市川沙央のレビュー一覧

  • ハンチバック

    Posted by ブクログ

    読んでみてどういう風に受け止めていいのか当惑した、というのが率直な感想でした。
    それはやはり「障害者に対してどう接していいかわからない」という気持ちと同じなのかもしれません。

    怒りとも諦めともちょっと違う、自らも障害を持つ当事者作家としての「これを書かずにはいられない」という強い執念のようなものを感じました。

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    2025年10月11日
  • 女の子の背骨

    Posted by ブクログ

    芥川賞を受賞した『ハンチバック』から2年振りとなる第二作品集。「オフィーリア23号」 と「女の子の背骨」の2篇を収録している。
    「オフィーリア23号」は、哲学者オットー・ヴァイニンガーの生まれ変わりと称する女子大学院生が、恋人の劇団主宰者と共に三島由紀夫の「憂国」を無修正ポルノとして映像化しポルノサイトで配信しようとする話。ぼくは『ハンチバック』のレビューに「文学的になんちゃら」と偉そうに書いたが、本作のほうがよほど純文学っぽいなと思った。芥川賞候補になるかはわからないが。
    「女の子の背骨」は、難病を患う主人公とさらに症状の重い姉の家族を描いた作品。
    両作品とも一読してすんなりと腑に落ちるとい

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    2025年10月05日