ジェイソン・ヒッケルのレビュー一覧
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ジェイソン・ヒッケル氏は、1982年アフリカのエスワティニ(旧スワジランド)生まれの経済人類学者。米ウィートン大学で人類学を学んだ後、ロンドン・スクール・オブ・エコノミクスで博士号を取得。現在はバルセロナ自治大学環境科学・技術研究所教授、ロンドン・スクール・オブ・エコノミクス国際不平等研究所客員教授、王立芸術協会フェローなどを務め、米国科学アカデミーの「気候とマクロ経済学円卓会議」などの委員会にも参加。GDP中心の成長主義に代わる持続可能な経済思想を提唱し、脱成長論の旗手として国際的に知られている。
本書は、著者の代表作の一つで、2023年に出版された。尚、原書は『LESS IS MORE』( -
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胃もたれするくらいの世界の汚い部分を知る
自分に焼き付いてる根拠もないくせに頑張ることが美徳であるような思想の正体を知る
読み終わった後価値観が120度くらい変わってしまった感覚があった
目に映るほとんどがお金を中心に動いていて労働力や資源や気候を搾取しているバックグラウンドまでもを想像してしまう
自分の仕事はある業種の作業効率を上げることで経済成長を促進することであり
明日からまた成長主義に一旦加担することでしか自分や大切な人を生かしていけず仲間と認識していたコミュニティで生きていけなくなる
想像の段階で苦しい
どんなに自分はこう生きるのだと決めつけたところで人生のステージが進むにつれ戻れな -
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Posted by ブクログ
成長は資本主義の最優先命令
エネルギーと資源の消費と連動 大量の廃棄物
資本主義は不公平 英64% 米55% 独77%(2015 英YouGov 世論調査)
成長より環境を優先 EUの大多数 55~70% 他国でも同様
→成長を必要としない経済へ
デカルト「二元論」人間と自然は切り離された存在
科学=人間を自然の支配者に ↔ アニミズム(精霊信仰:地球や生物と相互依存)
教会・資本家:支配
デカルト「人間論」 身体=精神+物質(=資源) 労働の商品化
↔自然は経済の外:植民地から無料で 先住民を二元論者に変える 自然=モノ
資本主義:自然と労働から多くとり、少なく返せ 利 -
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Posted by ブクログ
食料危機に備え昆虫食が研究されているが、その昆虫の数も減少している。
昆虫は植物の受粉と繁殖に欠かせない。有機廃棄物を分解して土に変えている。他の数千種の食料にもなっている。
昆虫の減少は鳥の激減をもたらした。ある種の絶滅が別の種の絶滅を導く「連鎖的絶滅」が懸念される。陸だけの話ではない、世界中で漁獲高も減少している。
生態系の危機は、気候変動がその一因となるが、気候変動は成長を止めない資本主義社会の自然開発という名の自然破壊がもたらしたもの。科学者は既に「プラネタリー・バウンダリー」を大幅に超え、生物界に破壊的な影響を及ぼしていると指摘。そしてそれは人間に戻ってくる。
進むべき道は「 -
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これ資本主義とは何か的な本の中でめちゃくちゃ面白くて分かりやすかった。いかに自分が資本主義の中で洗脳されて価値観もそれに縛られて生きているかというのが分かった。ほんと感動した。
ジェイソン・ヒッケル
経済人類学者。英国王立芸術家協会のフェローで、フルブライト・ヘイズ・プログラムから研究資金を提供されている。エスワティニ(旧スワジランド)出身で、数年間、南アフリカで出稼ぎ労働者と共に暮らし、アパルトヘイト後の搾取と政治的抵抗について研究してきた。近著The Divide: A Brief Guide to Global Inequality and its Solutions(『分 -
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斎藤幸平氏と同じ主張で目新しさはないが、ここまで地球環境の悪化が進んでくるともうこの道しかないと言う気もするし、一方で脱成長の世界がディストピアにも見えてくる。
著者が描く「バラ色の」世界を読んで思い出したのが、共産主義末期の1989年に旅行した旧ソ連の世界。メガネメーカーが一社しかないのか誰もが揃いも揃って同じ古臭い額縁メガネをかけ、商店に行ってもモノがない。車もモデルチェンジがないから年代物が幅を利かせている。確かに資源の浪費は減るだろうが、この世界には選択する自由も楽しみもない。日本は恵まれていると思ったものだ。ただここまでしないと地球を守れなくなっているのかも知れない。
先進国で人口が -