ジェームズ・サーバーのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ネタバレ絵がすごくシンプルなぶん、言いたいことが強く伝わってきた。
兵士が戻ってきたところや次の戦争が始まったところなんか、特に。
最後の花は、全てが破壊しつくされたとしても必ず残る希望ではある。
その花を咲かせて、ゼロから文明を取り戻して…というところまでやるのも人間だけど、それをまた破壊するのも人間。
ウサギ達に襲いかかられてもしょうがないのでは、、とか、いっそ何も残らない方がいいのでは、、、とか思ってしまうほど、人間の愚かさを思い知る。
村上さんの翻訳も、村上さんの存在感が少しだけ見えるような感じで、あとがきも含めてすごく良かった。 -
Posted by ブクログ
この本は。
人類へのギフトてす。
度重なる戦争で、幾度美しい地球を台無しにしても懲りることなく破壊を繰り返す愚かな人類へのギフト。
どうか人類に、このギフトの意味を受け止める度量がありますように…。
この本が創刊されたのは第二次世界大戦が勃発したばかりの頃なのです。
そして、なんと。
この本の始まりは人類が第十二次世界大戦を起こした時の話。
戦争により世界が丸ごと破壊され、人々が愛や希望を失った時。
1輪の花が1人の心を救いました。
花は人の心に愛をもう一度灯し、やり直す勇気をくれたのです。
たった1輪の花が。
絶望からのやり直しはとても大変なことなのに、人々は愛と知力で復活させました。
それなのにどういうことでしょう。
文明からは再び邪悪な心や妬みが産まれ、またしても戦争に…。
いまだまさにそのループのただ中にいる私たち。
一輪の花も残らないほどに地球を痛めつけてしまう前に気づいてほしいと願わずにいられません。
人類はただの地球のいちメンバーにしか過ぎないことを。
訳者である村上春樹さんのあとがきにギュッと心がしめつけられます。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ本文の文章(村上春樹訳)をそのまま使用して途中端折りながら大まかなあらすじを書きます。
あらすじー
第十二次世界大戦があり
文明が破壊されます。
少年たちと少女たちは成長しても、
ただおたがいをぼんやり見つめあうだけです。
愛がこの地上からそっくり消えてしまったから。
ある日、それまで花をいちども見たことのなかった
若い娘が、たまたま世界に残った最後の花を目にしました。
彼女の話に興味を持ってくれたのは、
よそからやってきたひとりの若い男だけでした。
若者と娘は花に養分をあたえ、
花は元気をとりもどしました。
花は二本になり四本になり、
林と森がまた地上にもどってきました。
世界に愛が再びうまれました。
若者と娘のあいだに子供が生まれ育ちました。
町や都市や村が生まれました。
そして兵隊たちも。
まもなく世界にはまったくなにひとつ残りませんでした。
ただひとりの男性と
ひとりの女性と
そして一本の花だけはべつにして。
訳者あとがきより抜粋
(前略)
本作品『世界で最後の花』は1939年11月に刊行され、その年の9月にナチス・ドイツ軍がポーランドに侵攻し、第二次世界大戦が勃発していると述べています。(中略)
この本はローズマリーに捧げられていますが、彼女は1932年に誕生したサーバーの一人娘でした。彼女の生きた世界は、お父さんの願い通り「より善い」世界だったのでしょうか。(中略)
みなさんもご存知のように、世界では今でもこの現在も、残酷な血なまぐさい戦争が続いています。いっこうに収まる気配はありません。それはあとになったら当事者の将軍たちでさえ「何のための戦争だったかもう思い出せない」ような戦争であるかもしれません。そんな中で「世界で最後の花」を守るために、多くの人が力を合わせています。この本も、そんなひとつの力になるといいのですが。
感想
血なまぐさい戦争をどうにか明るいファンタジーに描き希望がみえるところがよいと思います。
「世界で最後の花」がまだ現れるうちは希望があります。
「世界で最後の花」が二度と現れなくなったらと思うと怖い気がします。 -
Posted by ブクログ
『世界で最後の花 絵のついた寓話』
ジェームズ・サーバー 作・絵
村上春樹 訳
ポプラ社刊
1939年、第二次世界大戦開戦時に描かれた世界的ロングセラーだそうです。
分かりやすく、シンプルで
伝えたいということがドーンと真ん中軸に伝わる絵本です。
訳された村上春樹さんの言葉として帯に書かれているのは、
『戦争に関する作品のなかで、最もシリアスで、最も皮肉とユーモアを感じる一冊である』
その通り、まるで風刺画のようなイラストに
一言添えてあるような文章で進められる絵本。
絵本の始まりは、第十二次世界大戦が終わるところから。
