市川沙央のレビュー一覧

  • ハンチバック
    身体が自分の思うようにならない。それでも頭の中では自由に考えられる。そこで考えたことを実行に移そうとする主人公の勢いに圧倒される。
  • ハンチバック
    性は生、生きることなんだよなー。
    田中さんがその後、ご自身のルサンチマンを受け入れられたのか乗り越えられたのか押し潰されたのか、とても気になる
  • ハンチバック
    なんとも、他にはない作品を読んだな、という気持ち。
    新たな視点に立たせてもらえた。
    「私は紙の本を憎んでいた。目が見えること、本が読めること、ページがめくれること、読書姿勢が保てること、書店へ自由に買いに行けること、ー5つの健常性を満たすことを要求する読書文化のマチズムを憎んでいた。その特権性に気づ...続きを読む
  • ハンチバック
    ハンチバック→せむし
    自分のことをせむしの怪物と呼ぶところが悲しかった。側湾症の方を見かけたことはあるけど、肺が潰れて息が苦しいとか、寝てる時だけ呼吸器とか、話す時は切開したところを塞ぐとか知らないことだらけだった。それじゃ生きてるだけで大変だと思った。
    怒り〜とコメントする人が多い気がするが、そう...続きを読む
  • ハンチバック
    紙の匂いが好き、とかページをめくる感触が好き、などと宣い電子書籍を貶める健常者は吞気でいい。

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    綿谷りさの初期作品から若さをとった感じ?
    社会に対する怒りの質量がスゴイ。短編だからギリ耐えれた。
    1番の幸せは"選べる"ということなのだな、きっと。

    選択の自由の1つとして、読書バリアフリーは...続きを読む
  • ハンチバック
    芥川賞の受賞会見?で著者を拝見し、少々怖い印象を受けたのだけれど、どんな小説を書いているのか気になり読んでみた。
    自分にないものを当たり前に持っている人を憎む気持ちって障害者に限らず溢れてると思うけど、自分が抱えている不幸が理不尽であると同時に、自分が持っていないものを持っている人に対して怒りを発露...続きを読む
  • ハンチバック

    「ハンチバック」(=hunchback)は腰が曲がってる「せむし」って意味である。作家である市川沙央も「ハンチバック」であり、この小説は彼女の自伝的な話しでもある。本作を通じて作家は障害人、特に女性の障害人が抱いている色んな欲望や苦労などを加減無く披露してる。

    その中でも作家は特に女性の障害人の...続きを読む
  • ハンチバック
    169回(2023年上半期) 芥川賞受賞作

    本を読むことも書くことも
    どんなに大変な作業なのだろう
    その成果物を読ませてもらえたことに
    ただただ感謝

    当事者だからこその自虐や皮肉
    そして超越者としてのブッダ
    フィクションとノンフィクションの境がわからない
    部分もあり
    だからこそ成功してるのだろう...続きを読む
  • ハンチバック
    短めな小説でありながら、なかなか衝撃的な作品だった。

    あっという間に読み切ったが、一文字一文字作者から削り取られた断片を観るようだった。

    なかなか感想を書き切れずに何度も直している。
    どう捉えたらいいか、と悩ます所も、問題作として人をひきつける要素なのかもしれない。

  • ハンチバック
    圧倒的怒りによる呪詛の様な小説でビックリした。とはいえ、毒々しい言葉の中にユーモアが垣間見える気がして、個人的には嫌いではない。パワーのある書きっぷり。
    これ絶対100%ノンフィクションだろ…と思うくらい描写や出てくる人たちの会話と反応がリアルだった。
    お前は全ての障がい者がか弱くて無垢な存在だとで...続きを読む
  • ハンチバック
    自分が身体障害者であり、この世の生きづらさを、
    著者の実体験に基づいて語られてる。
    いつでも健常者の生活、行動が理解しがたく
    羨ましい気持ちをメインに描かれている。
    独特なフレーズや単語が多く、理解するのに
    手間取った。
  • ハンチバック
    漢字や例えに難解な箇所が多く、
    知識が乏しい私には少し読みづらさを感じた。

    「読みづらい、慣れないな」と
    感じた作品は時々あったけど、
    「あれ、読めない」となったのは初めてかも。

    表現自体はわりかしすっきり。

    とはいえ、本書がすごいエネルギーを抱擁していることは容易にわかる。
    健常者が想像に及...続きを読む