柳谷晃のレビュー一覧

  • 面白くて仕事に役立つ数学

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    著者の思想がつよく垣間見えるところもあるが、自分の思想に沿っているのもあったので私は気にならなかった。このあたりで好き嫌い分かれるところはありそう。
    内容としては、タイトルにある「仕事」というより何かを考えるとき全般に活かせるような部分もあり、仕事にとどまらず考え方を拡げておくために役立つ知識が多く最後まで面白く読めた。学生時代に数字を避けてきたため数字や数式が出てくると理解が及ばない部分もあったが、今後学習することのモチベーションにもつながると感じた。

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    2025年11月30日
  • 数学はなぜ生まれたのか?

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    釈迦、キリスト、ムハンマド。このお三方の中でどなたが一番数学ができたと思われますか。お経から考えて、1番は釈迦、科学への理解から考えて、2番目がムハンマド、キリストは数学を勉強した記録がありません。

    最澄、空海だけではありません。昔のお坊さんは、科学者でもありました。日本には多くの神社仏閣が残っています。その美しさに惹かれて、神社やお寺がお好きになった方も多いでしょう。とにかく神社やお寺の建物の姿は綺麗です。法隆寺の五重塔だけではなく、フェノロサが「凍れる音楽」と評したとされる薬師寺の東塔や唐招提寺など、いつまで見ていても飽きません。

    その知識の積み重ねの上に今の私たちの生活があります。ですから、数学を学ぶことで、昔の人の努力に感謝する心が芽生えます。そのような数学の教え方でなければ、意味がありません。そのような教え方ができるなら、すべての人に数学をわかってもらえるはずです。

    普通の人が努力でできるところまで、2次方程式の解き方がやさしくなったのです。ヴィエトのような人がいると、普通の人の能力が上がります。国民の知的レベルが上がれば、もちろん、国力も上がります。そのようなことを成し遂げた人を天才と言います。何かの能力があるだけで、人の能力を上げられない人は、ただの優れた人で天才ではありません。

    数学に大きな変革があるときには、たいていの場合社会からの要求があります。国力を強くしなければない。国を立て直さなければならない。そんな気持ちに社会全体がなっているときに、数学の世界でも大きな進歩が生まれます。

    なぜなら、ピラミッド側面の高さ(AS=x)と、底面の正方形の一辺2aの長さの半分は、黄金比になっているからです(図3-⑥参照)。図でいえば、a:xが1:1+√5/2になっているのです。作図した黄金比を元に直角三角形SAHを作り、ピラミッド全体の建設に利用したのでしょう。また、ピラミッドの中の通路は、2歩くと1上るように作られています。つまり、ここには底辺:対辺:斜辺が2:1:√5の直角三角形が隠されています。おそらくその比を持つ直角三角形が建設に使われたのでしょう。

    対立を通して世界を見ると、簡単にものが理解できます。しかし、そんな簡単に世界は動いていません。ヨーロッパとイスラム帝国でも同じです。科学の文化の交流を見れば、敵対関係ではないことがわかります。十字軍はエルサレムに攻めこむときにベネチアの船を使いました。バグダッドの総督はベネチアに十字軍に船を供給するのをやめてくれないかと申し入れています。そのような交渉ができるのも、バグダッドとベネチアが貿易をしていたからです。数学の伝播の仕方を知ると、そんな事実に気づくこともできます。

    第4講 古代ギリシャで「証明」が生まれたのはなぜか?

