上原隆のレビュー一覧
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エッセイとルポルタージュとの間の読み心地という感じがした。事実のみを記す中にも、著者の取材対象者への眼差しや、興味が感じられて、わたしも同じ場所にいて話を聞いている気分になる。生きるのがつらい時や、まさしく「他の人は〇〇しててあんなに進んでるのに私はなんてだめなんだ」って気持ちになった時にこの本のこ...続きを読むPosted by ブクログ
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市井に生きる人々の、人生のごく一部を覗かせてもらったような気持ちになるノンフィクションコラム。
人の数だけ、それぞれの人生のお話があるんだよ、と教えてくれる1冊。
私と全く関わりのない人たちのストーリーなのに、どうしてか共感してしまったり、なんとなく懐かしい気持ちになったり、(その人たちのとっての)...続きを読むPosted by ブクログ -
メンタルが辛いときにすごく効く。定期的に読み返したい。
色々な人が色々な悩みを抱えて生きているということが、見たまま淡々と書かれているのが良い。こうしたらいいというアドバイスではなくて、そっと寄り添って視野を広げてくれる本だと思う。
この本を読むきっかけになったのが「容貌」という話で、やっぱりこれが...続きを読むPosted by ブクログ -
どんな人も生きている間楽しい事ばかりのわけはなく。どうにも苦しい人生をなんとか生きている。
登場した全ての人にそれでいいんだよ。これから先辛いばかりの人生とは限らないよ。とささやかなエールを贈りたい。Posted by ブクログ -
■大丈夫、ひとりじゃない■
つらい時、さみしい時、上原隆さんのノンフィクションコラムがときどき無性に恋しくなる。基本的には上原氏の他の著書と同じ構成、同じ雰囲気だ。ただ、本書はタイトルが大げさで初めての人はイメージした内容と違うかもしれない。
登場するのは特別な人間ではない。駅前の交差点、公園の...続きを読むPosted by ブクログ -
この人の本は初めて読んだ。ひとつひとつのエピソードを、淡々とした語り口で紡いでいく。ただの不幸話の羅列ではない。
100のエピソードからの抜粋らしいけど、全部読みたかったな。
帯の、涙と感動の22篇、という煽り言葉はイマイチ。Posted by ブクログ -
取材型のエッセイ集、視力を失った友人、離婚したシングルファーザー、見習い女優などざまざまな人に話を聞き、悩みや不安にどう向き合って生きているのかを、鮮やかにまとめている。そこから浮かび上がるテーゼは「人は自分でつちかってきたやり方によってのみ、困難な時の自分を支えることができる」(P19)。と、言...続きを読むPosted by ブクログ
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「普通」から外れて 割の合わない境遇に
なってしまった悔しさ 辛さが
淡々とした言葉ににじみ出ます
つまずいた人たちの話だけど
何度でも立ち上がれると思える
みんな 強いですねPosted by ブクログ -
これまでのコラムは、他者を暖かいながらも客観的に淡々と描写することによって「人が困難に直面した時にどう対応するのか」を書き綴ってきた.
今回は、一転して自身の内面をさらけ出し、内面を奥のほうまで掘って掘って掘りまくる.
「良き自分探し」とは内面に向かって自分を掘ること、「悪しき自分探し」とは自分の外...続きを読むPosted by ブクログ -
市井の人の日常。
すべての人にドラマがある。
でもそれを取り立てて盛り上げるわけでもなく淡々と。
それが物足りなくもあり、日常らしくてよくもある。
家ついていってもいいですか?を思い出した。
新ジャンルだなと思った。タイトルが良い。Posted by ブクログ -
この本はどこで見つけたのか…それが思い出せません。重松清さんが解説を書かれているからかもしれません。
上原さんはエッセイやコラムを書いてこられたそうですが、この本はノンフィクション・コラムとして書かれた1冊です。
題名は石川啄木の『悲しき玩具』に所収されている詩からつけられたと扉に書かれています。
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友がみな我よりえらく見えたとしても、その友にもそれぞれの事情や生活があって、それぞれがそれぞれえらく見えているだけなのかもしれない。Posted by ブクログ
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題名から、どんな内容の本かと思ったら、ひとつ目の話があっという間に終わってびっくり。こういう形式の本なのね。
後書きを読んで、また読み返したくなるような。
作者が、取材相手から聞いた話を文字にして、まとめて、物語にしたもの。
ということは、どれも実話なのだね。
本当に世の中にはいろいろなことが起き...続きを読むPosted by ブクログ -
「つらいことや悲しいことがあり、自分を道端にころがっている小石のように感じる時、人は自分をどのように支えるのか?今回はつらい場面の描写だけではなく、それを乗り越えた瞬間にパッと輝く喜びの表情を記録したいと思うようになった。」
『小さな喜びを糧に』
二分脊椎症と水頭症を併発して生まれてきた息子につい...続きを読むPosted by ブクログ -
啄木は、「友がみなわれよりえらく見ゆる日よ花を買ひ来て妻としたしむ」と読んだが、辛くてどうしようもない時、人はいかに自分を支え、希望を見出すのか。
本書には、さまざまな悩みをもった人が登場しているが、その人たちは置かれた状況の中で精一杯「自分をはげまして生きている」。
私自身も、他人と比べて、他人...続きを読むPosted by ブクログ -
何度失敗しようが、何度挫折しようが、こうありたいという思いを持ち続けることはできる。
(「うつ病」より)
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多分、この文庫本が出てまだ間もない頃。
いつも通る本屋さん、ふと目に付いた本屋さん、いくつかの書店にこの文庫がずらりと並べられていた。
ミーハーなので、すぐ私は手に取る「何?ナニ...続きを読むPosted by ブクログ -
様々な人からその人生経験の話を聞き、それらまとめた短編集。いわゆる何らかの傷をもった普通の人、を対象として心にグッとくるようなエピソードが多く、改めて世の中には人の数だけその人生があるのだなと思った。
「友がみな我よりえらく見える日は」どこかで聞いたことがあるフレーズと思ったが、石川啄木の一握の砂...続きを読むPosted by ブクログ