戦争が終わった世界と、その後の世界と時間の流れ、復興を描きます。
キーポイントは『世界で最後の花』
今現在も世界には戦争が続き、
私が第二次世界大戦を知った小学生の時、
金大中と金正日が握手を交わした歴史的な日を記憶する中学生の時、
そこから20年も経過して、
また新しい戦争が始まり、内戦があり、摩擦も燻り続け、
「何にも変わらないなあ」
「歴史は繰り返すなぁ」
と読んで思いました。
直接的に感じることがなく、遠いところから見通す生活をしている私たちは、
きっとこの本が伝えるところのことを、
「その通り」と思うことだと思います。
その通り、なんだけど
その通り、だけではなかなか世界は立ち行かないのだろうね。
だから歴史は繰り返すし、戦争が0になる世の中はないって言われるんだろう。
すごくシンプルなことなのにね。
微かな希望と、ずーんと重たい気持ちと、
そんなものがないまぜになって大人の私は心が灰色になるような重たさの残る読書後でしたが、
読み聞かせた6歳の次男はその中でも“希望”の分量を大きく受け取ったようでした。
みんなに読んでほしい。そして考えてほしい。
※ただし決して考えすぎて、伝えたいこと以外まで深読みはして欲しくない。
直接的に実感すること・体感することでなくても、考えることや、自分にとっての最後の花を守り愛することはできるからね。
簡単な漢字ばかりなので小学校中学年以上は読めると思います。
私は次男にも今から何度も読んで欲しくて、ふりがなを振っておきました。
幼稚園の子も、読めさえすれば感じることがあると思う。
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Posted by ブクログ
戦争を繰り返す人類の揶揄絵本
以下、公式の説明
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なぜ人間は戦争を繰り返すのか?
わたしたちは戦争のない未来をつくることができるのか?
第二次世界大戦開戦直前に描かれた、今を生きるわたしたちに託された平和への切実な願い。世界で読み継がれてきたロングセラーを、村上春樹の新訳で復刊。
【内容紹介】
第十二次世界大戦が起きた世界。文明は破壊され、町も都市も、森も林も消え去った。残された人間たちは、ただそのへんに座りこむだけの存在になってしまった。ある日、ひとりの若い娘がたまたま世界に残った最後の花を見つけます。その花をひとりの若い男と一緒に育てはじめます。すると……。
【ニューヨーク・タイムズ紙絶賛!】
「戦争に関する作品のなかで、最もシリアスで、最も皮肉とユーモアを感じる一冊である」
【村上春樹氏による訳者あとがきも収録】
世界では今でも、この現在も、残酷な血なまぐさい戦争が続いています。いっこうに収まる気配はありません。それはあとになったら、当事者の将軍たちでさえ「何のための戦争だったかもう思い出せない」ような戦争であるかもしれません。そんな中で「世界で最後の花」を守るために、多くの人が力を合わせています。この本も、そんなひとつの力になるといいのですが。(「訳者あとがき」より抜粋)
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何で人は戦争をするのかと言えば、何らかの資源の奪い合いというのが本質なのだろうな
だから、人口が適切で人々の生活が充分に満たされていれば戦争は起こらないのかもしれないけど
そんな夢みたいな世界が実現するわけがない
SFのディストピアみたいな、人類が完全にコントロールされたものなら成立するかもしれないけどね
ただ、人類は戦争そのもので滅亡することはない
核兵器がどれだけあっても、それでも生き残る人はいるだろうし
そして生き残った人達やその子孫の生活圏が重なれば、いずれ資源の競合が起きて戦争になってしまうと
絵空事ではあるけど、「世界で最後の花」を皆で大事に育てられればいいのになぁと思う -
Posted by ブクログ
今だからこそ読みたい、読んでおくべき作品だと感じました!そして、読んでよかったと思いました。作はジェームズ・サーバーさん作、訳を村上春樹さんが手がけられています。
ストーリーは、第十二次正解大戦後の何もない世界からはじまります。何もない世界では、生きている人間も何も感じない無の世界…。そんな中、1人の女性が世界に残った最後の花を見つけ、その花を1人の男性と一緒に育てることになるのだが…。
過ちを繰り返すのが人間…でも、繰り返さないようにできるのも人間なのではないでしょうか…。先の大戦も、今まさに起きているウクライナ侵攻も、何のためなんでしょう?そこにあるのは大きな犠牲だけ…みんなわかっているはずなのに、やるせないですよね…。「世界で最後の花」を守るために、私にもできること…考えていきたいと感じました。