信原幸弘のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
哲学と科学の2ジャンルから意識がどう生まれるのかを予想、討論する内容。
思考の内から理詰めでさらに奥を探ろうとする哲学と、外部から脳の仕組みを把握して再現を試みる科学のような感じで、アプローチこそ異なるが近しい所を目指す2人がタッグを組んだ…!みたいな感じでわくわくした。
あるサービスが終了したゲームのクライアントを解析し、有志が遊べるようにサーバーを構築して運用しているケースを知っているが、それと同じようなことを人間の脳でやろうとしているようなので、これはいずれできそうだなと思った。
が、それには解析の精度を高めないとならない。生身の脳はそう調達できるものでもないだろうし、僕らの生きてる -
Posted by ブクログ
「肉体的な死」の後に、デジタル空間で「今までと変わらない生活が過ごせる」ことを目指す「マインドアップローディング」という技術を巡り、「哲学者」と「科学者」がそれぞれの立場から語り合う対談本。
哲学的立場、科学的立場から「意識とは何か」「自己同一性とは何か」「デジタル世界における“ウェルビーイング”」といった様々な「“生きる”とは」という問題提起について語られる本書では、なによりも単純に「昨今の恐るべき技術進歩のスピード」に驚いた。
「意識、無意識を含む脳の情報処理の全てを機械に移すことで、その機械に意識が宿り、今生きている世界と同じような形で、デジタル空間で生きていける」という「マインドア -
Posted by ブクログ
「人間の知能の大まかな全体像」を示す本だとのこと。
構成は、最初の2章は「覚える」ことと「わかる」ことの違いを押さえる。
あれ?これで表題の内容が終わっちゃう? と思われる。
そのあと、臨機応変に対応する知の話に展開する。
さらに、「知的徳」と「批判的思考力」へ向かう。
「徳」の話が出てくるところが意外だった。
それは著者が哲学の人だからか?
そこからテクノロジーが人の知を拡張する未来の話になって終わる。
全体としてびっくりするほど新しい話が出てくるわけではないが、「覚える」ことや「わかる」ことをいくつかの局面に分けて考えていくので、こちらも理解を整理しながら読み進めることができる。