    すると、他の都市国家と話すときに、説得をしなければなりません。ある問題について、なるほどそうだと、論理的に納得が得られる解決策を提案しなければなりません。話し合いが前提になります。大きな声を出しても、相手は帰ってしまうだけです。すると、他を圧するほどの国力を持たない両者にとって、お互いにまずい結果が生まれます。たとえば、古代ギリシャに大きな国が攻めてきたときには、何とか意見を調整して、一丸となって戦わなければ、ギリシャ全土が征服されてしまいます(実際にペルシャ帝国に攻められたとき、そのような危機に陥りました)。どのように大国と戦うか、都市国家同士で納得の行く、正当性や合理性を備えた都市国家の意見が通るでしょう。無理を通したり、力ずくで言うことを聞かせたりすれば、対等な関係は築けません。つまり、論理的な証明は、対等な関係の根幹にあるのです。とはいえ、古代ギリシャの場合は、一つの都市国家が他を圧倒するほどの国力を持てず、それぞれの都市国家の力が拮抗していたため、対等な関係を結ばざるをえず、論理的な証明が求められた、と言うべきでしょう。

    中国や日本の数学では、緻密な計算は育ちましたが、証明が育ちませんでした。古代ギリシャとどこに違いがあったのでしょうか。中国では、黄河が氾濫すると肥沃な土が上流から流れてきます。耕さなければ作物はできませんが、耕せば農作物の生産量は着実に増加します。そして、多くの人口を養っていける国を作った方が強くなります。すると説得する相手は、誰になるでしょうか。国の最高権力者や土地の実力者です。すなわち皇帝や王、宰相ということになります。そうなると、論理的な証明は求められません。説得すべき相手が納得する話し方こそが必要になります。故事来歴などを使って、「そうか、なるほど」と思わせることが勝負を分けるのです。「おまえ、面白いことを言うね」と言わせたら勝ちです。証明よりレトリックです。中国には孔子から荀子、荘子まで多種多様な思想を説く諸子百家はいましたが、証明は育ちませんでした。中国から伝わった教科書、『算経十書』(『九章算術』〔「はじめに」参照〕を含む古代中国の数学書の総称)で数学を習っていた日本にも、証明は育ちませんでした。

    解説はよくわかる先生がればなりません。論理的に積み上げていない方も大変です。現実の問題を解くときには、直面している問題のどの数が教科書の問題のどに対応するかを自分で判断しなければならないのです。応用力をつけるのも一苦労です。この教科書で数学を学ぶのは、才能がないと、なかなか難しかったでしょう。しかし、論理で押して、正しい証明を示してあげると、才能がない人でも、数学がわかるようになります。この点は古代ギリシャ人に感謝する必要があります。

    必ずしも、現実を現実のままに見てはいないのです。まっすぐに見えても、まっすぐではないことがたくさんあります。ですから、数学では、まっすぐとは何か、ということを定義しないと、人によって言うことが変わってしまいます。ある言葉を書いたら、読んだ人がすべて同じ意味を頭に思い浮かべられるようにしなければ、数学は成立しません。

    いつの時代でも理屈っぽい人はいます。数学が専門でない人が、数学の専門家のことをよく理屈っぽいととがあります。このことについては、私はちょっと違うと思います。数学の前には事実がありますので、あまり理屈っぽい人は数学に向きません。あくまでも数学は理屈ではないのです。事実ですから。自然をそのまま理解できない人、感じ取れない人には、数学はできません。それから、想像力のない人も数学はできません。理屈で押すのは数学ができない人です。

    「論理的」という言葉には、難しい言葉の響きがが、三段論法には飛躍がありません。努力すれば、才能がなくてもわかります。少なくとも素直になればわかります。つまり、論理で積み重ねたものは、一般の人でもわかるということです。これが古代ギリシャような証明を育てたところの強みです。努力すれは凡人でもわかる。そういう証明があるヨーロッパと、才能がある人しかわからない数学が育った中国、日本。
    どちらが生産性が高くなるか、最初から勝負は決まっています。


    「論理的」も「抽象的」も何か難しくものを考えているように聞こえますが、逆です。現実をそのまま捉えたり、常に変化する数値を扱らより、やさしくものを考えられるように論理的、抽象的な考え方を使うのです。もし、現実をそのまま考える方がやさしいと思っている人がいたら、それは現実を見ていないからです。この世界はそんなに簡単にできているわけではありません。

