櫻部由美子のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
楽しみにしている『出直し神社』シリーズの新作がでたので手に取った。
舞台は江戸時代、貧乏神に見初められ出直し神社の巫女として市井の人々の悩みに寄り添い人生のやり直しのきっかけを与えていく人情味溢れる物語と謎解きが絡み合うシリーズ。
貧乏神というと家に住み着いて不幸を運んでくるちょっとヤバい神様というイメージを持っていたけど、でも「出直し神社」に祀られている
貧乏神様は人生のセカンドチャンス!を提供してくれる有り難い神様。
普通の神様ではないところが面白い。が貧乏神様はまだ一度も出てこない。
やはり神様は滅多なことでは姿を御見せにならないのだろう。だから余計どんな神様か想像してしまう。
唯一、 -
Posted by ブクログ
表紙イラストの可愛い巫女姿の女の子、この子がタイトルの〈くら姫〉かと思いきや、「おけい」ちゃん。〈くら姫〉はお蔵茶屋の店名でした。おけいの〈くら姫〉での日々が描かれます。
不遇な少女・おけいは、下働き先を探している時に、閑古鳥に導かれるように貧乏神を祀る〈出直し神社〉に辿り着きます。
そして社殿を守る婆さまに、これまでの不運と不幸だらけの人生を語ると、良い巡り合わせと婆さまを手伝わされることになるのでした。
この神社では、「たね銭」(商いの元手となる縁起の良いお金)を客に授け、借りた客は一年後に元手の倍の額を返す約束で、これが本書の副題意味です。
単調でほのぼの系の時代小説と思っ -
Posted by ブクログ
フェルメールの作品および歴史から、フェルメールを主人公にした小説。舞台はオランダのデルフト。
17世紀の大航海時代のオランダを舞台にフェルメールの画家としての始まりや顕微鏡の父と言われるレーウェンとの友情。妻となるカトリーナとの出会い。真珠の耳飾りの少女のモデルとなる少女との遭遇。
特にフェルメールとレーウェンとの友情の話が素敵だなと思いました。史実では、ふたりの繋がりの証拠となるものはほとんどないとの事ですが、ふたりが共に生きていた時代に気持ちを馳せたり、偉業を達成するのにお互い切磋琢磨していたのではと思うだけでも楽しくなる一冊だと思います。いくつになっても友情は大切にしたいですね。