴史であることがわかった。
ユダヤ教にしか認められていなかった私有財産をアダムスミスが認めたということは神の人間化のような宗教観の変化もあるんだろう。

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2020年03月14日

Posted by ブクログ

本書は「スミスの挙げた資本主義の道徳的条件を満たすための挑戦として,スミス以後の経済思想史」を平易にだが,本質的に把握しようと試みたものである。

「お金儲けがフェア・プレイの精神とも,社会全体との富裕化とも切れた利潤獲得機械になってしまうことを,いかに抑止するか」という筋で,J.S.ミル,A.マーシャル,ケインズ,マルクスが取り上げられる。

一方,その筋からはずれると著者が考えるハイエクとフリードマンは傍流として位置づけられる。傍流ではあるが,現代の経済政策などに強い影響力をもつ経済思想という位置付けだ。

そして,最後に「組織の経済学ー現代の経済理論における株主の位置づけ」が置かれる。これは,「所有者が主役から降りていく」経済思想史の流れのなかに位置づけられる「経済学の本流」の最前線だからだ。

新書の帯には「一冊で経済学の歴史がわかる決定版入門書!」とあるが,経済学の歴史というよりも経済思想の流れであり,それは「お金儲けの暴走によって邪魔されることなく,庶民の努力を引き出すことが,豊かな国を作り出す本筋」という著者の思想によって紡がれたストーリーである。

しかし,そのストーリーは非常に説得性に富み,示唆に富んだものだと言えよう。

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2018年07月14日

Posted by ブクログ

経済学の本なんて一生読まないだろと思っていたが、社会に生きる一大人として興味本位の挑戦に身を投じました。
結論
やっぱ全体的に興味ないけど、金儲けそのものは悪いものではないと薄々感じた次第で、要はその方法と倫理観が重要。

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2024年02月28日

Posted by ブクログ

まさに経済学が実学としてどう適応されてきて今後どうなるかをわかりやすく体系化した入門書。社会福祉国家の行き詰まりから哲学的自信を失った経済学が道を誤った1980〜の40年間。そこからようやく抜け出そうとしている兆しを書いている。

また、会社は何のためにあり誰のもの?という経営と労働に関する手引きにもなる。

経済学部以外の大学生が教養原論として通って欲しい1冊。もちろんこれは筆者の意見というストーリーに揃えられているのだが、反対派の意見や推薦図書も出てくる。そこも学んで自らの見解を持てるとなおよいと思う。

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2021年05月02日

Posted by ブクログ

経済学は、良いお金儲けを推進し、悪いお金儲けに対抗する学問であるということからはじまり、このテーマに関して、250年前のアダムスミスの時代から現在に至るまで、経済のあり方の変化と著名な経済学者の思想とともに、一本のストーリーのように綴られている。
この本のなかで、主要な経済学者として、スミス、ミル、マーシャル、ケインズ、マルクス、ハイエク、フリードマンが登場する。彼らの思想が時代の流れとともにどのように生まれたかが、非常につかみやすい構成だった。

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2019年04月13日

Posted by ブクログ

アダム・スミスにはじまり、ミル、マーシャル、ケインズ、マルクス、さらに現在の市場主義的な常識の形成に影響をあたえたハイエクやフリードマンの思想についてわかりやすく解説している本です。

著者は「はじめに」で、「本書では、あえて経済学の歴史を一筋のストーリーとしてとらえたいと思う」と述べています。著者はまずスミスの思想について解説し、資本主義経済を正当とみなすことができるための条件として、「自由競争市場がフェア・プレイに則った競争の場であること、特に資本を動かす人間がフェア・プレイを意識する人間であること」「資産を事業に活用するのではなく、貸し出して利益(利子・地代)を得ようとする場合、その行動が資産をよい用途に向けていく助けになり、全体の富裕化を促進すること」「強者が弱者を支配せず、相互利益の関係を結び、弱者の側の能力も活かされること」の三つの条件をあげます。そのうえで、その後の歴史的展開のなかでこの三つの条件を回復する試みとして、ミル、マーシャル、ケインズ、マルクスの思想を解説しています。

わかりやすいストーリーに載せて経済思想史を解説しているので、著者自身の立場にそった解説となっており、どうしても一面的な見方になっているようにも感じますが、「はじめに」で述べられている著者のねらいは十分に果たされているように思います。

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2020年08月03日

Posted by ブクログ

スミス、ミル、マーシャル、ケインズ、マルクス、ハイエク、フリードマン。経済学者をきりつめるとこういう感じになるのね。
と思ったが、よく読むとなんか微妙なところがあるな。

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2020年06月15日

Posted by ブクログ

アダム・スミスを語るときに道徳感情論に着目。「道徳性」や「公正さ」と資本主義との両立ができていない「悪いお金儲け」(「よいお金儲け」の対義語)が力を持った時にどう対処するかという観点で一本筋が通っている経済思想史。経済思想史上の錚々たる有名人についてちょうど良い分量で語っていて、読みやすいです。

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2018年08月11日

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