岡本好貴のレビュー一覧

  • 電報予告殺人事件

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    ヴィクトリア朝のイギリスを舞台にしたミステリー。先端の電信事業を担う電信士のローラが主人公で、当時の女性の置かれた立場や男性同僚からの差別的言動などの生きにくさを縦軸に、電信局で発生した殺人事件を解決しようと被害者の甥と組んで奔走する姿を横軸に展開する。事件は連続殺人事件に発展し、更に詐欺事件も加わり複雑に広がっていく。ふとした時に表れる彼女の電信士としての能力がクスッとさせてくれるし、不正を憎む真っ直ぐな心根が気持ち良い。良い意味で楽しく裏切られた作品。表紙の蝶々の意味は深読みかな?装丁の方に聞いてみたい。

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    2025年09月23日
  • 電報予告殺人事件

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    ヴィクトリア朝大英帝国の巨大情報網の核となった電信事業。それを担う一員である電信士のローラ・テンパートンは、仕事と家庭を持つという夢の間で悩む日々を送っていた。
    ある晩、彼女は電信局を訪れた局長アクトンの甥ネイト・ホーキンスを案内するが、アクトンは密室と化した局長室で死体となって発見された。容疑者と目されたネイトの無実を確信したローラは、自らの職能を活かして調査に乗り出すが…。こういう作品が好き!面白かった!犯人には全く共感できないけど。ずっと追いかけたい作家さんです。

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    2025年09月30日
  • 電報予告殺人事件

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    端正なつくりの良品。「電信」という今では珍しくなってしまったシステムを上手く取り入れて、興味を引き付けると同時に、行われる犯罪にもきちんと関わらせてある。
     トリックは一部分、動機など見えないところもあったが、他はひねくれたミステリ読みでも充分納得させられた。これくらいシンプルかつ時代遅れ?な方が良い意味で安心して読める。
     今後も期待したい。(本の造りのシンプルながらもすっきりとした美しさも良く合っている)

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    2025年08月27日
  • 電報予告殺人事件

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    昔ながらのピュアな本格ミステリー、密室での毒殺事件! 電報で犯行予告が届く謎… #電報予告殺人事件

    ■あらすじ
    ヴィクトリア朝のイギリス、女性ながらも電信士として仕事を得ていたローラ。誇りをもって職務についている彼女であったが、両親からは結婚を急かされ、自身も家庭を持つ幸せに憧れていた。

    ある日、局長から出世の打診がされ、身の振り方を考えるように依頼される。しかし悩んでいた彼女は、局長に相談するために執務室に行くのだが… 局長は密室で毒殺されていたのだった。

    ■きっと読みたくなるレビュー
    今や通信手段と言えば、スマホでLINEが主流ですよね。メッセージも会話もいとも簡単にできちゃう。むか

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    2025年06月27日
  • 電報予告殺人事件

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    過去を舞台にしたミステリである以上、違和感を感じる描写あるけど面白かった。


    2928冊
    今年156冊目

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    2025年06月04日
  • 帆船軍艦の殺人

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    第33回鮎川哲也賞受賞作。主人公ネビルの日常が強制徴募によって破壊されるというショッキングな序盤や過酷な船内生活などドラマチックなストーリーで純粋に面白かったです。
    ミステリ的には帆船軍艦内での不可能犯罪という設定は魅力的で、舞台を活かしたオンリーワンなトリックも良かったものの、演出の仕方次第ではもっと面白くなりえただけに勿体ない印象を受けました。

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    2025年01月12日
  • 帆船軍艦の殺人

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    帆船軍艦での訓練や生活、戦闘が生々しく描かれておりパイレーツオブカリビアンの世界が味わえる。その中で起こる殺人事件。真っ暗闇の夜や不可能状態など面白く読めた。
    オチは強引なハッピーエンドなのが御愛嬌。

