市川沙央のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ネタバレ強さと弱さ、現実と空想が幾重にも混じり合うすごい本だった。
文章構造としては、現実と空想が重なり合い、ネット投稿文学的な小気味よさも相まって、ポータブルな面白みがある。
一方で、その中で語られている日常で(一定の人からは)見逃されているだろう構造に目を向けて、なおかつ、それを2軸で切るのでなく、強さと弱さが逆転するようなインターセクショナリティをはらんでいる。
言語的/体力的エリートを付加しつつ、構造を冷静に捉えて多様な文体で描き出す筆致の幅広さ、複雑なものを複雑なまま描き切る小説という手段のフル活用、そして華麗にやり切る姿を表現するような明るい表紙の抽象(であり具象である)画の美しさに -
Posted by ブクログ
赤裸々で強烈な導入だが、読み進めるうちに筆者が「壊そうとしたもの」が染みてくる。障害者を”福祉“の向こう側になんとなく一括りに置いて、多少は知っているつもりで実のところ深く知ろうとする努力をしてこなかった私のような読み手に、おそらく一番響く作品かもしれない。「本好きたちの無知な傲慢さ」という言葉に魅かれて手にとったが、正直、読書どころか全面的に「殴られた」ような気持ちになる言葉があふれている。ある意味痛快であり、反面猛烈に自分の傲慢さを見せつけられる。「知らない」という個人的無知はもちろん、障害者という一言でくくって理解の態度を示しているつもりになっている社会の無能さが刺さる。そして障害から性
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Posted by ブクログ
ネタバレオリーフィア23号なんかよかった!女の子の背骨の方が全然、もう全然わかりませんでした。
家父長制とかフェミニズムとか女の権利とか親ガチャとか?そういうの全部正しく在るべきだけど、那緒が軽薄な男に惹かれるみたいに正しく在るために考え続けることまではしたくない?放棄したい?
ヴァイニンガーの生まれ変わりだと言ったかと思えば父親を貶して兄に怒って?反発したり正しくあろうとするのに同人AVには出たり? そういうまとまらない本人もなんなんだこれって思うような感情の掃き溜め?
これを読んで作者の考えていることを真っ当に受け取れている自信が1ミリも出てこないな笑。
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Posted by ブクログ
強者であるか弱者であるかなんて、いつだって環境次第で立場が入れ替わる、社会で生まれるだけの不安定な評価。意識せずとも強者側に立ってしまい誰かを傷つけることだってあるし、弱者側に回って否応なく存在を否定されることもある。
差をなくす、手を貸すという発想が両者の関係に格差を生み、差別の根源となっているのか。
近頃多様性を振りかざして障害を個性と捉えようとする社会的な風潮が見受けられる。優しい子が生まれますようにと願うなか、障害を持つ子が生まれますようにと願う人はいるのか。望んでいないものを持ち合わせている人に「個性」と押しつけるのはなんと浅はかな配慮。配慮ですらない。残酷な仕打ち。扱いづらい -
Posted by ブクログ
ものすごい読書体験でした。
芥川賞作品らしい重厚さと、聞き慣れない専門用語の多さ、当事者だからこそ書ける生々しい事実が物語を難しく感じさせられた。
読み終えた今、今までどれだけ自分が無自覚だったかを思い知らされて、正直、恥ずかしい気持ちでいっぱいだ。
私たちが何気なく楽しむ「紙の本の手触り」さえ、障害当事者には物理的な障壁でしかない。電子書籍やオーディブルが、どれほど切実な「読書のバリアフリー」であるか、本書に出会わなければ気付かなかったかもしれない。
特に刺さったのは、主人公が自分を「ハンチバック(怪物)」と呼ぶこと。
元ネタの『リチャード三世』では、怪物は外見ではなくその心が醜かった。