    世界三大数学者といえば誰か、ご存知でしょうか。アルキメデス、ニュートン、ガウスです。最初の2人は知っている方も多いと思いますが、ガウス(1777-1855)は意外と知られていないかもしれません。でも、現代の私たちの生活に、最も役に立つことをしてくれたのは、18世紀から19世紀を生きたガウスでしょう。2乗するとー1になる複素数iの意味づけをしてくれた人です、と聞いても、生活に全然近くないのでは?
    と思うことでしょう。しかし、統計の正規分布など、現代の統計処理の基本をすべて作ってくれました。現代に欠かせない測量技術もガウスなしには語れません。ニュートン(1642-1727)は、17世紀から18世紀を生きた人ですが、アルキメデス(B.C.287-B.C.212)は断然古く、紀元前3世紀の人です。

    アルキメデスを数学者として見ている人は少ないでしょうが、数学でも非常に大きな成果を残してくれました。アルキメデスは、高校の数学の代名詞のように言われる、微分積分学に非常に貢献した人です。正確に言えば、微分積分学の礎を築いた人です。高校の教科書では、微分を先に学び、その後に積分を学びます。ところが、数学の歴史では、微分よりも積分の研究が先に進みました。積分とは、面積を求めるための手段と言ってもかまいません。その技術は主に耕地面積の計算に使われていました。かつては納税と言えば、穀物で納められていたので、納税額を決めるためにはま
    ず、耕地面積を算出しなければなりませんでした。くり返しになりますが、積分とは、一言でいえば、面積や体積を計算することです。微分とは、接線を求めることです。古代文明で、微分と積分のどちらが先に必要になるかといえば、面積・体積を求める積分でした。ですから、積分の考え方が先にできたのは、自然なことです。数学は人間の生活に必要なことに影響されながら育っていきます。

    微分積分を研究した人の名前を挙げると、その時代の天才の名前が並びます。ガリレオ、カヴァリエリ、トリチェリ、フェルマー、パスカル親子、デカルト。すごいメンバーです。そしてこの中には、微分積分を作るのではなく、それを研究するための道
    を整備した人たちもいます。フェルマー(1601-1665)やデカルトは中学で習ら座標を作ってくれました。中学で習う座標をデカルト座標と呼ぶのは、このためです。今の座標に近いものを作ってくれたのは、デカルトではなくて、フェルマーだと言われています。

    ケプラーのお母さんも、魔女の疑いをかけられましたが、ケプラーは貧乏な中でも何とかお金を作って、お母さんを助けました。ケプラーが死んだ直接の原因は、馬車で移動するお金がなく、馬で長距離を移動したために引いた風邪でした。


    しかし、キリスト教では、自然の仕組みは神様が作ったと考えていますから、その研究は聖職者にしかされていませんでした。だから、聖職者以外の人が自然の仕組みを探求することは歓迎されるどころか危険だとみなされ、時には抑圧され、弾圧されました。しかし、カトリックには、長い歴史がありますから、包容力があり、融通がきき、落としどころを考える知恵も備えていました。十字軍遠征でイスラムの文化に触
    れて、カトリックだけが優れているわけではない、と気づく人が出てきます。それらとあまりにもカトリックの言っていることが違うので、キリスト教を棄てた人もいるくらいです。そして、イスラムの大学や文献から、新しい知識が続々と入ってきました。キリスト教の言っていることだけが、正しいわけではないということが、知識人に浸透していきました。同時に自然環境が寒冷化で厳しくなっていました。何とかしなければ、生きていけません。

    普通の人が微分積分を計算できるようになる。結果、厳しい気候から国を守ることができるようになり、軍隊や兵器が優れたものになり、産業も発展します。それだけ数学が社会と密接に結びついていた時代だったということです。本当はいつでもそうであるべきです。社会にはいつでも見えざると見えるとにかかわらず、解決を待っている問題があるからです。


    「もし私が他の人よりも少しよく知っているとすれば、それは私が昔の巨人達の肩の上に乗って立っているからである」――ニュートン

    数学は自然の動きや動かなくても現実にあるものを扱います。実際に見えなくても、それが式の中に現れるものであれば現実のものとして扱います。ですから実際に存在するものの性質に依拠した証明方法や問題の解き方を考える必要があります。理屈、すなわち、論理計算だけを扱っているわけではないので、理屈で押す人は数学ができない人です。数学は五感だけでは足りません。五感では見えないものを見ながら証明しますから。

