魚谷雅彦のレビュー一覧
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顧客の多くが女性である化粧品メーカー「資生堂」で、社長に就任後、魚谷さんは業績を飛躍的に向上させた。男性であり、化粧品メーカーで働いた経験も無い魚谷さんに、なぜこんなことができるのだろうか。私は経営者としての彼の手腕に感動すると同時に、彼のこれまでの経験や、培ってきた考え方に対して、強い興味を抱いた。それが本書を手に取ったきっかけだった。
本書を読み、私は魚谷さんの強さが「いついかなるときも、お客様抜きで物事を判断・実践しない」姿勢にあると考えた。「そんなのは、経営者として当たり前のことだ」と言う人も居るだろう。確かに、日本の企業では「お客様第一主義」という言葉がよく使われる。だが、販売の最前線に立つ営業から、企画、生産、開発、経営まで、組織に所属する一人一人が、それぞれの立場で「お客様第一主義」を実践できるようにするのは、並大抵のことではない。大きな組織で、たくさんの社員を抱えているのであれば尚更だ。
果たして自社の営業や、その他の社員たちは、自分の仕事の目的を人に語ることができるだろうか。自分の仕事が、どのような価値をお客様に提供し、どうやってお客様を幸せにしているか、具体的に語ることができるだろうか。それができないということは、現場を理解できていない、つまりお客様を知らないということであり、お客様のための仕事ができていないということなのだと思う。
魚谷さんは経営者として、会社全体で「お客様起点」のビジネスを実践できるようにするためならば、組織の改革も辞さない。ときには自ら販売の最前線に乗り込み、営業を始めとする社員や、お客様と直接対話して、その心の内を知ろうとする。世界中の誰もが知るグローバル企業の日本支部で、トップに君臨する人だ。部下に命じれば、いくらでも市場の情報は上がってくるだろうし、自らプロジェクトのメンバーに加わらずとも、人手はあるはずだ。だが、魚谷さんは自ら腕まくりしてプロジェクトに参加し、お客様が心から喜ぶ新しい価値を、何としても世に送り出そうとする。
「成功している企業は、組織全体・社員全員が、お客様の方を向いている」という旨のことが、本書には書いてある。シンプルだが、これこそ時流に左右されない究極の経営哲学だと感じる。
お客様は、みんな「人」だ。AIやロボットがどれだけ企業に入り込もうと、「人」の気持ちを心から理解し、価値を創造し、提供できるのは「人」だけだと感じる。企業が利益の大元をつくり出すためには、やはり「人」の力が欠かせないと確信した。
20代のうちに、本書に出会えて良かった。これからは、自分自身の発想や行動が常に「お客様起点」になっているかどうかを考え、働いていこうと決めた。 -
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具体的な経験を用いて、巨大企業ドコモのマーケティング戦略(ひいては会社の経営戦略)を変えてきたのが実話をふんだんに取り込みながら説明していて非常に興味深い。
これを特別顧問という立場から支えたのが、外資系企業であるコカコーラの会長というのも興味深い。
マーケティングというと営業戦略の一環とかプロモーションという意味合いが強く感じられるが、このケースのように経営戦略との整合性や組織の在り方、全社での取り組み、ブランディングというところまで考えないと成立しないというのは確かに納得。マーケティングの考え方で非常に参考になる一冊で貴重なケース。 -
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マーケティングとは何かが分かりやすく書かれている。
著者が日本コカ・コーラの偉いさんだったということで内容にも親近感が湧く。
仕事は、机に向かってだけするものではない。朝から晩まで、すべての時間が仕事の時間だ。たとえば朝、電車に乗ったとき、昼、ランチを食べに行ったとき、休日に家族と出かけるときもそれこそ夜、眠りに就くまで徹底的に人を観察する。電車の中では前に座る人をよく見てみろ。マンガを読んでいる人、新聞を読んでいる人、眠っている人・・・。この人たちは、どんな人なんだろう。なぜ、こうしているのだろう。次にどうするんだろう・・・。常に問題意識を持って考えろ。トイレに入った時も考えておけ。 -
