井上太一のレビュー一覧
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ネタバレ動物の苦しみに配慮すべきだ、という。それは、人間の平等を基礎づける理論が、動物にも拡大されるべきだという主張でもある。
様々な角度から論証がなされているが、特に印象に残ったのは冒頭の功利主義的論証だ。苦しむ能力を唯一の基準とし、それを有する主体に平等に配慮すべきであり、動物も苦しむからだという。
なぜ苦しむ能力の有無で線を引くのか?それ以外の基準で、万人の平等と衝突しないものを探すのは難しい。例えば、もし認知能力の差を理由に差別を認めるなら、幼児や障がいを負った人への差別をも許容してしまう。人種や性別による線引きも論外だ。(何が最善の基準かは、演繹的には証明されないのかもしれない。そうだ -
Posted by ブクログ
ネタバレここ数年読んだ本の中で一番良かったのがこの本です。
ヴィーガン関係の本の中は、内容が硬すぎたり読むのがしんどくなってしまったりするものもありますが、この『さよなら肉食』は「未来は明るいんだ」と希望を感じられる良い本でした。
とても読みやすいので、ヴィーガンではない人がヴィーガンについて知りたいなら、まずこの本から入るのがいいと思います。
著者の専門は未来人類学とのことです。文化人類学ならではのフィールド・ワーク(実地調査)に未来予測という手法を組み合わせているのが独特で新鮮でした。
以下、長くなりますが各章の内容を紹介したいと思います。
【第1章】では、畜産業を辞めた農家へのインタビューな -
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ネタバレ著者は反種差別理論の基礎に功利主義や平等のモラルの思想を自明的に置いているが、僕はそれらは自明ではなく丁寧な論証を要する部分ではないかなと思った。一方で細かいところを抜きにすれば、この本には読者を菜食主義に傾かせる十分な啓蒙の力があると感じた。
ユダヤ教の人間は動物を支配する立場にあるという信仰とギリシアで育まれた人間中心観の思想とが合わさり、ローマの自分の共同体に属さない者を害する風習を経て、キリスト教の人間が動物に優越し動物は人間に利用されることを目的とするという教義が普及し、現代の種差別的な価値観へと繋がっている。
現代では、動物擁護の価値観は徐々に広まってきているものの、動物を過剰に傷 -
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シンガーがどのような議論で動物権利論を提起したのかを知りたいなと思っていたところ、都合よく改訂訳が出たので読んでみた。
功利主義的な基盤に基づく「なぜ動物の苦しみを減ずるべきか」といった議論と、その推進を妨げるイデオロギーとしての種差別を論ずるパートに始まり、実験動物や畜産動物において非合理的な苦しみを与えられる動物たちの実例を紹介し、再度種差別イデオロギーの構築の史的分析に入る。
多角的に種差別に基づく動物虐待行為を論じており、その筆致も明快である(分析哲学的な明快さ)。だが、その明快さに少し違和感を感じる側面もある。
色々な意味で難しい古典だと感じた -
気分悪くなってやめにした
お高い本なので、とりあえず試し読み。
作者氏、魚が嫌いみたいです。
肉とか魚とかが、魚がタコになっている。
たこ焼きには当たり外れがあるので特に東日本では食おうと思いませんが、
タコの美味いのを食ったことがないらしい。
可哀想な人です。ユダヤ教徒?海では鱗がついた生き物以外食えないそうな、
傷んだシャコでも食って腹壊したのかしら。
もっとも、隣人食い物にする方がはるかに罪深い気がする。
魚食うやつはタコ、あたしゃ魚食わないから知らねえ、のスタンスです。
缶詰、瓶詰めの不味そうな魚しか食ったことがないかもと考えると、
料理の腕は重要なのでしょうね。改めて可哀想になってきました。
気分が悪くなる料 -
ネタバレ 購入済み
肉はともかく
日本人なら魚無しは無理、
鰹節も鯖節もなしに蕎麦やうどんは食えないよ。
味噌汁も飲めませんね。味の素や昆布出汁、
ケミカルには同じ物、だけじゃあねえ。
そういえば、パンを焼くのにはイーストが必要だし、
味の素作るのにも微生物を使っていましたが、
微生物は使役することに該当しないと言いたいのか?
出汁とる経験なしでこう言った書物が書けるということは、
日本人は贅沢なのかもしれません。
彼らは出島で何してたんだろとか思いますけど、
せっかく日本に来ても肝心な所を理解していない。
彼らの食生活が貧相とか直接書くと語弊があるので大きな声では言いません。
本文中では小麦粉焼くのに卵の白身がなくて難儀した