市川沙央のレビュー一覧

  • ハンチバック

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    ネタバレ

    強さと弱さ、現実と空想が幾重にも混じり合うすごい本だった。

    文章構造としては、現実と空想が重なり合い、ネット投稿文学的な小気味よさも相まって、ポータブルな面白みがある。

    一方で、その中で語られている日常で(一定の人からは)見逃されているだろう構造に目を向けて、なおかつ、それを2軸で切るのでなく、強さと弱さが逆転するようなインターセクショナリティをはらんでいる。

    言語的/体力的エリートを付加しつつ、構造を冷静に捉えて多様な文体で描き出す筆致の幅広さ、複雑なものを複雑なまま描き切る小説という手段のフル活用、そして華麗にやり切る姿を表現するような明るい表紙の抽象(であり具象である)画の美しさに

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    2026年08月11日
  • ハンチバック

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    赤裸々で強烈な導入だが、読み進めるうちに筆者が「壊そうとしたもの」が染みてくる。障害者を”福祉“の向こう側になんとなく一括りに置いて、多少は知っているつもりで実のところ深く知ろうとする努力をしてこなかった私のような読み手に、おそらく一番響く作品かもしれない。「本好きたちの無知な傲慢さ」という言葉に魅かれて手にとったが、正直、読書どころか全面的に「殴られた」ような気持ちになる言葉があふれている。ある意味痛快であり、反面猛烈に自分の傲慢さを見せつけられる。「知らない」という個人的無知はもちろん、障害者という一言でくくって理解の態度を示しているつもりになっている社会の無能さが刺さる。そして障害から性

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    2026年07月27日
  • GOAT

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    ボリューム満点で良かった!
    自分でチョイスしない作家さんと出会えたり、エッセイや詩にも出会えた。
    同年代の作家さんばかりでとても読みやすかった。

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    2026年07月25日
  • 女の子の背骨

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    ネタバレ

    オリーフィア23号なんかよかった!女の子の背骨の方が全然、もう全然わかりませんでした。
    家父長制とかフェミニズムとか女の権利とか親ガチャとか?そういうの全部正しく在るべきだけど、那緒が軽薄な男に惹かれるみたいに正しく在るために考え続けることまではしたくない?放棄したい?
    ヴァイニンガーの生まれ変わりだと言ったかと思えば父親を貶して兄に怒って?反発したり正しくあろうとするのに同人AVには出たり? そういうまとまらない本人もなんなんだこれって思うような感情の掃き溜め?
    これを読んで作者の考えていることを真っ当に受け取れている自信が1ミリも出てこないな笑。

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    2026年06月27日
  • GOAT

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    ネタバレ

    積読消化。次は悪!
    好きなフレーズ
    「これが私の言葉じゃないことに、他人が生んでくれた言葉であることにいまだに驚く。共感というより、自分の言葉だ、と思ってしまう文章。こんな言葉を自分以外の人が思い浮かべてくれたことに、私は、愛情、と名付けずにはいられない。」

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    2026年06月26日
  • GOAT

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    GOATのシリーズの中で、実は1番興味が無かった「愛」。
    でもやっぱり買っちゃうし読んじゃう。
    510円で素晴らしい作家の素晴らしい作品を読めるんだからやっぱり買っちゃう、文芸誌は素敵、ありがとう。
    「愛」と謳いながら結構ビターなお話が多かったのは、一筋縄ではいかない作家が多かったからなのかな?そこも良かった!

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    2026年06月21日
  • GOAT

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    数ヶ月つまみ読みをしてようやく読み終えた!
    人生で初めてちゃんと文芸誌を一冊丸々読み終えました。
    この値段で、これだけたくさんの作家さんの物語に浸れるなんて贅沢すぎます。
    愛と一口に言っても、心温かくなるものから狂気さえ感じてしまうものまで、様々で面白かった。

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    2026年06月21日
  • ハンチバック

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    読書の健常者優位主義(マチズモ)を看破するの、耳が痛いが心地よくもある

    「知性!
    意思の疎通!
    自己決定権!
    くだらない。」pp.122-123

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    2026年06月16日
  • GOAT

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    亡くなった祖父はずっと文芸誌を読んでおり、ずっと憧れがありましたがなかなかハードルが高く、手を出せずにいました。そんなときに出会ったのがGOAT。どんな世代の人でも楽しめる、新しい文芸誌だと思います。色んな人の色んな文章が楽しめますし、編集者たちの文学に対する愛と情熱を感じることができました。そして何より安い!このご時世にこのお値段で楽しめるのは大きいです。今後も購読します。

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    2026年06月06日
  • ハンチバック

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    何とも言えない読後感。強者であることの無自覚さに恐れつつ、強者と弱者は一面的な見方だしなあとも思ったり

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    2026年05月31日
  • GOAT

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    他の本も読みながらだからなかなか終わらなかった。
    冒頭惹かれないものは3話ぐらい読まないまま。
    全てを隅々まで読むとなると相当時間がかかりそう。