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    2024年01月24日
  • 帆船軍艦の殺人

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    18世紀イギリス海軍、水兵の現実と戦争の不条理さが切ない冒険&本格ミステリー #帆船軍艦の殺人

    ■あらすじ
    18世紀のフランスと戦争状態だったイギリスでの物語、イギリス海軍は帆船軍艦の水兵の人材が不足していた。靴屋を営んでいた主人公ネビルは、ある日酒場で友人と呑んでいたところを、海軍につかまってしまう。彼は強制的に軍艦に乗せられ、水兵として働くことになってしまい…

    ■きっと読みたくなるレビュー
    国産ミステリーとは思えない、18世紀の海洋を舞台に繰り広げられる物語。イギリス海軍、帆船軍艦の水兵たちの現実をありのままに描きながら、船内で発生した殺害事件を謎を解き明かす本格ミステリーです。

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    2023年12月24日
  • 帆船軍艦の殺人

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    阿津川先生と青崎先生が揃って今年のベストに挙げていたし、一般の方からも評判が良かったので、楽しみにしていた作品。

    鮎川哲也賞は、やっぱりハズレが少ないなーという印象。
    軍艦の上で起こる殺人ということで、知らない慣習も多く序盤でも飽きない。
    船乗りというと、荒くれ者が多いかと思いきや、意外に新人の面倒見が良く、研修?みたいなこともしっかり行われる。

    久々に当直の交代時間を書き出したり、5層ある戦艦の階層をメモしたが、あんまりトリックには関係なかった…残念…

    もっと食卓班の皆の話も掘り下げてほしかった。みんな魅力的なキャラだったので。

    あと、どうでもいいところだけど、ネビルが捕まるまで飲む

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    2023年11月19日
  • 帆船軍艦の殺人

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    久しぶりの鮎川哲也賞大賞作品。イギリス海軍の帆船軍艦で巻き起こる事件を扱った正統派本格ミステリ。強制徴兵されたネビルの目線と殺人事件の真相解明を任されたヴァーノン海尉の目線が主だが数多くの人物を魅力的に動かして読ませる。事件はまとまっており特に1つのトリックには大いに興奮した。そっちで来るかと。また前半の軍艦内での生活を丹念に描く部分は冗長的とも取られるが個人的には◎。やっぱり大航海時代の物語が単純に好きだと実感。展開がよめてしまう所は勿体無いものの犯人あても全うで新人作品としてはありなんじゃないかな。

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    2023年11月10日
  • 電報予告殺人事件

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    ミステリーはあまり読まないんだけど、イギリス好きなので大変面白かった。
    翻訳ものっぽい体裁で、18世紀のロンドンの描写もリアリティがあった。
    なんとなく、舞台の台本っぽい雰囲気が名探偵津田を思い出させてそこもツボった。ww

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    2025年10月25日
  • 帆船軍艦の殺人

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    良作。鮎川哲也賞って本格に大きく偏っているイメージなんだが、本作は謎解き部分はかなりあっさりしており、どちらかというと、強制徴用により妊娠中の妻と離別した男の苦難を描いた冒険譚的なパートが非常に面白かった。
    水兵は4時間ごとの2交代制で過酷な肉体労働を強いられ、睡眠時間もわずか4時間。食べ物はウジ虫の沸いたビスケットと塩漬けにされた硬い肉。士官に気に入らないことがあると水兵は鞭を打たれて、全身に赤い模様が浮かび上がる。そんな環境で精神が荒廃し、狂い出す者も多い水兵達だが、語り手ネビルは同じ水兵仲間と打ち解け合うことでなんとか正気を保っているが、仲間と共に船からの脱出を試みる。そんななか不可能状

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    2025年10月05日
  • 電報予告殺人事件

