市川沙央のレビュー一覧

  • ハンチバック

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    ネタバレ

    ハンチバック(作中ではせむしとも)とは、先天性ミオパチーによる重度障害で背骨がS字に湾曲した状態を意味するらしい。

    障害を抱える女性の生活が描かれる。

    ハンチバック以外にも、マチズモ(健常者優位主義)、インセル(不本意な禁欲主義者)、きょうだい児(障害や難病のある兄弟姉妹)、プロチョイスとプロライフ(中絶における母体の選択権と胎児の生存権どちらを優先するかの立場)、インターセクショナリティ(複数のアイデンティティが組み合わさることによって起こる差別)など、知らない単語がたくさん出てきた。はっきり言うと、私が健常者で当事者じゃないから深く考えたことがなかった。

    作者自身が先天性ミオパチーを

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    2026年03月28日
  • ハンチバック

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    ネタバレ

    率直な感想、小説としてはかなり好きな部類。
    100ページ足らずの文章の中にいくつもパンチラインが記されていて常に私に問いかけてくる。

    先天性ミオパチーと呼ばれる重度障害を患う釈華が「健常」と「障害」という視点から生活、社会…さまざまなのに斬りかかるような文面が面白い。覚悟を持ってはっきり言うと自らを「せむし」と表現するだけあってすべての物事に対して捻くれていて、それでいて人間味があるところが他の小説とは一線を画すところ。
    例えば、弱者を自認する介護スタッフ、田中に対して「うわあ、やべえ奴だ。」と言い切ったり。

    だけど、個人的にはあとがきの往復書簡は微塵もささらず…。障害者と健常者に線を引い

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    2026年03月17日
  • ハンチバック

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    「通俗道徳に抗する破壊的な物語」(文庫版に追加収録された往復書簡より)という著者の表現が一切大袈裟なものではなく、むしろその破壊性は二重にも三重にも折り重り、かつ簡単には消化させないものを読突きつけられた。複雑で破壊的なものを同時に体験する稀有な体験だった。

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    2026年03月08日
  • ハンチバック

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    「私は紙の本を憎んでいた。…その特権性に気づかない「本好き」たちの無知な傲慢さを憎んでいた。」という言葉が印象的だった。
    (『ハンチバック』市川沙央 著)

    当たり前として見てる世界、偏狭なものの見方している自分の中にグッと入り込んできた。自分は健常者であることを自覚して、本当の世界は自分が一方的に認識している世界とは違ってるんだいうことを強く突きつけられた。健常者優位主義か。

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    2026年03月07日
  • ハンチバック

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    ネタバレ

    面白かった。

    読んでいる間に、主人公と著者本人を重ねて理解してしまうあまり、主人公に反感を覚えることに罪悪感を覚えるような不思議な感覚だった。

    主人公の中絶したいという感覚や、性的な関心の大きさに引いてしまうところがあったし、違う惑星に住む人のような違和感を覚えたり、苛つく部分もあった。不思議の国のアリスのような。でも、この作者が書いてくれなかったら、この世界があったことに気づけなかったのだし、怒りを感じることも目論見通りなのかもしれないわけだから、書いてくれたことに感謝したい。

    お話自体の話を考えるならば、主人公以外の登場人物の造形がやはり少し弱いだろうと思った。それから、エンディング

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    2026年02月15日
  • ハンチバック

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    障害を持って生まれた人間の人生観。主人公の性格が悪くて、哀れな感じに映らない描き方が良かった。
    障害をもった体で潔癖症で古本が読めない、読書もバリアフリーではないというのが印象に残っている。

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    2026年02月08日
  • GOAT

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     愛が詰まった本だった。
     いつも本を買うときはふらっと本屋に行って、なんとなく気になったものを手にしていたから、まだ1度も作品を拝読したことのない方々を知るきっかけにもなった。これも一種のバリアフリーかもしれないし、本に熱を注ぐ人がまだこんなにもいるのだなと勝手ながら嬉しく思った。

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    2026年02月06日
  • GOAT

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    全部読み切り短編というのが、すごくいい。
    今までの文芸誌は、連載ばかりなので、なんだか蚊帳の外感があって、書い続けないと仲間に入れてあげないよーと言われてるみたいで寂しさを感じることしばしば。

    しかも豪華ラインナップに、いいの?この値段で?と問いたくなる。赤字だよね。

    ともあれ、西加奈子「デヴィアン」市川沙央「音の心中」小川哲「嘔吐」をまずは読む。

    全部面白い!
    小川哲は、朝井リョウと仲良しになって影響受けてるような笑。
    西加奈子も仲良しの村田沙耶香となんか似てるような。
    互いに影響しあって、短編だから、肩の力を抜いて自由に書いてる感あり。