    亡くなられた方とお話しすると言うと、霊媒師を思い浮かべてしまうかもしれません。しかし、私たちが触れる大切なことは、たいてい亡くなられた方が残してくれたことです。そのことから学ぼうとすればその作品を通して、彼らとお話ができなければなりません。レオナルド・ダ・ヴィンチと話したければ、彼の手稿を読むか、「最後の晩餐」を見れば、お話しすることができます。そして、彼の数学の考え方を聞くことができるでしょう。そのためには良い目と良い耳と数学の才能が必要ですが。

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    2023年08月23日
  • 面白くて仕事に役立つ数学

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    面白くて仕事に役立つ数学
    by 柳谷 晃
    これなのです、人間が実例やデータを必ずしも信じない、ということは。どうやら人間は、データや数字を「経験から読み解く」のではなく、「自分の都合の良いように解釈する」生き物だといえそうです。  人は誰でも自分にとって心地よい話を聞きたい。耳障りなことは聞きたくない。だから数字や事実がどうあれ、自分の嫌なことは信じないし、証明されていても納得しないのでしょう。

    数値は現象のある一面しか表していないものです。その数値をどのように使うかは人間の責任なのです。

    複雑な構造は簡単な構造の積み上げです。簡単なことにこそ本質があるのです。原点に戻って元データを大切にする気持ちをいつでも持ち続けること、それが大切なのです。

    なぜなら、理系における専門用語は、他の事実と混同することがないように使うものだから。使う人によって、意味が変わってしまうというようなとぼけたことを避けるために、言葉を厳密に定義するのです。

    効率の悪さは必ずしも悪いことではありません。効率的でないことで、考える時間をつくるということもあります。人間の頭には、いろいろな場合の中から、大切なことだけを残す、という能力があります。これが「勘」です。

    日本人は、株のようなリスクのあるものに投資をするのはあまり好きではないようです。それは、貯蓄のある世帯がどのようなかたちで貯蓄しているか、その比率を見ても明らかです。通常の貯金や銀行での預金が、なんと 50%を超えているのです。一方、株式、債券、投資信託などの投資関連商品は 20%、保険は 25%くらいのもの。日本人が好む「貯蓄のかたち」は、まだまだ郵便貯金や銀行が定番といっていいでしょう。

    そうはいっても、下手に株に手を出すと、元金まで0になってしまいそうでなんとなく危険な感じがします。日本には昔から「株などに投資するのは、とんでもない」なんていう考え方があったので、なおさら株に対する警戒感が強いのでしょう。

    私たち国民みんなが貯蓄一辺倒になると、日本の経済を悪化させることにもつながります。経済を支えている企業に元気がなくなり、回り回って給料が減る、物価が安定しないなど、私たちの 懐 も打撃を受けることになるのです。

    たとえば株式市場へ過度に資金が入らないと、日本経済に元気が出ません。お金の流動性が失われ、日本経済が健全に回らなくなるのです。

    株を買うときに大切なのが、比較をすることです。比較は絶対評価ではないのですが、次善の策を取るときに大切になります。または、いくつかの選択肢の中から選ばないといけない場合に大切な方法です。

    一方、総資本経常利益率は大きな会社と小さな会社を比べるときに、とても役に立ちます。どのぐらい、自分の資本をうまく利益に結び付ける能力があるかがわかるからです。小さな元手で大きな利益を生み出すことにこそ、商売の上手・下手は表れるというもの。無名の会社でも、この数値の高い良い会社があります。

