渡辺保のレビュー一覧
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勧進帳といえば歌舞伎好きの方には「またか」と言われるほどのものと聞いたけれど、だがその昭和以降に根付いてしまった大衆性故に見過ごし、忘れてしまっていた「義経と弁慶」、「弁慶と富樫」という関係を改めて考えなおすことができる良い一冊。もちろん純粋に筋書き、歌舞伎ばかりの側面にかぎらず、弁慶役者といわれた...続きを読むPosted by ブクログ
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[ 内容 ]
歌舞伎座は平成二十二年春、建替えとなって、親しまれたあの建物が東銀座から消える。
五歳になった昭和十六年から歌舞伎座に通いはじめて、六代目菊五郎、初代吉右衛門はもとより戦後再建された歌舞伎座五十八年間の舞台はことごとく見てきた。
そんな劇評の第一人者が、魔ものが棲むという劇場でくり広げ...続きを読むPosted by ブクログ -
歌舞伎評論の第一人者として知られる著者が、「勧進帳」の魅力について論じた本です。
四代目市川海老蔵(七代目團十郎)が、能の「安宅」をもとに「勧進帳」を構想し、1840年に河原崎座ではじめての上演がなされるにいたるまでの経緯や、明治時代の九代目團十郎の死後、現代にいたるまで「勧進帳」が数多く上演され...続きを読むPosted by ブクログ -
さすが知識、鑑賞経験豊富で、確かに「私の」と書名につけても良い方。名優も通もいなくなり、戦後の歌舞伎を伝える術がなくなる中、筆者にはできる限り舞台を見続けていただき、そして文章に残してもらいたい。Posted by ブクログ
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1889年に開設され、2010年に現在の姿に建て替えられることになった歌舞伎座に、60年にわたって通い数々の演技を見てきた著者が、その記憶を振り返っているエッセイです。
著者は、本書のなかでしばしば「私は歌舞伎座の歴史を書くつもりはない」と述べており、あくまでエッセイとしてのスタイルを崩してはいな...続きを読むPosted by ブクログ -
劇評家の渡辺保さんが、自身の観劇歴をまじえつつ、歌舞伎座の名舞台を振り返る。。歌舞伎ビギナーにも見巧者さんにもオススメな1冊。
伝統を守るというのは、つまり新しい時代を切り拓いていくこと、変化し続けることなんだなーと思えてきます。Posted by ブクログ