齊藤彩のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
2018年1月に滋賀県で発生した、娘による実母殺害・死体遺棄事件。本作は、加害者となった娘と記者である著者が交わした手紙や供述をもとに、事件に迫った衝撃のノンフィクション。
テーマはいわゆる「教育虐待」。医者にさせるという母親の狂気じみた期待を背負わされ、9浪という異常な歳月を強いられたした。
娘の口から語られる肉体的な苦痛や心を削るような罵詈雑言の数々は、読んでいて何度も目を背けたくなるほど過酷で、言葉を失います。
読み進めるほどに、親の期待がいつしか呪いに変わり、逃げ場のない牢獄へと変貌していく瞬間に恐怖を感じます。
子を持つ親として、我が子の幸せを願い、期待をかけるのは自然 -
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Posted by ブクログ
率直な感想としては、あかりはなぜこんなに生きるのが下手なのだろうか。同じような性質を持つ母親のもとで育った自分としては、相手に何をいえば喜ぶのか、何をしたら機嫌が良くなるのかがはっきりしているのだからそれやればいいだけなのにと読んでいてもどかしくなった。医者も助産師も京大の看護科に行くことも別に経験してデメリットはないし、その後にいくらでも自分の希望は叶えられるのに。自分になりたい気持ちがないからやる気になれなくてと不合格になる理由として言っているが、1番の望みは母の呪縛から逃れて1人で生きることではなかったのだろうか。それが本当の願いであれば、その過程などいくらでも乗り越えられたのではないか
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Posted by ブクログ
2018年 滋賀県守山市で発生した
看護学生の31歳の娘が母親を殺害し遺体を解体して野洲川の河川敷に遺棄した事件について書かれたノンフィクション。
母親から超難関の国立大医学部への進学を強要され、執拗な干渉と虐待を受けるなか 9年にもわたって浪人生活を送り、結局 医学部には合格できず
看護学科に進学し 看護師になるはずだった髙崎あかり(仮名)。
ようやく母の束縛から逃れられると思った矢先、今度は助産師学校を受験するように 母に強いられる。
再びあの地獄のような日々を繰り返すことに耐えられなかった あかりは とうとう母親を殺害してしまう──。
家庭とは最も身近な密室なんじゃないかと思う -
Posted by ブクログ
ネタバレ・母という呪縛
逃げられない。
家出をしても連れ戻される。
もしかしたら理想の母娘関係になれるかもしれない、
希望を与えられ囚われる。
逃げられない。呪縛。
・娘という牢獄
出られない。
娘の幸せの道筋をいくら描いても
自分の思い通りにならない。
何故、わからない、どうしたら良い。
この状況から出られない。牢獄。
お互いがお互いを愛し憎みあって
起きた事件。
可哀想だとか 誰かが助けてあげれば良かったとか
こうしてればよかったとか
そういう次元の話ではないと思った
世の中には抜き差しならない状況というのは
確実に存在する。
僕は今自分が思っている以上に幸せなのかもしれない。
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Posted by ブクログ
基本的に人間は、時間をかけたものが自身のアイデンティティになるからこそ生じる問題だと感じた。
また、時間をかけたものが「人」であるというのが、より複雑化させているのかもしれない。
母親は娘を時間をかけて育ててきたからこそ、自他の境界が曖昧になり、自身の思い通りにさせようとする。
※対象が「人」から違うものに変えればいいのか?
ただ、家族や恋愛というのは「人と人」だからこそ成り立つもので、自他の境界を守りつつ、関係を構築していくといのは、非常に難易度の高いことではないかと感じた。
まさきとしかの『完璧な母親』でも、母親が子どもに執着し期待する様子が描かれており共通する部分があると感じた。