    自然界からビジネスの世界まで、さまざまなところで不思議とよく見られるのが、「 78 対 22 の法則」というものです。  たとえば「空気中の酸素とそれ以外の気体の比率」がそうです。地球の大気中に含まれる元素は、窒素 78%、酸素 20・9%、二酸化炭素0・03%、アルゴン0・93%という割合になっています。酸素は約 21%ですから、「 78 対 22」からほんの少しずれるだけです。  この比率が崩れるとどんなことが起こるのでしょう。もし酸素が 12%以下になると、火が起こせません。物を燃やせなくなるのです。また 19%以下になると、象などの大型動物が生きられなくなるそうです。さらに、鳥も空を飛べなくなります。少しの数値の違いでも、当たり前に思っていることが、起こらなくなってしまうのです。

    「黄金比」と呼ばれるこの数は、人間にとってとても気持ちのよい数です。理由ははっきりわかりませんが、なぜかきれいに見えるのです。

    有名な画家の絵にも、この数が潜んでいます。たとえばレオナルド・ダ・ヴィンチの自画像では、彼の顔の縦横がこの比になっている長方形にぴたりと入ります。ギザのピラミッドの中にも、広重の版画の中にも、この黄金比率が潜んでいます。そもそも画家が使うキャンバスの縦横の比も黄金分割です。さらに東大寺の大仏殿は、建てられたときの縦横の比が黄金分割です。

    この世界は理屈ではありません。おそらく宇宙ができて、太陽を含む銀河系ができて、その中に太陽系ができて、地球ができたときに、この比が何かの役割を果たしたのでしょう。人間の生命の生物的な仕組みの中にも、この数が潜んでいるのだと思います。この安心できる美しい形に、昔の人は霊的なものを感じた。「この形には聖なる力が宿る」と信じたのです。  これほど誰もが無意識に美しいと感じる五芒星。この形が嫌いだという人は、かなりのへそ曲がりと言えそうです。

    いま、世界は不安定です。そんなときほど、占いや何か人間の力を超えたものに逃げ込みたくなるものです。そこに本当の安心はないはずですが、少しの間でも安心できる部分があるのでしょう。  たとえば「 六曜」という吉凶占い。日付ごとに「 先勝」「 友引」「 先負」「 仏滅」「 大安」「 赤口」の6種類の呼称をつけ、その日の吉凶を占うものです。このようにカレンダーの日付につける注釈を「 暦注」と呼びます。

    もちろん、数えやすくて、計算しやすい便利な「数」が必要ではない、と言いたいのではありません。私たちが当たり前に使っている「数える」という行為ですら、実は当たり前ではなかった時代があったということを知っておいて欲しいのです。

    わざわざ「使わせてもらっている」という表現を使ったのは、そこに至るまでにどれだけの人の工夫と努力があったかわからないほどだからです。毎日使っていることは、あまりに当たり前ですから、毎日とてもお世話になっているのに、どうしてそれができ上がったのかということなど考えません。感謝しなくてはいけないことがたくさんあるのではないかと思います。

    もう一つ、私たちが余り気にしないでお世話になっている数え方があります。コンピュータでよく使われる「2進法」です。  コンピュータでは2の何乗という数が多く、「 16 進法」「 32 進法」「 64 進法」なども使われています。2進法というのは、機械的な処理に向いているのです。たとえば電流が右と左のどちらに流れているのかを使って0と1を区別する、というふうに。  コンピュータだけではなく、私たちが買い物などでよく見かけるバーコードも2進法。白と黒の2種類の色だけで数を表すことができます。バーコードでは、国や製品の種類、値段など、さまざまな情報が2進法で表されています。

    私たちはよく数字で 験 担ぎをします。何か新しいことを始めたり、うまく事を運びたかったりするときに、日付や時刻など、どこかに7とか8の数字を見つけると喜ぶでしょう?「ラッキー・セブンだ」「末広がりの八だ」などと言っています。

    それなのになぜ、平均値は多用されるのでしょうか。ひとことで言うと、「データの真ん中」を知るのにとても便利だからです。さらに、統計理論が展開しやすいのです。

    統計の平均と分散で言えば、この理論は正規分布という分布のもとで展開されている理論です。正規分布とは、データの分布が平均値を頂点とした左右対称の山形で表示される分布のことです。気をつけなければいけないのは、世の中のデータは必ずしも正規分布になっていないことです。それを無視して、どんな場合でも、正規分布をもとにした統計が万能だと思うのは間違いです。  いつでも使えるような方法は存在しないと思ってください。統計は最強ではないのです。

