齋藤圭介のレビュー一覧
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題名も刺激的だし、中身もかなり過激と感じる方もいるかもしれない。しかし、極めて正論だと感じた。
アメリカで中絶手術は合法か否かが長いこと政治的な争点とされてきた。日本でも、あまり話題にはなってないが、経口中絶薬を認めるとか認めないとか、署名運動も起こっていたのも記憶している。中絶の前に、妊娠があり、その原因となる行為がある。
引用すると、「セックスをするから望まない妊娠をするのではありません。望まない妊娠は、男性が無責任に射精をした場合にのみ起きるのです」まぁ、この無責任というのがどういう場合か、多くの人は想像できるだろうと思うけど、まさに、目から鱗。中絶の是非の論争を、まずは妊娠のスタート地 -
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中絶問題の論点を転換させる挑戦的な書籍。
中絶の是非を問う前に望まない妊娠を防ぐことに力点を求めるべきである。首肯であるし、男性である自分はこれからどのように振る舞うかを試されている。
と同時にこのテーマに対して議論できる人が周囲にどの程度いるのか、もっと具体的には本書を手に取った男性ははどの程度いるのだろうか。この本を勧めることができる人がイメージできないなというのが少しもの悲しい。
男性が射精して卵子が受精することで懐妊すると事実は変わらないのに、視点を変えることで今までの女性責任偏重の空気を打開するきっかけを与えてくれる。ものごとをや言説を鵜呑みにするのでなく多角的に見直すという -
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著者のブレアさんは、アメリカのモルモン教徒。6児の母でもある。
確かモルモン教は、中絶はしないと言う教えだったはずだが、恐らく望まない妊娠もあったのだろう。
そしてアメリカでは人工中絶を法律で許すのか(プロチョイス)、許さないのか(プロライフ)で、世論を二分している。プロライフの方は、胎児の代弁者として、中絶は命を不当に奪っていると主張し、キリスト教福音派に多い。(かのセクハラ、歩く生殖器みたいなドナXX・XXンプ氏がこれを主張しているのは、悪い冗談のような気がする)
ここでブレアさんが言うのは、中絶賛成・反対の議論が出てくる前に、望まない妊娠をどうするかと言う本質的な話しがあるべきだと。そ -
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この痛烈なタイトル。
本の内容はこの一言で語りつくされると言ってもよかろう。
しかしこの本は、繰り返し繰り返し、
このテーマを深堀している。
我々男性にとっては耳の痛い話、気づいていない話ばかりだ。
と書きつつ、私は比較的気づいていたほうだと思う。
それは、妻が気が強い、はっきりものを言える女性だったからかと。
女性がどういうものか、否応なしに気づかされた。
この本に書かれている何割かは、身をもって理解できていた。
しかし、初めて気づかされたこともある。
それは、「セックスが男性のオーガズムで終わる」
という不公平さだ。
そういうものだ、と思い込んでいた。
たしかに、女性が先にオーガズムに -
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発売前から「射精責任」のタイトルと訳者が村井理子さんと知り、読むのを楽しみにしていた
インパクトのある赤い表紙、目に飛び込んでくる「射精責任」の文字で装丁もカッコいい!
読むやすい文字の大きさ、28の提言に分かれている
(文字が見にくいお年頃にはありがたい)
・セックスをするから望まない妊娠をするのでは
ありません。
・望まない妊娠は男性が無責任に射精をした場合に
のみ起きるのです。
気持ち良いくらいバサバサと切り込んでいるが、決して男性を非難していない
他の方の感想にあったように性教育のバイブルにしてほしいくらいの本
性教育は人権教育だから
幼児期から(自分の心と体を大切にす -
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センセーショナルなタイトルだが、著者が訴えていることはごく当たり前のことだ。
これは全ての男性達と、この事実に気付かない女性達に向けた本である。
以下引用。
“オバマケア(医療保健制度改革法)
では、雇用主に対し避妊具や避妊薬の全額保険適用を義務づけていたが、トランプ政権はそれを撤廃した。”
“北米では、4人に1人の女性が、一生のうちに一度は性的暴行を経験すると言われています。とある研究では30%から35%の男性が、法的に逃げ切ることができるのであればレイプすると認めています。イギリスで2万2千人の女性を対象とした調査では、51%が、寝ているあいだにパートナーにセックスをされたり、性的行 -
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望まない妊娠や中絶の議論をするとき、その中に男性がまったく入っていないのはなぜなのか。議論の出発点を再定義する。
個人的にずっと疑問に思っていたことがある。時々トイレやコインロッカーに生まれてすぐの嬰児が遺棄される事件、大抵は亡くなってしまい、殺人死体遺棄事件になるけれども、その時に罪に問われるのはなぜか女性だけだということだ。だって普通は子どもは一人では作れないから、関係者がもう一人いるってことでしょう?その人はなぜ何のお咎めもなく済むのかしら?
望まない妊娠や中絶問題の延長上にあるこの疑問の答えのようなものが見つかるかな、と思って読みました。
著者がこの本を書いた動機は、中絶の禁止は違