齊藤彩のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ネタバレ映画みたいな物語が現実で起きていたんだなと思った。
僕は読んでいて、書き手の方の真摯さが伝わってきたと感じた。
ノンフィクションで泣きそうになったの初めてでした。
やってしまったことは〜とか、殺すのはない、とか、思う人もいるだろうけれど、
きっと、目の前が真っ暗に感じて、どんどん心の視野が狭くなっていくような感覚になっていくんだろうなと想像すると、苦しみは本人にしかわからないのだと思う。
あと、5年くらいで出て来れると思うので、全然僕より出来ること沢山あるし、穏やかに過ごして欲しいと願います。
大袈裟かもしれないけど、
この時代を生きてる皆様と、共に生き抜きたいと思った。 -
Posted by ブクログ
全ての母親は子供を自分の所有物と思ってはいけないと思う。でも、育児してたらそんな当たり前のことがとても難しいことに気づく。
主人公のお母さんは共依存でヒステリーで、限度を超えてるけど、似たような母親って結構いるよなと思った。育児の全てを妻に丸投げしてる父親も、日本ではよく見る光景。核家族化した学歴主義の現代の日本の家庭の問題点を浮き彫りにした事件だと思った。親に厳しく躾けられた人や子育て経験のある人はみな、大なり小なり登場人物と重なる部分があるんじゃないかな?
もちろん、0-100思考で先読みするのが苦手な主人公の特性は問題があっただろうし、こうなる前に他の道を模索すべきだったとは思う -
Posted by ブクログ
一気読み
死んで欲しいと祈りながらも、喜ばせたいと望んだり、失望させてしまったことを悔やんだり、どんなに酷いことをされてもどんなに辛い目に遭わされても憎みながら親を愛してしまう裏悲しさ。
子は親が思っているよりもずっと親を愛している。
母親の方はどうだったんだろう。
自分の見栄の問題だけでなく、医師になることが本当に娘の人生の最良だと信じていたのかもしれない。
愛したいのに愛し方がわからなかったのかもしれない。
どうして助産師にこだわったのか、ずっとどんな気持ちでいたのか、知りたいことが沢山あるけど、もう聞く相手はいない。
きっとお母さんも育った環境が健全ではなかったんだろうなぁ。
ちょ -
Posted by ブクログ
ネタバレこれがノンフィクションとは、といった衝撃作。毒親、というか毒通り越してる。見栄をはるために娘を使うのはよくない。「こんなこともできないの」というならまず自分がやってみろ、とおもう。親戚にうその手紙をかかせたのとかもどんびいた。
いつからか気づいた「子のほうが愛情信頼ぶかい」という現象はまさにこの親子に当てはまると思った。娘さんは大変よくがんばって、賢いからこの環境をうたがって逃げようともしたし強くて芯のある人間なのだと思った。こんな素敵な人材を適材適所に育てられなかった親や社会がだめだとおもう。
社会にたすけを求めても成人していると見捨てるくせに、就職は親の妨害があると成人していてもどこかの家 -
Posted by ブクログ
この事件自体は知っていた。モンスターという呟きに衝撃を受けたのを覚えている。自分の意思が通らない生活、常に監視された中での生活は想像を絶する日々だと思う。
あかりさんは何度も逃げようとしたけど、その度に連れ戻される時の気持ちを考えると苦しい。携帯の使用が制限される中だと、虐待のシェルターとか児相に行く選択肢は生まれないんだなって。必要な人に必要な情報が入っていれば、もっと変わった未来だったと思いたい。
私があかりさんなら、情報がなにもない、得る気力もない中だった、同じことをしてしまうかもしれない。存在を消すことでしか、解決できない状況だったと思う。
この筆者は、これが初めての著書と書いてあ -
Posted by ブクログ
ネタバレ友人と通話中にこの本の話題になったことを機に手に取った。友人はキツすぎて途中で読むのをやめたと。
ほんとにその通り、とにかくキツい、感覚としては『どうすれば良かったか?』を観たときと同じキツさ。家族という最も親密な関係性だからこそ、愛おしくて、離れたくなくて、自分のようにツラい思いをさせたくなくて、正しい道を歩んで欲しくて……正の感情がいくつも重なりあっていたら、いつしか負の方向に進んでいっていて、誰もそれを止められない。
読んでいていくつか印象に残ったところ
・「読んでくださったんですか」自分の感情をわかってもらえないと諦めている人から出てくる言葉
・「お母さん、仕事の帰りに交通事故に遭っ -
Posted by ブクログ
医学部受験9浪を経験したあかりは、遂に母を殺した。その殺人の背景には教育虐待があった。
胸が張り裂けそうなほど壮絶な親子の人生をノンフィクションで描いている。犯罪事件は断片的でなく、横断的に知ることが、社会を守ることになるのだと思った。
忘れられない一冊になった。私が母になったら、もう一度読みたい。
「どちらかが死ななければ終わらなかった」
親子の確執は根深かった。最悪の事態になる前に、社会は彼女らを助けられなかったかと思うが、あの状況で第三者が親子の関係にメスをいれるのは言葉通り相当難しかったのだろう。
亡き人になった母妙子に、なぜコントロール困難な子を自ら長年縛り付けるしんどい道を選ん -
ネタバレ 購入済み
衝撃的でした
刊行当初、SNS等で話題となり気になっていた一冊です。
あかりさんの、犯行に至るまでの過酷な浪人生活と事件発覚後の心情が記されています。
私は教育虐待という言葉をこの一件で知りました。
あかりさんのSNSアカウントは現在も残っていて、事件当日であろう日に投稿されたツイートには多くの共感や励ましの書き込みがありました。
あかりさんは間違いなく実の母親を殺害した犯罪者であるけれども、この一冊を読み通して、私自身あかりさんの境遇や犯行の動機に同情する1人となりました。
ある一定数の共感を得る犯罪、悪というのがなんなのか。またそれに対しての償いとはなんなのか。
そういう事まで考えてしまいました。
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購入済み
共感しすぎて涙が出た
「ああ、私の家と同じだ…」と思った。90点がギリギリ、95点以下で叱られる。学年10位以内は当たり前。そんな家で育った。
89点を取ってしまった時頭が真っ白になり、「母が交通事故に遭わないかな」と願う心境。まるで中学生の時の私だ。私は大学から家を離れたが、うまく離れられていなければあかりと同じ道を辿ったかもしれない。
そんな私ももう、30代後半。結婚して子どももできて幸せには暮らしている。母もかなり丸くなった。
それなのに、未だに昔のトラウマが消えなくて実家にはめったに行きたくない。理由なく母に会いたくない。何かにつけてまた怒られると思ってしまう。子供の頃の恐ろしい母の印象は、30代40代にな -
購入済み
親にとって子どもとは何なのか
実話を基にされた本ということで興味を持ちました。一番思ったのは、あかりさんは本当に長い間一人で戦っていたということ。私自身、大学生受験の際に浪人生活を経験しましたが、一年ですら本当に大変でした。あかりさんは、お母様の意向で9年もの長い間、受験生であったとは、、、想像を絶します。殺人を犯してしまったこと、決して許されることではありません。でもそこに至ってしまった経緯は、複雑で過酷で、あかりさんの心情を慮ると本当に辛い気持ちになります。沢山の人にこの事件を知って欲しいです。
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購入済み
読みやすくわかりやすい
LINEのやり取りや実際の会話が入っているので、読みやすくわかりやすかったです。
死なずによく生きぬいてこられた娘さんだと思いました。
親も思い通りにならない自分の人生を受け入れて成長していかないといけないと思います。