    葉間中顕「五十歳,ロスジェネ、ギバー落ち」も

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    2026年01月31日
  • ハンチバック

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    おいおい、刃がこっちを向いてるぞ。

    真の平等とは何かを考えさせられた。同じ人間である以上、特別扱いも腫れもの扱いも違うんだよなあ。「個人を尊重しよう」と言えば簡単だが、この尊重という言葉も難しい。

    何をもって尊重と言えるのか。個々人のバックグラウンドを考慮せずに均一的な接し方をするのも多分違う。

    多様な価値観を理解する必要がある。いや、価値観を理解し受け入れる土壌を持つべきであるというのが正しい気がする。

    読書そのものも、あるいは特権的な行為と言えるだろうが、それでもなお、多くの物語に触れて自身を耕していきたい。

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    2026年01月25日
  • ハンチバック

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    ネタバレ

    なかなか内容が難しめと感じました。

    表現も普段関わりが内容医療の分野、そして生活の様子のためイメージがしにくいところですが、それでも情景が浮かんでくるところに著者の表現のうまさを感じました。

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    2026年01月11日
  • ハンチバック

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    今まで読んだ作品の中でも群を抜いて衝撃的な作品。

    内容そのものも素晴らしかったが、特に本編終了後の往復書簡がなりよりも面白かった。

    健常者至上主義や、特権性に気づけない話は無意識下での偏見や差別を認知できる体験になった。

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    2026年01月06日
  • ハンチバック

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    作者と井沢釈華が終始重なって見え、エッセイを読んでいるような感覚にもなる作品だった。文庫版後半の往復書簡を拝読すると、作者は主人公である井沢釈華をしっかり別人格として生を与えており、作者と主人公の重なる部分と非なる部分が明確になってそれも面白かった。
    強者と弱者が多角的に、かつ相対的に表現されている作品だなと思う。絶対的な強者、弱者は存在し得ないからこそ、人間は自己や他者に対して複雑な感情を持ち、苦悩するのかもしれないと感じた。

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    2025年12月18日
  • ハンチバック

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    こじらせ女子が初期衝動で書いたパンクのような作品と思いながらも、芥川賞授賞式の車イスの市川沙央さんを思い浮かべると勝手にバイアスがかかってしまい、なんか自分の中の色んなものが炙り出されてしまう。
    でもパンクのような小説、嫌いじゃないです。面白かった。
    授賞の3年後に読んだくせに「出来れば作者が無名時代に予備知識なしに読みたかったな」とは私の勝手な願望です。

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    2025年12月06日
  • ハンチバック

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    どうしても普段障害者目線で物事を見ることがないので、紙の本を読めるのは5つの健全性が揃っていてこそというくだりは、今まで考えたこともない視点だったなと感じた。

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    2025年11月30日
  • GOAT

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    読み終わりました!
    これも2か月くらいはかかったかな
    特集が『愛』だから、どんな愛なのかとワクワクしましたけど

    濃い!!
    愛が濃い!!

    ほんわかした愛ばかりを想像してたらやられます
    愛にもいろんな形があるんだよ?
    改めて突きつけられた文芸誌です

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    2025年11月16日
  • ハンチバック

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    私が障害について考えるようになった原点は、小学生の時に乙武さんの五体不満足を読んだこと。それから、私なりにいろんな視点を持って生きてきたつもりだったけど、全く知らない・考えたこともなかった世界が描かれていて、強烈なパンチを食らった気分。おもしろかった!(という感想がふさしいのか?という疑問がよぎりつつ、あえて普通の感想を述べる。)

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    2025年11月14日
  • ハンチバック

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    読後感を表すなら、どんと鈍い音を立ててぶつかられたような感じ。攻撃性のある言葉によろけても、理解出来なかったで終わらせたくない。
    紙の本を捲る指を見つめて考える。当たり前だったことが、今は当たり前に思えないのだ。
    この変化こそ読書の醍醐味だなと思うのです。

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    2025年11月11日
  • ハンチバック

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    本作の文庫版には、作者と文学者との往復書簡も掲載されています。そのなかで作者は次のように言います。

    「ある一面では弱者であっても、別の一面では強者である――このようにして強者と弱者の相対性を自覚することは、誰であろうと必ず持つべき観点であり、現代の社会に広がる意識の分断に呑まれないためにも効果的な処方箋せんだと思っています。何よりも大事なこととして、こうした思考法を自己正当化のために用いるのではなく、相互理解ということを忘れないでほしい、絶対に諦めないでほしいと私は思います」

    障がい者が住むグループホームを舞台とした本作。そのように限られた空間においてはケアする者とケアされる者とのあいだ、

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    2025年11月08日
  • 女の子の背骨

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    『オフィーリア23号』
    金持ちの大学院生の子供の日常って感じでした。懊悩する青春の日々。何だか羨ましく思いました、。

    『女の子の背中』
    沢山。共感できました。姉妹の病気。その時々の思いや感情が素晴らしかったです。

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    2025年11月06日
  • ハンチバック

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    本文だけでは自己完結も一切できず難しかった。ただ、その後の往復書簡にて理解を深める手助けがあったので、段々と再読が楽しくなった。

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    2025年10月27日