上原隆のレビュー一覧

  • 友がみな我よりえらく見える日は
    幸せの物語は少ししかないけれども
    不幸せの物語はその人の数だけある
    まるで
    そのままの、せつない短編集でした

    生きているということは
    こういうこことなのです
    自分が暮らす
    すぐそばに
    それぞれのやりきれなさを抱えて
    暮らす人たちの物語り

    生きていることに
    愛おしさを感じてしまう
    それでも
    生きて...続きを読む
  • こころ傷んでたえがたき日に
    高いところから夜景を眺めていると、あの灯りひとつひとつにはどんな暮らしがあるんだろうと思うことがある。その答えが本書にあった。
  • 君たちはどう生きるかの哲学
    本の印象。タイトルが熱を帯びた投げかけのように感じるのに、文章は淡々とした語り口が続いていく。
    だから、ジーンとした心に刺さるものを得るには、読者の側の姿勢に委ねられる。
    上原氏もこの本の中で書いていたが、それは鶴見俊輔氏の文章術を引き継いだもの。“なるべく形容詞や副詞は避ける。「美しい」...続きを読む
  • こころが折れそうになったとき
    300人以上の人と会い、話を聞き、感動したものを書籍にして、5冊。その百近くの話を振り返ったのが本書。これまで語らなかった著者自身の考えについて本書では紙面を割いて述べている。

    「つらい話をたくさん書いてきた。
     …
     こうした話はどれも、気軽に話せるようなことではない。どちらかというと人に知られ...続きを読む
  • 雨にぬれても
    前に読んだ、上原隆「喜びは悲しみのあとに」と同様、市井の人の生き方を描く。
    あとがきより。
    「私は1994年頃からこうした取材ものを書き始めた。十年以上続けていることになる。取材させていただいた方々のその後のことをきくと、みんあシッカリと生きている。取材した時は、つらいだろうなと同情した人も、明日か...続きを読む
  • 友がみな我よりえらく見える日は
     そこら辺?にいる人を追う、ルポとでも言うか。以前、猪瀬氏の無名人シリーズを読んだが、それよりもより普通の人々(ちょっと違うか)に焦点を当てている。
     現在版のルポもあれば読みたい。また、ボブ・グリーン(ジョーダンの本を書いた人かも)の本にも興味が出てきた。
  • 友がみな我よりえらく見える日は
    登場する人はみな、どこに出口があるのかも分からない悲観したくなるような状態で生きている。

    登校拒否になった学生の話で、同級生等から「もっと~すべき」等の所謂"常識"という重圧を掛けられるのが辛いという話は考えさせられた。

    学校という空間には、「積極的に友達を作らないといけない」というような雰囲気...続きを読む
  • 友がみな我よりえらく見える日は
    読書録「友がみな我よりえらく見える日は」4

    著者 上原隆
    出版 幻冬舎

    p220より引用
    “ 他人はどのようにして自尊心を回復する
    のだろうか?
     人が傷つき、自尊心を回復しようともがい
    ている時、私の心は強く共鳴する。”

    目次から抜粋引用
    “友よ
     登校拒否
     職人気質
     別れた男たち
     リ...続きを読む
  • 友がみな我よりえらく見える日は
    2017/1/30
    書かれたのが結構古い本だったけど、人の思い、やり過ごし方は変わらない。自分の思いに閉じこもらないように。「私よりひどい生活をしている人はいっぱいいる。私はまだずっとまし」
  • 喜びは悲しみのあとに
    ・・・そうか、あの小説に出てきた障害児は、打海さんの息子さんだったのか、と驚く。
    世に名の知れてる人、まったく知られてない人、いろんな人の辛さ、悲しみ、寂しさ、との向き合い方。
  • 雨にぬれても
    隣にいる様な普通の人々。
    彼らの喜怒哀楽が、胸を揺さぶるのは
    何故でしょうか。
    筆者の腕と心を、感じます。
  • 友がみな我よりえらく見える日は
    作者の主観のようなものは、あまり語られていなくて、事実が淡々と書かれています。生きて行くことは、並大抵のことではないと実感しました。
  • 友がみな我よりえらく見える日は
    これはなかなか良いノンフィクションでした…! 著者曰く、劣等感に苛まれた時、人はどのようにしてそれを克服するのか…? みたいなことがテーマに掲げられていますけれども、ここに出てくる人たちはまあ、平凡な人生を歩む人たちばかしですね…。だけれども、平凡の中にもそれぞれ、感ずるところがあったりして決して一...続きを読む
  • 友がみな我よりえらく見える日は
    10年以上前に読んだ本だけど、忘れられない一冊だ。上を見てもキリがないけど、下を見てもキリがない。。今の自分の暮らしを大切に生きよう。
  • 雨にぬれても
    その夢について少しだけ書く。私は本書に書いたような文章を新聞紙面に載せたいと思っている。アメリカのコラムニストのような仕事をしたいのだ。新聞の隅っこに載っていて、朝食を食べながら読んだ人がふとコーヒーカップを宙で止めるような文章。そしてその文章が心に残り、その日一日人に対して優しい気持ちになるような...続きを読む
  • 友がみな我よりえらく見える日は
     ノンフィクション。余計な思想は一切語らず、被取材者が体験した事実が淡々と語られている。それだけにインパクトが強い。あたしノンフィクションはほとんど読まなかったんだけど、この手の表現手法の有効性はきわめて大きいことを認識した。衝撃的な写真を無言で見せられたような感じ。
  • 雨にぬれても
    おそらく登場人物それぞれが自分とはそれほど遠くない「フツウ」の存在であるからこそ、その生活の中での些細な喜びや悲しみが一層強く共感できるんだなと思う。
  • 喜びは悲しみのあとに
    上原隆の切ないシリーズ2冊目。さらに透明感を増した文章と、前作よりもほんの少し希望がある分、非常に読みやすかった。相変わらず切なかったけど。平易で上手な文章はかなり好み。
  • こころが折れそうになったとき
    「将来のことを考えては今を生きていけない」という話を訊き、週末に居場所を持たない土曜出社して一日を過ごす男女のことを語る。自死した哲学者の家族や友人を訊ねて、自殺の畏怖を確認する。自分探しの掘り下げ方を就職活動生に探ったり、人が救いを求める啓蒙やスピリチュアルの言葉を、実用面から「限界哲学」と考えて...続きを読む
  • 喜びは悲しみのあとに
    ノンフィクション短編集 友がみな我よりえらく見える日は の第2弾。
    実話なので重いです。
    でもいろんな世界があるんだなって思わされるし、いろんな悩みがあるんだなって思わされます。
    そして悲しみの底から這い上がってくる人間のパワーを感じたりもします。
    落ち込んだあとに、悩みが晴れた時の感覚とかそう...続きを読む