蔡駿のレビュー一覧
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蔡駿『忘却の河 (下)』竹書房文庫。
生まれ変わりという超常現象と複数の殺人事件に纏わるミステリーとを融合した中国小説の下巻。
上巻は非常に展開が早く、非常に面白いと思ったのだが、下巻は少し間延びした感がある。それでも、申明が刺殺された事件の背景が徐々に明らかになり、犯人の正体と事件の全貌、結末が知りたくて、ページを捲る手が止まらなくなる。
輪廻転生と因果応報。生まれ変わりと人びとの犯した罪の無限ループ。
2011年。高校生に進学した申明の生まれ変わりの司望は、申明のかつての教え子で教師になった欧陽小枝と運命の再会を果たす。司望は申明の死に纏わる真相を解き明かそうとする。
申明の教 -
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著者は<中国のスティーヴン・キング>と呼ばれるベストセラー作家らしい。
バスで隣り合わせた女性から預かった謎の箱を幽霊客桟に届けに行った作家、周旋から毎日届く長文の手紙。そこに描かれる幽霊客桟は不気味な雰囲気に満ちており、宿泊客も謎めいていた。手紙は日に日に現実離れした話になっていき、ついに…
本筋とは関係ないが、そんな辺鄙なホテルに行くときに周旋が持って行った本が森村誠一の『野生の証明』なのがちょっと笑った。
全体として少々冗長な気もするが、ゴシックホラーめいた幽霊客桟の雰囲気がよかった。ホラーとミステリの融合もなかなかいい感じ。
続編もあるようで、引き続き翻訳を期待したい。 -
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浙江省東部の海岸に建つ三階建ての客桟。それが幽霊客桟だった。亡くなった女優の田園から託された木匣を幽霊客桟に持っていくことになった小説家の周旋は浙江省K市西冷鎮行の長距離バスに乗った。田園からの電話は途中で途切れて「幽霊客桟に持って行ってほしいの。場所は…。」だけで、場所も住所も分からなかったが、周旋は古い友達の警察官の葉䔥にその場所を探してくれるように頼んだ。そして今は幽霊客桟のある西冷鎮行のバスに座っている。これからどんなことが待っているか分からないのに…。幽霊客桟についた周旋は毎日友達の葉䔥に手紙を書いた。その中にこの悲劇が綴られていた。
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愛情と狂気の深淵に飲み込まれる。親友が訪れた幽霊客桟から手紙が届くのだが… #幽霊ホテルからの手紙
■あらすじ
警察官の葉䔥(イエシャオ)に自宅に、かつての親友である周旋(ジョウシュエン)が訪ねてくる。彼は美しい女性と出会った逸話を話しだす。その彼女から木箱を預かり、木箱を幽霊客桟に届けてほしいとお願いされたのだ。
幽霊旅館がどこにあるか不明だったが、葉䔥が調べあげることに成功。周旋は木箱を届けるために、幽霊客桟に旅立ったのだが…
■きっと読みたくなるレビュー
めっちゃ濃厚!
プロットもストーリーも人間関係もねばっこく、じっくりと味わえる良作です。
世界観としてはド真ん中ホラーで、つねに