    データマイニング」。山のようなデータの中から、そこに潜むパターンとかルールなどの有用な情報を見つけ出す技術を意味します。

    なけなしのお金を詐欺にかっさらわれてしまう。世の中にはいまも昔も、さまざまな手練手管を 弄 した詐欺事件が横行しています。  その古典的な手口の一つに、いわゆる「ネズミ講」があります。

    ですから複利計算がわかっていれば、当然、詐欺にひっかかることは避けられます。  単純に言えば、等比数列の知識がただの知識のままだと詐欺に遭うなどして不幸になり、知識を活用できれば、幸せにならないまでも不幸にはならない、ということです。

    さらに頭が良いのと知恵があるのとは違います。ここは意外と気づかないところです。  いいかえればそれは、「IQの高い人が、必ずしも人を幸せにするわけではない。知識を現実の世界に使う人が、人を生きやすく、幸せにする」ということ。それこそが仕事であり、ただただ食べるためにする仕事を「しのぎ」と言います。

    金次郎はおじさんの家に引き取られました。このおじさんは「百姓に勉強はいらない。農業の知識だけをつけて、早く一人前の百姓になれ」という考え方。それでも彼はおじさんに隠れて、本を読み勉強をしました。  後の業績から見て、儒教などの生き方の本に加えて、数学を含む科学の本も読んでいたと思われます。そういった学びを通して、「人はなぜ働くのか」「農地を取られた百姓は、それをどうやって取り戻せばよいのか」といった問題の答えを見つけていったのです。  おじさんから独立した二宮金次郎は、 24 歳で自分の家を再興しました。勤勉と倹約と体の強さ、それに数学というよりは経世の力でしょう。お金を貸すことの本当の意味を知っていのだと思います。  そして小田原藩の分家、北関東の桜町領再興をはじめとして、生涯に615の村々を立て直したと言われています。その中には烏山藩、相馬藩の大きな藩も入っていました。しかも日光東照宮の普請では幕府を助けました。

    二宮金次郎はまさに経営コンサルタント。それも本当に商売や経済を知っているコンサルタントの草分けのような人でした。いまの経営コンサルタントのような、大学院を出ただけで社会経験のない半人前とはわけが違います。かなりベテランのコンサルタントにも、半人前のままで会社に邪魔なことばかりする人もいます。

    二宮金次郎のコンサルティングの基本は3つの言葉にあります。 「勤労」は徳に報いるために働くこと 「分 度」は収入の範囲内で支出を定めること 「推譲」は勤労、分度をして、たまったものを将来のために残し、人に及ぼすこと

    等比数列を習って何の役に立つのかという議論、高校までの数学を習って何の役に立つのかという議論がよくあります。現実の役に立つので数学は今まで存在しています。二宮金次郎のような人がもっと増えて、数学を現実の役に立てる方法を見せてあげないといけないようです。

    それに、うまいことを言って周りを言いくるめ、自分だけの利益を捻出しようとする人たちも世の中にはいます。それを見破るために勉強をし、実践的な知識を身につける必要があるのです。

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    2023年08月07日
  • 円周率πの世界 数学を進化させた「魅惑の数」のすべて

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     本書は「円周率の歴史」を綴ったものです。
     あるいは「円周率の世界史」と言った方が、「文系」の人も取っ掛かりやすくなるでしょうか。

     円周率の計算は、歴史をたどれば面白いです。
     古代バビロニアや古代中国、古代インド、古代ギリシャから、ルネサンス後の西欧、そして戦後のコンピュータ時代へと、どう変遷していったのか。

