岡本好貴のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
昔ながらのピュアな本格ミステリー、密室での毒殺事件! 電報で犯行予告が届く謎… #電報予告殺人事件
■あらすじ
ヴィクトリア朝のイギリス、女性ながらも電信士として仕事を得ていたローラ。誇りをもって職務についている彼女であったが、両親からは結婚を急かされ、自身も家庭を持つ幸せに憧れていた。
ある日、局長から出世の打診がされ、身の振り方を考えるように依頼される。しかし悩んでいた彼女は、局長に相談するために執務室に行くのだが… 局長は密室で毒殺されていたのだった。
■きっと読みたくなるレビュー
今や通信手段と言えば、スマホでLINEが主流ですよね。メッセージも会話もいとも簡単にできちゃう。むか -
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18世紀イギリス海軍、水兵の現実と戦争の不条理さが切ない冒険&本格ミステリー #帆船軍艦の殺人
■あらすじ
18世紀のフランスと戦争状態だったイギリスでの物語、イギリス海軍は帆船軍艦の水兵の人材が不足していた。靴屋を営んでいた主人公ネビルは、ある日酒場で友人と呑んでいたところを、海軍につかまってしまう。彼は強制的に軍艦に乗せられ、水兵として働くことになってしまい…
■きっと読みたくなるレビュー
国産ミステリーとは思えない、18世紀の海洋を舞台に繰り広げられる物語。イギリス海軍、帆船軍艦の水兵たちの現実をありのままに描きながら、船内で発生した殺害事件を謎を解き明かす本格ミステリーです。
文 -
Posted by ブクログ
阿津川先生と青崎先生が揃って今年のベストに挙げていたし、一般の方からも評判が良かったので、楽しみにしていた作品。
鮎川哲也賞は、やっぱりハズレが少ないなーという印象。
軍艦の上で起こる殺人ということで、知らない慣習も多く序盤でも飽きない。
船乗りというと、荒くれ者が多いかと思いきや、意外に新人の面倒見が良く、研修?みたいなこともしっかり行われる。
久々に当直の交代時間を書き出したり、5層ある戦艦の階層をメモしたが、あんまりトリックには関係なかった…残念…
もっと食卓班の皆の話も掘り下げてほしかった。みんな魅力的なキャラだったので。
あと、どうでもいいところだけど、ネビルが捕まるまで飲む -
Posted by ブクログ
良作。鮎川哲也賞って本格に大きく偏っているイメージなんだが、本作は謎解き部分はかなりあっさりしており、どちらかというと、強制徴用により妊娠中の妻と離別した男の苦難を描いた冒険譚的なパートが非常に面白かった。
水兵は4時間ごとの2交代制で過酷な肉体労働を強いられ、睡眠時間もわずか4時間。食べ物はウジ虫の沸いたビスケットと塩漬けにされた硬い肉。士官に気に入らないことがあると水兵は鞭を打たれて、全身に赤い模様が浮かび上がる。そんな環境で精神が荒廃し、狂い出す者も多い水兵達だが、語り手ネビルは同じ水兵仲間と打ち解け合うことでなんとか正気を保っているが、仲間と共に船からの脱出を試みる。そんななか不可能状