上原隆のレビュー一覧
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ネタバレ「つらいことや悲しいことがあり、自分を道端にころがっている小石のように感じる時、人は自分をどのように支えるのか?今回はつらい場面の描写だけではなく、それを乗り越えた瞬間にパッと輝く喜びの表情を記録したいと思うようになった。」
『小さな喜びを糧に』
二分脊椎症と水頭症を併発して生まれてきた息子について語られた言葉で息が詰まりそうになった。
「なんていうかな、将来のことを考えては今日は生きられないってことなんです」
『ブロンクス生まれのウェイター』
人に親切にすること、お洒落をすること。彼の生活信条は至って単純だけど、その単純な生活信条が日々を生き生きとさせる。
『タイムマシーンに乗って』
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ネタバレ何度失敗しようが、何度挫折しようが、こうありたいという思いを持ち続けることはできる。
(「うつ病」より)
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多分、この文庫本が出てまだ間もない頃。
いつも通る本屋さん、ふと目に付いた本屋さん、いくつかの書店にこの文庫がずらりと並べられていた。
ミーハーなので、すぐ私は手に取る「何?ナニ??」って。
でも、何故か買わず。
月日は流れ、およそ5年、私はこの本を遂に読む。
ジャンルはノンフィクション。
ボブ・グリーンタッチのルポ。
…ぼぶぐりーんとは何ぞや??
アメリカのコラムニスト…などなど、ちょっと調べてみたり。
普段、私はノンフィクションを読むと、色んな意味で考え込んでしまうの -
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本の印象。タイトルが熱を帯びた投げかけのように感じるのに、文章は淡々とした語り口が続いていく。
だから、ジーンとした心に刺さるものを得るには、読者の側の姿勢に委ねられる。
上原氏もこの本の中で書いていたが、それは鶴見俊輔氏の文章術を引き継いだもの。“なるべく形容詞や副詞は避ける。「美しい」とか「とても」とかは使わない。基本的には名詞と動詞だけで良い”というものが貫かれているからなのだろう。
コペル君が、友達と約束したのに、上級生の理不尽に抗議する友達の雄姿に加われず。そのことを分析した箇所が気に入ったので一部引用します。
〜〜火のそばに手を持っていけば熱いから手を引っ込める。赤 -
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300人以上の人と会い、話を聞き、感動したものを書籍にして、5冊。その百近くの話を振り返ったのが本書。これまで語らなかった著者自身の考えについて本書では紙面を割いて述べている。
「つらい話をたくさん書いてきた。
…
こうした話はどれも、気軽に話せるようなことではない。どちらかというと人に知られたくないようなことの方が多い。よく話してくれたものだと思う。
そのような話を原稿にして、発表する前に当人に読んでもらう。そのとき私はいつもドキドキする。『こんなことを書かれたら困る』とか、『私はこんな人間じゃない』といわれたらどうしようと思うからだ。もちろん、修正意見には応じる。しかし、根本から違 -
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読書録「友がみな我よりえらく見える日は」4
著者 上原隆
出版 幻冬舎
p220より引用
“ 他人はどのようにして自尊心を回復する
のだろうか?
人が傷つき、自尊心を回復しようともがい
ている時、私の心は強く共鳴する。”
目次から抜粋引用
“友よ
登校拒否
職人気質
別れた男たち
リストラ”
ルポライターである著者による、日々を生
きる一般人の人生の一部を記したノンフィク
ション。過去に他社から刊行された作品の
文庫版。
事故で失明した人から会社の嫌がらせでリ
ストラに追い込まれた人達まで、苦境であっ
ても時分を失わないように生きている人達が
記録されています。
上記 -
Posted by ブクログ
これはなかなか良いノンフィクションでした…! 著者曰く、劣等感に苛まれた時、人はどのようにしてそれを克服するのか…? みたいなことがテーマに掲げられていますけれども、ここに出てくる人たちはまあ、平凡な人生を歩む人たちばかしですね…。だけれども、平凡の中にもそれぞれ、感ずるところがあったりして決して一筋縄ではいかないんですなぁ…!
ヽ(・ω・)/ズコー
著者は傍観者というか、外野の人間に徹しているような感じですので、決して当人を否定したりなんだり…そういったことをしないので、読み手としてはとても気持ちよく読めました。生きていると色々なことが起こるんですねぇ…みたいな感慨と共に再読することを