Posted by ブクログ
まず、この本を手に取ったきっかけはマーケティングのことが書かれている本だからと言うこと、それから特に自分の職業に近い食品の会社のマーケティングだということ、また日本コカ・コーラと言う会社は自分たちで商品を生産しないマーケティングしたいの会社で歩ける特色があるということを知ってと言った事でした。
※読んでみて心に残ったこと※
まずお客さん立場から考えると言うこと。お客さんに喜んでもらおうと思えば、お客さんはどんなことに感動したいと思っているだろうとか、お客さんは今どんなことに不便を感じているだろうとか、お客様となことに不満を感じているだろうということをよくよく考えてみる必要がある、ということを改めて考えさせられました。
また本社の中で魚谷さんはマーケティングプロジェクトのリーダーではないというふうに言っていたのが、印象的でした。自分の会社の中では、マーケターがリーダーになるべきであると言うような意識を持って全体が仕事をしているように感じられるが、少し引いた立場から考えて、リーダーだと自分を壱番上に勝手に上げて考えないということがとても大切なんだというふうに思いました。
また魚谷さんは平均点のマーケティングだめだというふうにもおっしゃっていました。まぁまぁの出来ではなくて、人の心を動かせるかどうか、これがマーケティングの妙だと思います。
商品のコンセプト・ブランドのコンセプトなどは代理店まかせにしないで、会社でコンセプトをちゃんと考えるべきだというふうにもおっしゃっていました。例えば自分の会社のマネージメント等に絶対この企画をとおしたい、と言う気持ちを込めて説得するためには、誰かが考えたコンセプトではだめ、自分の熱い思いを持っていろんな人たちを巻き込んでいかなくてはいけない、というふうに言っていたのが印象的でした。
うちの会社でも往々にしてあることですが、マーケティングの考えていることが、お客様と直接接する営業の方たちにきちんと理解してもらえているか、営業の人も同じ志を持ってそのマーケティングやプロモーションに取り組もうと考えてくれているか、しっかりとチェックをして、それができていないようであれば、仕組みを考えないしていく必要があると思いました。
たった120円で売っている一本の缶コーヒーが、毎日、日本のどこかで誰かを元気にしている、と言う仕事の喜びは本当に素敵だなぁと思いました。 -
Posted by ブクログ
こころを動かすマーケティング
・instritic value / extrinsic value
・基本的な価値(機能/スペック) / 付帯的に加わる価値(エモーション、情緒や感性の価値)心が動かされる価値の創出
・マーケティングには両方が必要
・コカコーラは後者を100年にわたって変えて来た。
・ブランドとは進化するもの。
・インターナルマーケティング(働いている人たちの気持ちはシームレスに横一つであるべき)
・営業の仕事をマーケティング発想で変えていく(仕組み、やり方を変える)
・阪急電鉄創業者の言葉、将来の志は高く持ちなさい、日々の足元のことをしっかりやり遂げること=志に達する最も近道
・24時間顧客のことを考える
・常に問題意識を持って考える
・何をやらないかも戦略
・現場にこそマーケットあり
・誰に一番買ってもらいたいかを考え、ネーミングするそうけんびちゃ
・平均点のマーケティングは失敗する、似たような商品も失敗する
・一番手を獲得したなら、すぐにはその座をゆずらなくてすむ
・どうしてこの商品を作りたいのかを語れるか(周りから反対されてもなお)
・人を巻き込み動かすことが必要(熱意を持って頑張っているのだから、なんとかしてやろうという意識を持ってもらうことが必要)
・ぶれないこと、信念を持って姿勢を変えない
・ロジック、情熱、説得力、ギミックも必要
・統合マーケティングの強さ360度マーケティング
・新商品の提案は、A4の紙一枚、説明は3分で
・何が新しい価値だけを述べる -
Posted by ブクログ
