中村雅之のレビュー一覧

  • 野村萬斎―なぜ彼は一人勝ちなのか―(新潮新書)

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    『なぜ彼は一人勝ちなのか』というサブタイトルに惹かれて。
    野村萬斎氏自身のことは勿論、能や狂言の歴史、野村家の歴史や果ては和泉流の宗家問題にまで言及。
    説明や家系図を見て、初めて野村萬斎氏と例のお家騒動の方がはとこなことに気付いた。
    比較されるのもやむなしか。

    後半は歴史的なお話がメインで野村萬斎氏自身の話は薄くなるが、彼に至るまでの背景や流れが分かって興味深かった。
    そして、改めて前半を読み返すと、感慨深くなるという。

    「終わりに」にもあったが、東京五輪、野村萬斎氏にやはり手掛けてもらいたかったなと自分も思った。
    特にパリ五輪のプロモを見た後だと余計に。

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    2022年11月04日
  • 教養としての能楽史

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    能の歴史を概観している本です。

    能についての解説書では、多くのばあい能の大成者である世阿弥に多くのページがあてられていますが、本書は700年におよぶ能の歴史の全体像を提示しています。とくに、豊臣秀吉や徳川綱吉が能に傾倒したことや、明治維新以降に幕府の庇護をうしなって苦境に陥った能が、天覧によって復権の手がかりをつかみながらも、その後の政治に翻弄されていったことなどが説明されています。

    巻末の「むすびに」で著者は、「能は、具象性を極限まで削ぎ落とし、抽象性の極致にある芸能だ」といい、そうした能の本質を理解する観客をそだてていくことが、これからの時代に能が受け継がれていくための道ではないかと語

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    2023年04月14日
  • 教養としての能楽史

    Posted by ブクログ

    <目次>
    第1章  能の成立と世阿弥
    第2章  太閤の能狂い
    第3章  武家式楽の裏側
    第4章  能の近代

    <内容>
    能をオーソドックスに知りたい人向けではない。タイトルを見て買ってはいけない。世阿弥も全然詳しく触れていない。どちらかというと、一般の人が知らない、秀吉や綱吉などの能狂いと、戦前の右翼・軍部系の能の題目にまで口を出したことを知ることができるところか?

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    2022年10月30日