     その中で、革命的な発明がなされます。
     微分積分です。

     微分積分と言えば、接線を求めたり、面積を求めるもの。
     頭ごなしに数学の授業で習っても、そのありがたみというのは、分からないものです。
     しかし歴史を辿ってみれば、無限に計算しなければいけない「無理数」と、「接点」という曲線グラフの収束は、同じであるという発見。
     微分と積分は実は表裏一体という、驚きの発見。まさか「瞬間時速」と「面積」が同じグラフで描けるなんて。

     歴史を辿れば、公式の意味が分かってくる。
     逆に言うと、歴史を勉強する意義は、数学にもあると言えます。

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    2022年01月20日
  • 面白くて仕事に役立つ数学

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    世の中にある統計や常識を、数学的な見方をすれば疑わしい事が多い。
    数学の知識を使えば、もっと良くなれる。
    といった内容。

    確かに、そうなるよね。
    といった感じで、数学的な考え方を実社会に応用する方法を学べる。

    等比例数とか実際に目の前で起きている事はまさにそれな訳だが(ねずみ講や投資貯蓄、売上増加率等)それが等比例数とは気が付かなかった。

    読む前より、少しは数字からストーリーを読み取れる様になった気がする。

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    2024年09月27日
  • 円周率πの世界 数学を進化させた「魅惑の数」のすべて

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    内容・評価
     円周率をキーワードとした数学史(として読んだ)。

     必要に応じて数学が発展するものだったり、中国が数学の面で西洋社会を凌駕していたことだったり、現在は必要性に関わらずより詳細な数値を出そうと努力していることだったりがわかって、興味深い内容であった。

     ただ、レビュアーは私学文系で、数学を一生懸命やっていなかったので(私学もいい学校は多いが、数学を真剣にやるのは大学入試くらいだから、まずは国公立大学を目指すのがよいと老婆心ながら忠告しておく)、本書の内容をあまり理解していない。レビュアーの責任ではあるが、数学が苦手な人にとって苦しい本であることを考慮して星1つ減らして星4つとした。

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    2021年10月05日
  • 円周率πの世界 数学を進化させた「魅惑の数」のすべて

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    πについての計算の歴史的記述が主です。特に計算の過程が詳しいので、必然的に18世紀までの話しが多めです。
    それでも数式は難しく、超越数の証明あたりは何回か読んでやっとわかりました。
    それでも知的好奇心が大いにそそられるので、謎解きとか好きな人にはオススメです。

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    2021年07月24日
  • 面白くて仕事に役立つ数学

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    実学としての数学の大切さを説いた本です。

    「いろんな場面で使われている数学」についての説明は、確かに意味があると思うのですが、「学校で習う数学が、実際にはどのような形で役に立つ、あるいは、役に立っているのか」という視点は弱く、そういう意味では、物足りませんでした。
     ※場面に対応する数学の紹介、という意味ではよいのですが、
      数学に対応する場面の紹介、という点は、物足りませんでした。

    また、経済に関する説明に偏りがち、という印象を受けました。

    とはいえ、全体的に見れば、一貫して、わかりやすい言葉で書かれており、数学が苦手な大人にとって、数学の学び直しのきっかけを与えてくれる、そんな内容になっているとは思います。

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    2018年03月24日
  • 天才数学者たちの超・発想法

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    この本を読んで頭がよくなるとかいうことはないのですが、数学が面白く感じるかもしれません。数学は「論理力」というよりも「発想力」というのも面白かったですし、平均を求めるときにすでに確率の概念が入っているというのも目からうろこでした。
    数学アレルギーの人の一歩目によいかもしれません。

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    2014年07月01日
  • 数学はなぜ生まれたのか?

