市川沙央のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ネタバレ強さと弱さ、現実と空想が幾重にも混じり合うすごい本だった。
文章構造としては、現実と空想が重なり合い、ネット投稿文学的な小気味よさも相まって、ポータブルな面白みがある。
一方で、その中で語られている日常で(一定の人からは)見逃されているだろう構造に目を向けて、なおかつ、それを2軸で切るのでなく、強さと弱さが逆転するようなインターセクショナリティをはらんでいる。
言語的/体力的エリートを付加しつつ、構造を冷静に捉えて多様な文体で描き出す筆致の幅広さ、複雑なものを複雑なまま描き切る小説という手段のフル活用、そして華麗にやり切る姿を表現するような明るい表紙の抽象(であり具象である)画の美しさに眩しさを感じる。
下記、「市川沙央・荒井裕樹 往復書簡」からの抜粋
"その万能感に呑みこまれていくとしたら、自分は人文学の研究者には向いていないだろう、とも思いました。だからもっと複雑なことを複雑なまま伝えられる小説という表現手段が、私には合っているのかもしれません。"(市川沙央)
"『ハンチバック』の釈華は経済力の面で強者性を持ち、「女の子の背骨」の主人公は健常児と比べれば身体的弱者でありながら姉に対しては身体的強者である――こうした相対性、インターセクショナリティの提示によってあらゆる二元論の解体を試みることが、障害者につきまとう異物のイメージを粉砕するための、私なりのアプローチであると言えそうです。"(荒井裕樹)
"高等教育機関で学んだエリート(体力エリートでもある人たち)が社会を設計して動かしていること。これらの大本にある、言語能力を中心に据えた人間観。"(市川沙央) -
Posted by ブクログ
赤裸々で強烈な導入だが、読み進めるうちに筆者が「壊そうとしたもの」が染みてくる。障害者を”福祉“の向こう側になんとなく一括りに置いて、多少は知っているつもりで実のところ深く知ろうとする努力をしてこなかった私のような読み手に、おそらく一番響く作品かもしれない。「本好きたちの無知な傲慢さ」という言葉に魅かれて手にとったが、正直、読書どころか全面的に「殴られた」ような気持ちになる言葉があふれている。ある意味痛快であり、反面猛烈に自分の傲慢さを見せつけられる。「知らない」という個人的無知はもちろん、障害者という一言でくくって理解の態度を示しているつもりになっている社会の無能さが刺さる。そして障害から性、施設での生活、食、人間関係など周囲のあらゆることに正面から向き合わざるを得ない、逃げ場のない場所から投じられる言葉の強さが、逆説的に「言葉への不信」という著者の感覚に多少なりとも読み手を近づけてくれる。
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Posted by ブクログ
ネタバレオリーフィア23号なんかよかった!女の子の背骨の方が全然、もう全然わかりませんでした。
家父長制とかフェミニズムとか女の権利とか親ガチャとか?そういうの全部正しく在るべきだけど、那緒が軽薄な男に惹かれるみたいに正しく在るために考え続けることまではしたくない?放棄したい?
ヴァイニンガーの生まれ変わりだと言ったかと思えば父親を貶して兄に怒って?反発したり正しくあろうとするのに同人AVには出たり? そういうまとまらない本人もなんなんだこれって思うような感情の掃き溜め?
これを読んで作者の考えていることを真っ当に受け取れている自信が1ミリも出てこないな笑。