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    ネタバレ

    働く女性に偏見を持つ父親、有能な女性に嫉妬する男性、無能な警察と前半は問題だらけでローラが大変。電報の謎が分かってくると、また展開が変わり面白い。昔から人間って変わらない…。ローラの思い込みがちょっと強いのと、容疑者がそもそも怪しすぎるのが気になるけど、全体的には楽しく読めた。結末も好みで良かった。

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    2025年09月19日
  • 帆船軍艦の殺人

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    序盤はいいものの、肝心の真相部分とか後半がやけに駆け足だったりとかとこまごまとした不満がないでもないですが、それよりもなによりも「帆船軍艦」という舞台設定があまりにも魅力的すぎる。もちろん登場人物たちは過酷な状況下であるのはわかってはいるんですが、読み手としてはその生活環境がとにかく興味深い。もうそれだけでも一読の価値ありだと断言できます。
    しかし帆船についてもっと掘り下げられそうな部分も多く感じたので次回作もなんなら帆船もので!もっと読みたい!というのが正直な感想。

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    2025年02月19日
  • 帆船軍艦の殺人

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    鮎川哲也賞受賞作。18世紀末のイギリス海軍に属する帆船軍艦を舞台にしたミステリーだが、謎解きは少なめ。ただ、水兵達や士官達の生活や、登場人物の描き分けがしっかりしていて海上冒険小説として斬新で面白かった。エピローグの急展開は、著者がポジティブな人なのかな、と思わせてくれた。今後もこの著者の作品が出たらまた読みたいと思う。

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    2024年05月31日
  • 帆船軍艦の殺人

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    舞台のチョイスが良いと思いました。
    ただ個人的に、主役以外のキャラ付け?があまり描写に活かされていないように感じました。

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    2024年04月25日
  • 帆船軍艦の殺人

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    第33回鮎川哲也賞受賞作。
    18世紀、フランスと戦うイギリス海軍の軍艦で起こる殺人事件。強制徴募された新米水兵の目線で描かれる軍艦の生活はとんでもなく過酷で、序盤は帆船お仕事小説っぽかったが、次々と殺人が起き、フランスとの戦闘で戦死者もでて状況は緊迫してゆく。
    ミステリとしては、舞台となる帆船になじみがないので最初のイラストを見ながら読まないとよくわからない部分が多くて難しかったが、帆船ならではのトリックもあってなるほどと思った。それ以上に海洋冒険小説として面白かった。

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    2024年03月15日
  • 帆船軍艦の殺人

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    十八世紀末、フランスと交戦状態にある英国海軍は常に兵士不足だった。強制徴募された若者たちを乗せ、戦列艦ハルバート号は北海を目指すが、新月の夜に衆人環視下で水兵が何者かに殺害される事件を切っ掛けに、続けて不可解な殺人が発生。逃げ場のない船の中で、誰が、なぜ、そしてどうやって殺したのか? フランス軍との苛烈な戦いのさなか、軍艦という巨大な密室で相次ぐ不可能犯罪を描く第33回鮎川哲也賞受賞作。①軍艦の中?船室?が理解力ないせいでわからない②登場人物の名前が覚えられない。
    致命的ですが、それなりに楽しく読みました

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    2024年01月08日
  • 帆船軍艦の殺人

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    3年ぶりの鮎川哲也賞受賞作品。1795年のイギリス海軍が物語の舞台。読む前はこの設定にスッと入れるかちょっと不安だったけど、読み始めるとすぐに物語の世界に引き込まれました。逃げ場のない船上で起きる連続殺人事件。トリックもこの設定ならではでおもしろかったし、絶望的な状況スタートの主人公だけど、同じ班のメンバーがみんないい人で良かった。

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    2024年01月03日
  • 帆船軍艦の殺人

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    鮎川哲也賞が文学界においてどれだけの価値ある賞かはしらないけど期待して読んだ割には内容はごく普通。
    最初からもうハッピーエンドは予想でき当にその通りになり失望。
    作者ファンには申し訳ないがそんなに良い作品とは思えなかった。

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    2023年12月03日