所詮ビジネス書、さらりと要点を、と思ったけれど、結構ちゃんとよんでしまった。全然テレビ見なくなったけど、ああ、ああいうCMやってたけど、ウラではこんな色々考えてたんだ、と。
ボトリングと販売は別会社が行うという仕組み
世界一のブランド
基本的な価値だけでなく、付帯的情緒的な価値も
創造的な緊張感
マーケティングで最も大事なこと。それは、お客様がきちんと見えているか。24時間いつでもどこでも顧客のことを考えよ
販売の最前線に出向くこと。オフィスで考えるのではなく、街を見ること。
3日分の現場の調査データのみ。後は確信(爽健美茶)
平均点のマーケティングはしない
ビジネスプロセスの起点はお客様
お客様だけでなく、社内スタッフ、取引先など色んな人の心を動かす
最後まであきらめない(明日があるさキャンペーンを受注したのは第一回目にきられそうになった広告代理店)
マーケターは一人では何もできない。機能に徹する。コーディネーターに徹する。
Everything communicates -
Posted by ブクログ
・市場を伸ばしていく最大のポイント。その方向性を集約しているのが、「ペネトレーション」(浸透率)と「フリークエンシー」(頻度)です。ペネトレーションとフリークエンシーの掛け算によって、消費頻度をあげてもらうことはマーケティングの基本的な考え方です。
・将来へ志は常に高く持ちなさい。そして、日々の足元のことをしっかりとやり遂げることこそが、その志に到達する最も近道なのだ
・効果的なコミュニケーションとは、テクニックではなく自分自身が情熱を持って人生を積極的に生きること。それが他人にも影響するのだということ。
・マーケティングという戦略には、コケるときもあるのです。それよりも大事なことは、ベストを尽くすこと。その場その場で、ベストと思える取り組みをする。そうすれば、何かが開けてくるのです。僕はずっとそう思っていましたし、今もそう思っています。
・モノづくりをするとき、最も陥りがちなある危険が潜んでいる。それはこれぞ消費者のニーズではないか、と平均的で汎用的なモノをつくってしまうということです。統計を取り、平均値を出してモノづくりに挑むと、こういうことが起こりうるということです。
・セールスも、マーケティングの一環であるべきなのです。そこで僕は部門の名前も「マーケティング・オペレーションズ」と変えました。
・日本コカコーラの営業担当者とボトラー社との「協働マーケティング」を考えていた。
・結局のところマーケティングとは、人の心を動かせるかどうか、に尽きると僕は思っています。
・マーケティングは絶対に一人ではできない仕事である。そしてもう一つはマーケターはプロジェクトを引っ張るリーダーなのではなく、ひとつの欠かせない機能である、ということです。優秀なマーケターはどうするのかと言えば、機能に徹するのです。
ブランドマネージャーになっても成功している人は、上から目線には決してなりません。
一緒に腕まくりをして頑張っている、という空気をつくるのがうまい。ひとつのプロジェクトの目的を完遂するための、あくまでのコーディネーターになる。リーダーではないけれど、なくてはならない存在になる。そしてここで重要なのが、人を巻き込み、動かしていくということです。
・20ページ、30ページかけて一つの説明をしないといけない商品を、お客様にどう説明するのか、ということです。一瞬でどう心をとらえるのか。この新製品はここがいい、とか価値のメッセージをすぐに言えなければ、お客様には伝わらない。僕は、プレゼンのフォーマットはA41ページに絞るというルールを作りました。
・書いてほしいことは、何が新しい価値か。それだけ。ニューバリューが何かだけを考え、突き詰めなさい。それだけを説明しなさい。説明時間は3分。そのかわり、その新しい価値を説明するのに、歌を歌おうが踊りを踊ろうが構わない。一番効果的に伝わると思う方法でやってほしい。
・実は、市場の背景や現状分析はいらないと考えたのは、それこそ大きなくせものだからです。市場の背景を書こうとすると、今が300億円で3%の成長で・・・と書きたくなるからです。つまり、すでにある市場で提案を考えてしまう。まだ市場はありません、とは言いにくい。新しい市場を創造するという、常識にチャレンジする発想が出てきにくくなるのです。