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    特に目新しい知識はなかったが、昔勉強したことをいろいろ思い出せて懐かしい気持ちになる。

    ただ、現実社会に言いたいことがあるのなら、象牙の塔から見下ろして、人を小馬鹿にした態度で他人事的に批判するのではなく、然るべき議論の場に参加して現実社会に働きかけて欲しい。
    著者が批判する現在の金融工学に対しても、働きかけることが出るんじゃないのか、と思った。

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    2014年06月01日
  • 天才数学者たちの超・発想法

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    数学の歴史の裏話から数学やその他科学に向き合う姿勢まで、心のこもった平易な言葉で語りかけてくる授業をイメージできる説明に、数学に興味を持ち深めようとする気持ちが湧き上がってくる。

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    2014年05月11日
  • 武器になる「わり算」 知っている人が一生得する計算式

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    わり算。引き算から生まれたお化け。比率や平均、偏差値など家計から国政まであらゆる指標を出すのに使われているのに、間違った解釈や使い方をされるケースがあるので注意が必要

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    2026年05月26日
  • 武器になる「わり算」 知っている人が一生得する計算式

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    四則演算の割り算、ひいては割合、比率が使われている世の中の様々な指標、数字の見方が解説されている。
    どの指標や数字も意味を理解して正しく読み取らないと、騙されてしまうから、注意しようということを常々言及していた。

    多くは今後社会に出ていく中高生向けのトピックだが、住宅ローンや保険に関するトピックを始め大人も改めて理解しておくべきトピックもあった。

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    2026年05月06日
  • 武器になる「わり算」 知っている人が一生得する計算式

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    水木しげるの幸福の条件第5条「努力が人を裏切る」が新鮮で参考になった。

    《幸福の七カ条》
    第一条 成功や栄誉や勝ち負けを目的に、ことを行ってはいけない。
    第二条しないではいられないことをし続けなさい。
    第三条 他人との比較ではない、あくまで自分の楽しさを追及すべし。
    第四条好きの力を信じる。
    第五条 才能と収入は別、努力は人を裏切ると心得よ。
    第六条 怠け者になりなさい。
    第七条 目に見えない世界を信じる。

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    2021年02月28日
  • 面白くて仕事に役立つ数学

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    難しい数式は出てこなく、さらっと読めました。

    ■メモしたいところ
    ・「科学的」ということに対して、万能でないことを意識する
    西洋の科学では、一つの考え方で全体を説明しようとする傾向がある。
    人間が方法論を考えたのだから、万能な方法などない。いろんな見方ができるようになろう。例えば「利益が多ければ、会社にとってよい」というのは思い込みで、利益が多くても処理しきれない廃棄物を出したら意味がないという視点ももつ。

    ・GDPが高いと景気がいいといわれるが。。
    そもそもGDPは、国全体で生産した総量を出している。そこには売れていない在庫も含まれている。GDE(国内総支出)は国全体がどれくらい支払いしたかを示しており、GDEも見た方がよい。

    ・投資と投機は違う。
    投資は企業を応援。投機は株価の数字を気にして差額で儲けようとすること。
    投資で知っておくべき指標
     -株式時価総額=株式数x株価 (会社の力とする)
     -EPS(Earnings per share)=利益/発行済株式数(一株当たりの利益)
     -ROE(Return On Equity)自己資本利益率=当期純利益/自己資本x100
    =>当期なので1年しか見ていない未来への投資が見えないので注意!
     -PER=時価総額/純利益 
     (東証1部で、平均15ぐらい。低いと割安感。この数字が回収できる年数を想えばよい)

    ・パレードの法則は80:20だが、78:22もよく見る比率。
     例えば、(79:21ですが)酸素の割合。25以上だとすべて燃える。19以下だと大型動物は死ぬ、鳥は空を飛べない。12以下だと火は起こせない。
     絶妙な割合で生きられる。

    ・調和平均:速度の計算でよくつかう。
     データの個数/データの逆数の和

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    2018年05月06日
  • 天才数学者たちの超・発想法

    Posted by ブクログ

    タイトルに惹かれて読んだら数学史の小話集めたエッセイやった。。。ぜんぜん発想法関係あらへん orz

    数学嫌いには致死性の高い方程式や微分積分などなども、昔の人が現実の問題を解決するために編み出したもので、決して特別なものではないんやで~、という内容。数学苦手な人のリハビリ向けの本やね。

    しかしこのタイトルは煽りすぎとちゃうか(-_-;;;

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    2014年08月20日