    こんな充実した読み切りの文芸誌を出してくれるだけで星5つつけたいところ。
    紙の色について読み難いという声もあるみたいだけど個人的には可愛くて好き。
    星4にしたのは、愛というテーマがほぼ全て歪んだ愛だったこと。
    熟練の作家は素直な愛を書けなくなるって本当なんだな。

    個人的に好みだったのは…

    麻布競馬場 違う海にいる
    冲方丁 終末の愛
    かな。
    なんか読みやすくてわかりやすいから楽だった。

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    2026年05月30日
  • ハンチバック

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    自虐とユーモアと、その中に含まれた障がい者として生きることの複雑。
    そして巻末に収められた往復書簡。
    色んな意味で、衝撃を受けながら読みました。

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    2026年05月23日
  • ハンチバック

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    障害の様子の表現が詳しくて想像しやすい。
    知らない言葉がちょくちょく出てきて調べながら読んでいるが文章のリズムが良いせいか読みにくさを感じなかった。
    異物のイメージを何とかして消したいともがくとそのもがき方に異物と合う言葉が似合ってしまう。というのはなるほど確かにと思った。

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    2026年05月18日
  • ハンチバック

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    重度障害者にとって、本は紙じゃないとねーというのは、まさに五体満足な人間の傲慢に他ならないという事を、それを小説で書いちゃうんだ…っていうのが驚きというか…だけど本当にそのとおりだなと身につまされる思いだった。

    いろいろと、常識をぶち壊してくる視点からの言葉が鋭い作品。

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    2026年04月29日
  • ハンチバック

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    作者自身に重なるところもあるだろう、湾曲した脊髄から絞り出された生の言葉たち。
    田中さんとのやりとりからのラストは呆気に取られた。
    そこまでしてやることなんだ生きるとは。

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    2026年04月29日
  • ハンチバック

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     強者であるか弱者であるかなんて、いつだって環境次第で立場が入れ替わる、社会で生まれるだけの不安定な評価。意識せずとも強者側に立ってしまい誰かを傷つけることだってあるし、弱者側に回って否応なく存在を否定されることもある。
     差をなくす、手を貸すという発想が両者の関係に格差を生み、差別の根源となっているのか。
     近頃多様性を振りかざして障害を個性と捉えようとする社会的な風潮が見受けられる。優しい子が生まれますようにと願うなか、障害を持つ子が生まれますようにと願う人はいるのか。望んでいないものを持ち合わせている人に「個性」と押しつけるのはなんと浅はかな配慮。配慮ですらない。残酷な仕打ち。扱いづらい

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    2026年04月28日
  • ハンチバック

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    障害者が書いた障害者の小説はあまりない上に、完成度も高いと感じた。意義のある作品という強い印象と共に頭に残る。そしてとても今の社会の現代性ともいうべきものが描かれているのもよかったと思う。障害者と性との関係性はかなりセンシティブなことだと思うが、そこを避けるのではなく飛び込んで書いた姿勢もよき。

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    2026年04月16日
  • ハンチバック

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    ものすごい読書体験でした。
    芥川賞作品らしい重厚さと、聞き慣れない専門用語の多さ、当事者だからこそ書ける生々しい事実が物語を難しく感じさせられた。
    読み終えた今、今までどれだけ自分が無自覚だったかを思い知らされて、正直、恥ずかしい気持ちでいっぱいだ。

    私たちが何気なく楽しむ「紙の本の手触り」さえ、障害当事者には物理的な障壁でしかない。電子書籍やオーディブルが、どれほど切実な「読書のバリアフリー」であるか、本書に出会わなければ気付かなかったかもしれない。

    特に刺さったのは、主人公が自分を「ハンチバック(怪物)」と呼ぶこと。
    元ネタの『リチャード三世』では、怪物は外見ではなくその心が醜かった。

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    2026年04月13日
  • GOAT

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    話題に釣られて購入。
    文芸誌を初めて買ったがこんなに面白いだなんて。
    愛をテーマに様々な作家の読み切りがこれでもかというボリュームでとても大満足。
    誰が読んでもお気に入りの作品が見つかると思う。
    白をモチーフにした柔らかな表紙に中もカラーの紙で雰囲気もおしゃれ。
    高物価の時代にこの品質で510円というのは信じられない。
    幸い何刷も重版されているので今から気になる人は絶対手に取ることをお勧めする。

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    2026年04月06日
  • GOAT

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     愛が詰まった本だった。
     いつも本を買うときはふらっと本屋に行って、なんとなく気になったものを手にしていたから、まだ1度も作品を拝読したことのない方々を知るきっかけにもなった。これも一種のバリアフリーかもしれないし、本に熱を注ぐ人がまだこんなにもいるのだなと勝手ながら嬉しく思った。

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    2026年02月06日